ヒト用のフィン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 22:18 UTC 版)
「悠 (人工鰭のウミガメ)」の記事における「ヒト用のフィン」の解説
9月15日に登場した第33モデルは、従来とは違う発想で、腕(前肢)にかぶせて人工ヒレを装着するタイプではなく、添え木のように腕(前肢)にのせてボディジャケットの上から固定するタイプが装着試験された。しかし、取り付けに時間がかかるうえに、しっくりいかず、泳ぎがぎこちないように見えた。問題点は、ヒレの部分が軽すぎることと、ヒレの「しなり」が不自然なことと考えられた。この問題の解決に、人間用のフィンがちょうどよい重さを与え、水を捉えると考えられ、人のダイビング用のゴム製のフィンを整形してヒレ先にすることが議論された。 9月29日には、ヒト用のフィンを用いた第28モデルを再び使って、第28モデルを少し改良した人工ヒレで装着試験をおこなった。今回の課題は、悠の前肢の位置で、人工ヒレ未装着時(ニュートラル時)の前肢は、体より前側に垂れ下がるのに対し、人工ヒレ装着時の前肢は、体より背側に万歳をしているかのように位置するが、この違いが泳ぎの際に前肢の適正な可動域を阻害している可能性が指摘された。悠はこのまま経過を観察され、5日後の10月3日まで無事に過ごし、川村義肢チームに装着具合のチェックを受けた。 次いで第34モデルは、本来のウミガメの前肢のつくりに近づける意図で、前肢の可動域を阻害しないように、ボディジャケットの前肢を覆う部分をやや尾側、腹側に向けて立体的に整形し、また、ヒレはちょうどよい重さで、かつ、しなりを与えるために、ヒレ部分の頭側を分厚く硬く、尾側に向かうにつれて薄くしなやかに加工したタイプとなった。10月13日の装着試験で、この第34モデルをつけた悠は、大水槽に入れた途端に「びゅんびゅん」泳ぎだし、また、数分後には大水槽の底にまで潜ったりした。
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