鶏とは? わかりやすく解説

読み方:にわとり

「鶏」とは、家禽として世界中で飼育されているキジ科である。カタカナで「ニワトリ」と表記されることが多い。畜産動物として大規模に飼育(養鶏)されることもあれば、愛玩動物として飼育されることもある。

鶏の肉(鶏肉)は、牛肉豚肉並び代表的な食肉のひとつである。また、鶏の卵(鶏卵)は、魚卵などと並ぶ代表的な食用卵のひとつである。「鶏」は、東南アジア中国南部において家禽化されたといわれている。時期については諸説あるが、大雑把にいえば他の主要な家畜と同じ頃(紀元前数千年あたり)には家禽化されたと考えられている。日本に鶏が伝来した時代詳らかでないが、「古事記」に鶏が登場することから、遅くとも飛鳥時代には鶏が知られていたことが分かる

鶏の頭部には赤い「鶏冠(とさか)」、あごの部分には「肉垂にくすい)」または「肉髯(にくぜん)」という赤い器官がある。いずれも皮膚発達した装飾的な器官である。キジ科他の種と同様、あまり飛ばずもっぱら地上歩いて行動する。鶏は空を飛び巡るような飛行能力持たないが、羽ばたき利用して大きく跳躍することはままある

「鶏」の発音・読み方

漢字の「鶏」は、訓読みで「にわとり」と読む。単に「とり」と読まれることもある。特に「雄鶏おんどり)」「雌鶏めんどり)」「鶏肉とりにく)」「若鶏わかどり)」のような熟語構成する場合には「とり」と呼ばれる例が多い。

漢字の「鶏」は、音読みでは「ケイ」と読む。「鶏肉けいにく)」「鶏卵けいらん)」「養鶏ようけい)」「鶏舎けいしゃ)」のように、産業学術分野関連する言葉音読み用いられることが多い。

「鶏」の字を含む言葉には特殊な読み方をする熟字訓数多くある。たとえば「鶏冠(とさか)」「軍鶏(しゃも)」「矮鶏(ちゃぼ)」「黄鶏(かしわ)」など。

「鶏」の語源・由来・漢字の成り立ち

日本語の「鶏(にわとり)」は、古語の「にはつとり庭つ鳥)」を語源とする。古語の「つ」は現代語の「~の」「~にある」に相当する格助詞である。つまり、「にわとり」とは、大方の予想通り、「庭の」「庭にいる」という意味である。

古い和歌枕詞には「のつとり野つ鳥)」という表現もあった。野鳥のことである。主に「雉」に係るまた、いへつとり家つ鳥)」という枕詞もあった。これは「鶏(かけ)」に係る(「にはつとり」と同義)。

「鶏」は古くは「かけ」とも読まれていた。これは鶏の特徴的な鳴き声由来する呼び名考えられている。

漢字の「鶏」は、六書でいう「会意文字」兼「形声文字」である。「奚」偏が音を表し、「」旁が意味を表す。「奚(ケイ)」は鳴き声模した音とも言われている。同時に「奚」は「下僕召使い」の象形でもある。つまり「奚」と「からなる「鶏」の字は、「飼い慣らされ」すなわち「家禽の意味含んでいるといえる

「鶏肉」とは

鶏肉」とは、ニワトリから採られた食肉のことである。部位によって細かく呼び分けられることも多い。比較低カロリーで高タンパクビタミンなどの栄養素豊富に含んでおり、重要な栄養源である。

鶏肉」は「とりにく」と読まれるともあれば「けいにく」と読まれることもある。

鶏肉は、世界的に最もメジャーな食肉一種である。牛肉豚肉は、地域によっては、文化的あるいは宗教的な理由によって忌避される場合があるが、鶏肉には、そうした忌避対象として扱われる)例が少ない。

鶏のほとんどの部位食用利用されるが、腸は雑菌付きやすく腐りやすいため、ほとんど食べられない

「鶏」を英語でいうと

「鶏」は、アメリカ英語では主に「chicken」といい、イギリス英語では主に「fowl」という。

chicken」も「fowl」も、「家禽として生きている鶏」「食肉として捌かれ鶏肉」のどちらも指す表現である。

家禽としての鶏は可算名詞として扱われる食用にするため絞めた後も、1羽の鶏として形をとどめている場合可算名詞として扱われる捌かれた後の鶏肉不可算名詞として扱われる

英語では鶏の雌雄などに応じて呼び名使い分けることがある雄鶏は「rooster」、雌鶏は「hen」という。ひよこは俗にchick」あるいは「chicken chick」と呼ばれることがある

