蝶形骨とは? わかりやすく解説

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ちょうけい‐こつ〔テフケイ‐〕【×蝶形骨】

読み方:ちょうけいこつ

頭蓋底(とうがいてい)の中央にあり、眼窩(がんか)の後壁をなす、の形をした骨。楔状骨(けつじょうこつ)。胡蝶骨(こちょうこつ)。


蝶形骨

読み方ちょうけいこつ
【英】:Os sphenoidale,Sphenoid

蝶形骨は頭蓋底のほぼ中央部にあり、上面観は羽を広げたのように、また前方から見るとコウモリのように見え複雑な形の無対性骨である。蝶形骨は発生学的には四つ部分、すなわち体、大翼小翼および翼状突起4部分けられる。これはらは生後1年以内癒合して単一の骨となる。蝶形骨は9種の周囲の骨と相接しており、それらは後頭骨側頭骨頭頂骨前頭骨篩骨鋤骨上顎骨口蓋骨頬骨である。Sphenoidaleはクサビ(sphen)に似たeidos)という意味で、とは無関係。これは多くの骨の間にクサビのようにはまりこんだ骨だからである。日本名以前楔状骨であり、更に古く胡蝶骨呼ばれたこともある。楔状骨の名は現在では足根骨一つ占有されている。

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蝶形骨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/13 09:03 UTC 版)

骨: 蝶形骨
頭蓋内での蝶形骨の位置
蝶形骨
名称
日本語 蝶形骨
英語 sphenoid bone
ラテン語 os sphenoidale
関連構造
上位構造 頭蓋骨
画像
アナトモグラフィー 三次元CG
関連情報
MeSH Sphenoid+Bone
グレイ解剖学 書籍中の説明(英語)
テンプレートを表示
蝶形骨の位置を様々な角度から見た動画。出典:Anatomography

蝶形骨(ちょうけいこつ、: Sphenoid bone)は、部のの一つである。

ヒトの成人の蝶形骨は1つの体と3対の突起(大翼、小翼、翼状突起)よりなる[1]

部位

後頭骨の底部の前方にあり、前方は鼻腔に達する。 内部は副鼻腔の一つである蝶形骨洞で占められている[1]

翼突鈎

翼突鈎英語版(よくとつこう、: Pterygoid hamulus)は蝶形骨翼状突起内側板の下端にあるフック状の突出部である[2]

翼突鈎は以下の2つの役割を果たす[3]

蝶形骨と連結する骨(9種類14個)

語源

昭和初期までは ラテン語: os sphenoidale の直訳で楔状骨と呼ばれていたが、 足根にも楔状骨と訳される部位があって紛らわしいため、 骨の形が蝶の形に見えることから、1944年に日本解剖学会『解剖学用語』において新しくこの用語が選定された [4]。 はじめは蝶骨とする案もあったが、今度はチョウコツという発音が腸骨と同音になるため、「形」の字が加えられたという [4]。 楔状骨の名は現在では足根骨にのみ用いられている(なお、足根骨にある楔状骨の原語は ラテン語: os cuneiformise つまり直訳すれば「楔形文字骨」であって、ラテン語においてはそもそも同名ではなかった)。

脚注

  1. ^ a b 森ら, p.58
  2. ^ "内側板の下端はフック状に突出し,翼突鈎 pterygoid hamulus とよばれる。" Drake 2011, p. 819 より引用。
  3. ^ "翼突鈎は ... 次の役割を有する。 口蓋帆張筋の滑車になる。 翼突下顎縫線の上方の起始部にあたる" Drake 2011, p. 1032 より引用。
  4. ^ a b 澤井 直、2010、「昭和初期解剖学用語の改良と国語運動」、『日本医史学雑誌』56巻1号 pp. 39-52

参考文献

  • 原著 森於菟 改訂 森富「骨学」『分担解剖学1』(第11版第20刷)金原出版、東京都文京区、2000年11月20日、19-172頁。ISBN 978-4-307-00341-4 
  • Neil S. Norton著 前田健康監訳 ネッター頭頚部・口腔顎顔面の臨床解剖学アトラス 医歯薬出版株式会社 原著第1版 CHAPTER 2 骨学 25−68頁。
  • Drake, Richard (2011). グレイ解剖学 (原著第2版 ed.). エルゼビア・ジャパン. ISBN 978-4860347734 

関連項目

外部リンク

  • 蝶形骨 - 慶應医学部解剖学教室 船戸和弥

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