付属肢
付属肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:43 UTC 版)
付属肢(関節肢)は全てが背面の外骨格に覆われ、順に1対の鋏角(chelicera)・5対の二叉型の脚・1対の鰭状の付属肢・6対の蓋板(operculum)がある。鋏角と脚の間には、上唇(labrum)と思われる突起物がある。前7対の付属肢は背甲に対応し、脚は外肢を除いてそれぞれの基部は腹面中央で放射状に配置され、口はその間にあったと考えられる。残り6枚の蓋板は前6枚の背板に対応している。 鋏角は鋏角類として典型的な形で、小さく、3節のうち先端2節ははさみをなしている。 5対の脚のうち、少なくとも前の4対は外肢(exopod)と内肢(endopod)でできた二叉型付属肢である。脚の内肢はいずれも少なくとも6節の肢節に分かれ、先端2節ははさみをなしている。前4対の外肢は頑丈な歩脚状でおよそ6節の肢節に分かれ、背甲の正面に集約してそこから突き出し、先端は数多くの剛毛(刺毛)が生えている。内肢は体の腹面中央から出るのに対して、外肢はやや離れた上の所から出るため、各脚の外肢と内肢は連結しているか、またそうだとした場合はどうやって連結しているかは不明確である。それに対し Sutton et al. 2002 ではそれぞれ未発見の高い基節の上方と下方に連結していると推測されたが、Briggs et al. 2012 ではダイバステリウムの場合と同じく、外肢は体壁を介にして完全に内肢から遊離していたと考えられる。 最終の脚は前述のような外肢をもたず、代わりに巻きひげ状の分岐を付け根に有し、脚と背甲内壁の間に格納される。これは現生カブトガニ類の櫂状器(flabellum)に相同な外肢もしくは外葉(exite)と解釈される。 第7対の付属肢は鰭状で、直後の一部の蓋板を覆うほど後方に広がる。それぞれの先端は14本ほどの剛毛が並んでいる。 残り6対の蓋板は鰭状で、後3対はやや短い。これらの蓋板はごく単調な形でカブトガニのものに見られる分節と内肢はなく、上下で柔軟に湾曲でき、裏側には書鰓と思われる数枚の構造体が畳んでいる。
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付属肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:35 UTC 版)
「ハラフシカブトガニ類」の記事における「付属肢」の解説
ハラフシカブトガニ類の付属肢(関節肢)は知られるほとんどの化石標本に見当たらず、それに関する情報は非常に限られている。少なくとも他の節口類のように、基本として前体には1対の鋏角と5対の脚、後体にはおそらく6対の蓋板(operculum)という、書鰓のある平板状の付属肢をもつと推測される。 ヴェヌストゥルスと Camanchia の化石標本からは保存状態の良くない前体付属肢が知られ、背甲に覆われる1対の鋏角と5対の脚をもつことが分かるものの、それ以上の細部構造はほぼ不明で、Camanchia の最初の脚に鉤爪状の先端をもつことしか分からない程度である。ウェインベルギナの場合は例外的に付属肢の大部分を保存した化石標本がいくつか発見されるが、その構成については議論の余地があり、特に脚に関したは、20世紀後期から2000年代にかけて複数の研究結果に支持される「6対をもつ」と、2015年に提唱される「(オファコルスとダイバステリウムのような)発達した外肢をもつ」という2つの解釈が挙げられる。6対の脚をもつ解釈の場合、6対目の脚は後体第1節(第7体節)に由来で、他のカブトガニ類の唇様肢(chilaria)に相同と考えられる(詳細はウェインベルギナ#脚の数と構造を参照)。
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付属肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:13 UTC 版)
