ヒト抗体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 08:15 UTC 版)
モノクローナル抗体を作製できるという発見以来、科学者たちは、ヒト化抗体またはキメラ抗体の副作用を軽減するために、完全ヒト製品の作製を目標としてきた。いくつかの成功したアプローチとして、トランスジェニックマウス(英語版)、ファージディスプレイ、単一B細胞クローニングが確認されている。 2016年11月現在、市販されている完全ヒトモノクローナル抗体治療薬19種のうち、13種がトランスジェニックマウス技術に由来している。 トランスジェニック技術を採用して市場に出している組織は次のとおりである。 Medarex(英語版) - UltiMabプラットフォームを販売していた。Medarex社は2009年7月にブリストル・マイヤーズ スクイブ社に買収された。 Abgenix社 - Xenomouse技術を販売していた。Abgenix社は2006年4月にアムジェン社に買収された。 リジェネロン・ファーマシューティカルズ社 - VelocImmune技術。 Kymab - Kymouseテクノロジーを販売している。 Open Monoclonal Technology社のOmniRat™およびOmniMouse™プラットフォーム。同社は、2015年12月にLigand社に買収された。 TRIANNI, Inc - TRIANNIマウスプラットフォームを販売している。 Ablexis, LLC - AlivaMabマウスプラットフォームを販売している。 ファージディスプレイは、繊維状ファージの外皮タンパク質(Phage major coat protein)上で可変抗体ドメインを発現させるために使用可能である。これらのファージディスプレイ抗体は、さまざまな研究用途に使用できる。ProAbは1997年12月に発表され、罹患組織と非罹患組織に対する抗体ライブラリのハイスループットスクリーニングを行うもので、Proximolはフリーラジカル酵素反応を利用して、特定のタンパク質に近接する分子を標識するものである。 モノクローナル抗体は、癌、心血管疾患、炎症性疾患、黄斑変性症、移植拒絶反応、多発性硬化症、ウイルス感染症の治療に承認されている。 2006年8月、米国研究製造業者協会(英語版)の報告によると、米国企業は160種類のモノクローナル抗体を臨床試験中または米国食品医薬品局の承認を待っている。
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