ぜん‐し【前肢】
まえ‐あし〔まへ‐〕【前足/前脚/前▽肢】
前肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/18 03:52 UTC 版)
前肢(ぜんし、forelimb, fore-leg)とは、
昆虫
昆虫の前肢はその生活様式に応じた形態へと分化している[1]。たとえばタテハチョウ科の中には味受容器つきの前肢を持つものがあり、コオロギ類では音を感じる弦音器官を備えており、ミズスマシの前肢は遊泳に適した形状になっており、ケラの前肢はシャベル状になっている[1]。
脊椎動物
イヌ
イヌのものについては
肩に肩甲骨があり、肩から肘までの上腕は上腕骨(Humerus)で形成されており、一般的にその長さは肩甲骨とほぼ同じである[2]。上腕骨の長短はイヌの歩幅と関係する[2]。肘から手首までの前腕は橈骨(Radius)と尺骨(Ulna)の2本の骨で形成されている[2]。イヌの肩甲骨の角度は肩甲棘(Scapula spine)から肩峰(Acromion)をたどった角度で確認でき[2]、イヌの場合理想的な角度は45°で[2]、肩関節の角度は肩甲骨と上腕骨の角度が 90° である[2]。90°以上になってくると肩甲骨が立ってきて前脚が体の重心に近づき、肩関節の可動域が狭くなってゆく[2]。
ヒト
-
イヌの前肢(前脚)とヒトの腕
鳥類

脚注
参考文献
- 岩波生物学辞典 第四版
前肢
「前肢」の例文・使い方・用例・文例
- アザラシのひれ状の前肢
- 羽毛と、翼として変形された前肢によって特徴付けられる温血の産卵する脊椎動物
- 羽毛と、翼として変形された前肢によって特徴付けられる温血の産卵する脊椎動物の科
- よく発達した前肢があるデボン紀の化石の両生類
- ウナギに似た北米の水生のサンショウオで、前肢は小さく後肢はない
- ニュージーランドに棲む原始的なカエルで、前肢には4本、後肢には5本の指を持つが、水かきはない
- 短い前肢を持つ肉食性竜盤目の恐竜類
- 短い前肢を持ち、強力な後肢で歩いたり走ったりした、三畳紀から白亜紀にかけての多くの肉食恐竜類各種
- 絶滅したジュラ紀と白亜紀の爬虫類で、鳥のようなくちばしと、各前肢の非常に長い第4の指により支えられる膜翼があるもの
- 小さな眼と穴を掘るのに適した前肢を持つ、なめらかな毛皮で覆われた小型の穴居性哺乳動物
- ヒレのような前肢を持ち、後肢のない、大型の水生肉食哺乳類:クジラなど
- 大きい草食の水生哺乳動物の2つの属性で、櫂の形をした尾にひれ足のような前肢があるが、後肢がない
- 膜質の翼を形成するのに変化した前肢を持ち、航行用の反響定位に解剖学上適応した夜行性のネズミのような哺乳動物
- 餌を掴んで保持するのに適した前肢と長い呼吸管により、いっぱいに伸びた腹部を持つ長い肢の水生昆虫
- 退化した前肢を持ち悪趣味な熱帯性の大型蝶
- 物を掴むのに適した尾と4本の鈎爪のある前肢を持つ歯の無い小型アリクイ
- 前肢(またはひれ足・翼のような他の動物における相同構造物)
- 四肢動物の前肢
- 前肢の太く短い最も内側の指
- 前腕と上腕の間にあり、四肢動物の前肢にある関節に相当する蝶番関節
前肢と同じ種類の言葉
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