とり【鳥/鶏/×禽】

読み方:とり

(鳥)からだ全体羽毛覆われ、翼で空中を飛ぶ恒温動物鳥類

(鶏)にわとり

鳥肉。特に、鶏の肉。

[補説] 曲名別項。→鳥

[下接語] 青い鳥大鳥・籠(かご)の鳥・唐(から)鳥・雲鳥・小鳥・白(しら)鳥・寝鳥初鶏花鳥比翼の鳥水鳥焼き鳥(どり)一番鶏色鳥浮かれ鳥海鳥親鳥・雄(おん)鳥・飼い鳥・風見鶏・閑古鳥地鳥旅鳥千鳥夏鳥二番鶏・温(ぬく)め鳥・放ち鳥羽抜け鳥・雛(ひな)鳥・冬鳥(むく)鳥・雌(めん)鳥・百千(ももち)鳥・山鳥・呼ぶ子鳥若鳥渡り鳥


かけ【鶏】

読み方:かけ

鳴き声からという》ニワトリ古名

庭つ鳥—は鳴く」〈記・上・歌謡〉


くた‐かけ【鶏】

読み方:くたかけ

《「くだかけ」とも》ニワトリ古名くたかけどり。

「—はいづれの里をうかれきてまだ夜深きに八声鳴くらん」〈夫木・二七


けい【鶏〔鷄〕】

読み方:けい

常用漢字] [音]ケイ(呉)(漢) [訓]にわとり とり かけ

[一]ケイニワトリ。「鶏冠鶏舎鶏鳴鶏卵闘鶏養鶏

[二]〈とり(どり)〉「若鶏

[補説] 「雞」は異体字

難読黄鶏(かしわ)・水鶏(くいな)・秧鶏(くいな)・軍鶏(シャモ)・矮鶏(チャボ)・鶏冠(とさか)


にわ‐とり〔には‐〕【鶏/×雞】


にわとり 【鶏】

キジ目キジ科西洋では古代から神聖なとされ、ギリシアローマで軍神知恵女神医神などに捧げた。時を告げ闇を追い払うものとして風見鶏作られたとの説もある。多産として花嫁馬車にのせたりもする。中国でも太陽迎え霊鳥とする。日本では天の岩屋戸神話出てくるが、これも太陽再生信仰所産である。東北地方には鶏明神とか鶏足神社などがある。鶏の絵馬火防小児夜泣止め百日咳止め奉納する風もある。神と関係するとして食べるのを禁じ地方もある。金鶏伝説もある。ニワトリは庭のの意。→ 風見鶏 金鶏

作者森鴎外

収載図書鴎外全集 第5巻 小説・戯曲 5
出版社岩波書店
刊行年月1987.4

収載図書舞姫 ヰタ・セクスアリス森鴎外全集 1
出版社筑摩書房
刊行年月1995.6
シリーズ名ちくま文庫

収載図書獨身森鴎外著作集 豐前小倉再刊
出版社北九州森鴎外記念
刊行年月2002.3

収載図書阿部一族 舞姫 76改版
出版社新潮社
刊行年月2006.4
シリーズ名新潮文庫


作者杉原不二

収載図書日本全国文学大系 第1巻
出版社東京出版サービス
刊行年月1987.9


作者住井すゑ

収載図書住井すゑ初期短編集 1 農村イソップ
出版社冬樹社
刊行年月1989.8


作者瀬戸内寂聴

収載図書瀬戸内寂聴全集 9 短篇
出版社新潮社
刊行年月2001.10


作者中島敦

収載図書中島敦全集 1 小説
出版社筑摩書房
刊行年月2001.10

収載図書中島敦
出版社筑摩書房
刊行年月2008.3
シリーズ名ちくま日本文学


作者徳田秋声

収載図書徳田秋声全集29小説拾遺2
出版社八木書店
刊行年月2002.7


作者島崎藤村

収載図書島崎藤村北村透谷
出版社筑摩書房
刊行年月2002.12
シリーズ名明治文学

収載図書島崎藤村短編集 第3巻 食後
出版社郷土出版社
刊行年月2003.4


読み方:ニワトリ(niwatori)

キジ科

学名 Gallus gallus var.domesticus


読み方:かしわ

  1. 強盗犯-締ムルノ意ナリ。〔第三類 犯罪行為
  2. 強盗犯を云ふ。鶏を殺して絞めて)「かしわ」にするより。
  3. 強盗犯

読み方:にわとり

  1. 時刻。暁け方。神社或は鶏姦のことを云ふ。

読み方:にわとり

  1. 時刻暁方。〔第一類 天文事変
  2. 時刻又は暁方のことをいふ。鶏はないて時を知らすから、又暁方にないて夜の明けたことを告げるから云ふ。〔犯罪語〕
  3. 明け方のこと、又は時刻。〔一般犯罪
  4. 時刻。暁け方のこと。

分類 犯罪犯罪

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ニワトリ

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/14 06:05 UTC 版)

ニワトリ庭鳥学名Gallus gallus domesticus)は、キジ科に属する鳥類の1で、代表的な家禽として世界中で飼育されている。




「ニワトリ」の続きの解説一覧

鶏(化)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:15 UTC 版)

FUTURESCAPE」の記事における「鶏(化)」の解説

番組において、小山物忘れの酷い様。

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「鶏」の例文・使い方・用例・文例

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