詳細は「関節肢」を参照 各体節からは、原則として1対の関節肢(arthropodized appendage)という本群に特有の付属肢が出ている。これが「節足動物」という名前およびその学名の由来となっている。関節肢も体と同様に外骨格で覆われ、関節によって分かれた肢節(podomere)からなる。関節肢は所属する分類群や位置によって歩脚・遊泳脚・鋏・鎌・顎・触角・鰓・生殖肢など様々な機能に応じて色んな形に特化している。例えば頭部には感覚用の触角と摂食用の顎、胴部には移動用の歩脚を持つなど、節足動物は、往々にして異なる機能を担った様々な関節肢を掛け合わせて、「アーミーナイフのように、独自の機能を有する複数の道具が同時にセットされる」とも比喩される。また、節足動物は多くが口の直前に上唇(labrum)もしくはハイポストーマ(hypostome)と呼ばれる1枚の蓋状の構造体があり、これも付属肢由来の部分ではないかと思われる。なお、前述の体節のように、寄生性甲殻類や昆虫の幼虫の中には、関節肢が不明瞭もしくは完全に退化消失した例もある。 軟甲類の体制模式図:頭部には2対の触角と3対の顎・胸部には8対の胸肢・腹部には5対の遊泳肢と1対の尾肢をもつ 鋏型の第1脚、歩脚型の第2-4脚とヘラ状の第5脚(遊泳脚)をもつタイワンガザミ(ワタリガニ) 関節肢は、内肢(endopod)と外肢(exopod)もしくは外葉(exite、副肢 epipod)をもつ二叉型付属肢(二肢型付属肢、biramous appendage)が基本だと思われる。しかし、現生節足動物の中でこの性質を明瞭に受け継いだのは多くが甲殻類で、他の分類群においては内肢しか見られない単枝型付属肢(単肢型付属肢、uniramous appendage)がほとんどである。また、三葉虫とメガケイラ類をはじめとする多くの古生代の絶滅分類群は、胴部の付属肢がヒレ状の外肢と歩脚状の内肢でできた二叉型である。 三葉虫の二叉型の歩脚 様々な甲殻類の二叉型附属肢(en:内肢、ex:外肢、ep:外葉) 鋏状(右)と亜鋏状(左)の関節肢 ミジンコの胸肢 クモの歩脚と触肢 カマキリの鎌状の前脚
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付属肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 14:43 UTC 版)
ウミグモの基本的な付属肢(関節肢)は鋏肢・触肢・担卵肢各1対、および脚を4対全て有し、いずれも機能的な形に発達した。 鋏肢(chelifores、原記載では鋏角 chelicerae)は眼丘の左右から突出し、伸ばすと体長の約0.9倍にも及ぶほど発達で、また4節に分かれている(柄部2節と鋏2節)。鋏の基部(掌部)は頑丈で、可動指と不動指は細長い。この鋏は上向きに屈曲しており(通常のウミグモの場合は下向き)、可動域が広かったことを示唆する。 触肢(palps)と担卵肢(ovigers)はそれぞれ吻の前後に備わり、長さは体長と同じ程度で、お互いに似た形態をもつ。先端の鉤爪をも含めて、それぞれおよそ8節と9節に分かれている。 4対の脚は頭部(第1脚)と胴部(第2-4脚)の接脚突起(lateral process)に連結しており、体長の2倍を超えるほど長く伸び、先端の鉤爪をも含めると9節に分かれている。第1肢節と接脚突起の境目は不確実で、第2肢節は最も長く、第7肢節は最も短い。鉤爪以外の先端数節はやや扁平で、数多くの剛毛(setae)を生えている。また、少なくとも第4脚の第1肢節にも1対の剛毛が生えている。
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「付属肢」の例文・使い方・用例・文例
- いくつかの穀類と草の開花部分の上に芒、すなわち剛毛様あるいは毛様の付属肢があるさま
- 鋭く硬い動物の突起物または付属肢
- 小型の針のような付属肢
- 特徴としては、それぞれが胸郭体節に繋がる五対の移動用付属肢を持つ甲殻類の動物
- 大きな物を掴む付属肢を持つ熱帯海洋性穴居性甲殻類の動物
- 一般的には、呼吸用や捕食用と同様に、遊泳用の葉のような多対の付属肢と甲皮を持つ水生甲殻類の動物
- 多くの付属肢の付いた透明な体を持つ淡水性の小型の鰓脚類
- 餌を引き寄せる羽のような付属肢を持つ海水甲殻類
- 移動と呼吸において機能する多毛類環虫の一組の多肉質の付属肢の1つ
- 節足動物の二枝型付属肢
- 器官や付属肢のような、有機体のあらゆる部分
- 胸脚という,節足動物の胸部付属肢
- 付属肢という動物の器官
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