メガケイラ類以外の "大付属肢"
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 17:07 UTC 版)
「大付属肢」の記事における「メガケイラ類以外の "大付属肢"」の解説
メガケイラ類以外の化石節足動物に由来するにもかかわらず、一部の文献に同じく "大付属肢" と呼ばれ、「広義の大付属肢」に含まれた捕獲用の頭部付属肢は次の通りに列挙される。これらの付属肢をもつものは、いわれる「広義の大付属肢節足動物」に含まれる分類群でもある。 ラディオドンタ類(アノマロカリス類)の前部付属肢(frontal appendage) イソキシスの前端の付属肢(frontalmost appendage) オッカカリスとフォルフェクシカリスの捕獲用の付属肢 フーシェンフイア類の「specialized post-antennal appendage」(SPA) ブランキオカリスの捕獲用の付属肢 Kiisortoqia の前端の付属肢 パリオスコーピオの捕獲用の付属肢 これらの付属肢は上述の通り、一般では「大付属肢」以外の名称で呼ばれている。また、これらの付属肢は捕獲用という機能上の共通点以外に、必ずしも大付属肢に類似や相同とは限らない。大付属肢との類似性が多少見られ、相同の可能性があるもの(ラディオドンタ類、イソキシス、オッカカリス、フォルフェクシカリス、Kiisortoqia)があれば、大付属肢とは大きく異なった形態をとり、別起源の可能性が高いもの(フーシェンフイア類、ブランキオカリス)もある。これらの付属肢をもつ分類群も、ほとんどが一般にメガケイラ類とは別系統扱いである。そのため、「広義の大付属肢」と「広義の大付属肢節足動物」は、形態学・相同性・類縁関係のいずれも適切に反映されず、単に機能的類似のみに基づいた便宜上のカテゴリに過ぎない。 Ortega-Hernández et al. 2017 に統合される、当時においてこれらの付属肢の比較的に広く認められる対応関係は次の通り(「広義の大付属肢」に含まれる付属肢は太字、絶滅群は「†」で示される)。なお、その中で議論の余地があり、それ以降の研究と発見によって対応関係を覆されかねないものもある。 体節(脳神経節) 分類群 先節(前大脳)1(中大脳)2(後大脳)3456†ラディオドンタ類 前部付属肢 鰭 鰭 鰭 鰭 鰭 鰭 †イソキシス ? 前端の付属肢 ? ? ? 脚 脚 †オッカカリス、†フォルフェクシカリス ? 触角 捕獲用の付属肢 脚 脚 脚 脚 †フーシェンフイア類 ハイポストーマ 触角 SPA 脚 脚 脚 脚 †ブランキオカリス ? 触角 捕獲用の付属肢 ? ? ? ? †Kiisortoqia ? 前端の付属肢 脚 脚 脚 脚 脚 †メガケイラ類 上唇/ハイポストーマ 大付属肢 脚 脚 脚 脚 脚 鋏角類 上唇 鋏角 触肢 脚 脚 脚 脚 †Artiopoda類(三葉虫、光楯類など) ハイポストーマ 触角 脚 脚 脚 脚 脚 大顎類(多足類、甲殻類、六脚類) 上唇 第1触角 第2触角/(退化) 大顎 第1小顎 第2小顎/下唇 脚/顎脚 これらの付属肢の概説とその由来に対する解釈は、次の通りに挙げられる。
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