ヒト科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/18 18:04 UTC 版)
ヒト科 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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人とゴリラの骨格 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Hominidae Gray, 1825[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Pongidae Elliot, 1913[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ヒト科[2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
亜科[3][4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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現生群はヒト亜科(ヒト属、チンパンジー属、ゴリラ属を含む)とオランウータン亜科(オランウータン属のみ)で構成される[1][4]。化石種の分類は不明確ではあるものの、絶滅亜科としてドリオピテクス亜科を認めたり、シヴァピテクスなどをオランウータン亜科に含める説もある[3][4]。
旧来はヒトの種を分類するための分類項であったが、ヒトを中心とする古生物学の進展と、DNA解析の進展の結果、ヒトと類人猿、特にゴリラ属・チンパンジー属の遺伝距離は小さいことが分かり、両者もヒト科に分類される意見が主流を占めることとなった。ただし、遺伝子と表現型の関係は未だ明確ではなく、遺伝距離を即、分類に反映させることに対しては慎重論もある。
ヒト科の脳容積
種類 | 分類 | 脳容積 (ml) |
オランウータン | ヒト科 | 411[5] |
ゴリラ | ヒト亜科 | 約500[6] |
チンパンジー | ヒト族 | 394[5] |
アウストラロピテクス・アフリカヌス | ヒト亜族 | 441[5] |
ホモ・ハビリス | ヒト属 | 640[5] |
ホモ・エルガスター | ヒト属 | 700-1100[6] |
ホモ・エレクトス | ヒト属 | 1040[5] |
ホモ・ハイデルベルゲンシス | ヒト属 | 1100-1400[6] |
ホモ・ネアンデルターレンシス | ヒト属 | 1450[5] |
ホモ・サピエンス・サピエンス | ヒト属 | 1350[5] |
分類
かつては人類のみをヒト科とし、類人猿をオランウータン科として区別したが[2]、1989年以降は大型類人猿をヒト科に含めることが多くなっている[1][3][4]。
- ヒト科 Hominidae
- ドリオピテクス亜科 Dryopithecinae†[3]
- アノイアピテクス Anoiapithecus†[4]
- ドリオピテクス Dryopithecus†[4]
- グレコピテクス Graecopithecus†
- ルーフォンピテクス Lufengpithecus†
- ヒスパノピテクス Hispanopithecus†
- ピエロラピテクス Pierolapithecus†
- ルダピテクス Rudapithecus†
- オレオピテクス Oreopithecus†
- ウーラノピテクス Ouranopithecus†[4]
- オランウータン亜科 Ponginae[3]
- アンカラピテクス Ankarapithecus†
- ギガントピテクス Gigantopithecus†(更新世、中国/絶滅)
- コラートピテクス Khoratpithecus†
- シヴァピテクス Sivapithecus†[4]
- オランウータン属 Pongo[7]
- スマトラオランウータン Pongo abelii
- ボルネオオランウータン Pongo pygmaeus
- タパヌリオランウータン Pongo tapanuliensis
- 地位不確実 incertae sedis[3]
- チョローラピテクス Chororapithecus†
- グリフォピテクス Griphopithecus†
- ケニアピテクス Kenyapithecus†
- ナカリピテクス Nakalipithecus†[4]
- サンブルピテクス Samburupithecus†
- ヒト亜科 Homininae
- ゴリラ族 Gorillini[4]
- ヒト族 Hominini
- チンパンジー亜族 Panina(=チンパンジー族 Panini[4])
- ヒト亜族 Hominina
- サヘラントロプス属 †
- サヘラントロプス・チャデンシス Sahelanthropus tchadensis †
- オロリン属 Orrorin †
- アルディピテクス属 Ardipithecus †
- ケニヤントロプス属 Kenyanthropus †
- ケニアントロプス・プラティオプス Kenyanthropus platyops †
- アウストラロピテクス属 Australopithecus †(華奢型)
- アウストラロピテクス・アファレンシス A. afarensis †("ルーシー")
- アウストラロピテクス・アフリカヌス A. africanus †
- アウストラロピテクス・アナメンシス A. anamensis †
- アウストラロピテクス・ガルヒ A. garhi †
- パラントロプス属 Paranthropus †(頑丈型)
- パラントロプス・ロブストゥス P. robustus †
- パラントロプス・エチオピクス P. aethiopicus †
- パラントロプス・ボイセイ P. boisei †
- ヒト属 Homo
- ホモ・ルドルフェンシス H. rudolfensis †
- ホモ・ハビリス H. habilis †
- ホモ・エルガステル H. ergaster †
- ホモ・エレクトス H. erectus †
- ホモ・アンテセッサー H. antecessor †
- ホモ・ハイデルベルゲンシス H. heidelbergensis †
- ホモ・ネアンデルターレンシス H. neanderthalensis †
- ホモ・フローレシエンシス H. floresiensis †
- ホモ・サピエンス H. sapiens
- ホモ・サピエンス・イダルトゥ H. s. idaltu †
- ホモ・サピエンス・サピエンス H. s. sapiens
- サヘラントロプス属 †
- ドリオピテクス亜科 Dryopithecinae†[3]
脚注
- ^ a b c d Colin P. Groves, “Order Primates,” Mammal Species of the World (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 111-184.
- ^ a b 岩本光雄「サルの分類名(その4:類人猿)」『霊長類研究』第3巻 2号、日本霊長類学会、1987年、119-126頁。
- ^ a b c d e f John G. Fleagle, “Appendix 1 - Classification of the Order Primates,” Primate Adaptation and Evolution (3rd ed.), Elsevier, 2013, Pages 415-419.
- ^ a b c d e f g h i j k 山田博之・中務真人・國松豊・濱田穣・石田英實「上顎犬歯形態からみた人類進化」『Anthropological Science (Japanese Series)』第130巻 1号、日本人類学会、2022年、21-54頁。
- ^ a b c d e f g 三上章允 化石人類の脳 脳の世界[リンク切れ]
- ^ a b c 人類の進化 2012年 度基礎生物学A 講義スライド[1][信頼性要検証][リンク切れ]
- ^ a b c 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年11月版」(公開日2018年12月16日・2024年8月18日閲覧)
関連項目
外部リンク
ヒト科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 16:03 UTC 版)
「ヒト科」を参照 チンパンジーは食物獲得や示威のため、道具を作りそれを使用する。協力体制、意思伝達、序列を必要とする、洗練された狩りの戦略を彼らは持っている。彼らは社会的地位を意識しており、目下に指示を出したり、相手を詐術にはめることができる。彼らはシンボルの使用を学習でき、ある種の関係性を備えた構文や数・数列の概念を含めた、人間言語のいくつかの側面を理解できる。 ある研究によると、数の記憶を必要とするいくつか課題において、若いチンパンジーは人間の大学生より良い成績を出している。チンパンジーは共感の能力を持ち、野性の状態において亀に餌を与えたり、(パイソン[要曖昧さ回避]のような)野生動物に興味を示すことが報告されている。
※この「ヒト科」の解説は、「人類の知能の進化」の解説の一部です。
「ヒト科」を含む「人類の知能の進化」の記事については、「人類の知能の進化」の概要を参照ください。
ヒト科
「ヒト科」の例文・使い方・用例・文例
- 類人猿はヒト科の系統樹から分かれて出たものだ.
- ヒト科を特徴付けるもので、人間に似た生物の絶滅種の他に、ホモサピエンスを含む
- 猿、類人猿、ヒト科を含む真猿類亜目の動物
- 霊長目ヒト科の霊長類の動物
- 霊長目ヒト科の標準属
- 優れた知性、明晰に聞き取れる言葉と垂直の歩行で特徴づけられるヒト科の生きているか絶滅した一部のいずれか
- 原始ヒト科直立した背丈だが小さな脳を持った絶滅種
- 更新世後期に出現した原始的なヒト科の絶滅種
- いくつかの高度な人間のような特徴がある直立した東アフリカのヒト科の絶滅種
- 唯一の生存しているヒト科の動物
- アフリカのヒト科の絶滅した属
- 南アフリカ産の華奢なヒト科の一種
- 東アフリカの大きい歯をしたヒト科の動物
- 南アフリカ産の歯の大きなヒト科
- ヒト科の1属
- 霊長目ヒト科の1属
- ヒト科アウストラロピテクス属の、または、ヒト科アウストラロピテクス属に属する
- ネアンデルタール人に似ているがアフリカに住んでいた原始のヒト科
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