メガコーポ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 00:26 UTC 版)
シャドウランの舞台となる第六世界に君臨する超巨大国際企業体。企業に対して唯一法的執行権を有する、衛星軌道上の企業法廷に参加権を得たAAA級企業のみがこう呼称される。さらにAA級以上の企業敷地内では治外法権を認められており、大企業は事実上国家以上の存在となっている。 これは1999年のセレテック判決、そして2001年のシアワセ判決を根拠として成立している。セレテック判決では、食料を求めるあまり輸送物を誤認した暴徒から汚染物質輸送車を護衛するためにセレテック社が私設部隊を投入・鎮圧を行ったことが当然の権利として認められたことで企業の武装化が進み、シアワセ判決では、民間核施設運営権を手にしたシアワセ社がセレテック判決を受けて施設警備のため治外法権を主張・承認を得たというのが歴史の流れになっており、以後一世紀近くの間この状況は覆っていない。 基本的にセッションなどで関わってくるのはメガコーポおよび系列傘下企業が中心だが、これは別にメガコーポと関連企業しか世の中に存在しないわけではなく、シアトル市の警察業務を代行していたローンスター社や、エルフ系の企業であるテレストリアンなど多くの企業が他にも存在している。 またメガコーポといえど決して盤石というわけではなく、かつてメガコーポだった淵電子産業は内乱によって分裂して各社に吸収され、クロス応用技術社はCEOの事故死によってAAA級企業の座から転落している。一方、幾度となく災難に見舞われたレンラクや、黒い噂の絶えないアズテクノロジーが未だにメガコーポとして健在であるため、決して侮って良いものではない。 作中世界における2072年現在のメガコーポは以下の十社で、総合して「十大企業(BIG 10)」と呼ばれている。 アレス重工 アメリカ・カナダ合衆国(UCAS)系企業 ゼネラルモーターズとアメリカ航空宇宙局を母体とする巨大軍産複合体企業。 傘下警備会社ナイト・エラントに特殊部隊ファイアウォッチを保有する。またナイト・エラントは2072年時点ではシアトルの警察業務を行っているが、軍隊気質での治安維持を行っているため評判が悪い。 伝説的シャドウランナー、ダミアン・ナイトのナノ・セカンド買収による社長就任が有名。 アズテクノロジー メキシコを中心とした南米に領土を持つ「アズトラン」の国営企業。 アステカ帝国の復活を自称しており、世界的に禁止されている鮮血魔術(人間を生贄に捧げる魔術)にまつわる黒い噂が絶えない。 しかし食品産業のシェアは八割を占め、また優れたコマーシャル能力により社に対する悪いイメージは完全に払拭されている。 強力な特殊部隊「レオパルド・ガード」、「ジャガー・ガード」を保有する。 イーヴォ ロシア系企業。バイオウェアを中心に展開している。 かつてはヤマテツという日系企業だったが、新社長がオークだったことから内外より反発を招き、ロシアに移転して社名も変更した。 自由精霊の金鳳花(バタカップ)が筆頭株主を勤めていることでも有名。AIやテクノマンサーを含む非ヒューマン種族に対して最も寛容な企業。 しかし非合法活動について慎重なだけで、その危険性は他のメガコーポと同様であるとされる。 宇宙開発に対して最も力を入れているメガコーポでもある。また東京で大きなシェアを持つ武装救急サービス「クラッシュカート」社はイーヴォ系列企業である。 第四版リプレイ『天使たち』シリーズではプレイヤーたちの後援者として支援を行うことになる。 五行公司(ウーシン・カンパニー) 香港系企業。投資・魔法・運送の分野で急速に発展している。 ダンケルザーンの魔法的遺産を元に勢力を拡大してAAA級企業として認められ、関連の重要施設は全てマナ・ライン上に建築されているため魔法的な防御が極めて高い。 一方で勢力拡大の勢いに物理的な側面では対応が追いついておらず、物理的人材的には色々と不足しがちな側面がある。 中国のグレートドラゴン"嵐"とは敵対関係にあり、嵐傘下の中華系マフィアとも対立している。 シアワセ 日系企業。史上最初のメガコーポであり、あらゆる分野で経済活動を行っている。 2000年に国際法廷より民間核施設運営の権利を認められ、2001年に治外法権を獲得、事実上世界最初のメガコーポとなった。 シアワセ家による一族経営だが家庭内の不和があり、現在の筆頭株主は社長令嬢であり皇后でもあるシアワセ・ヒトミ。 ゼーダークルップ ドイツ系企業。BMWなどを中心とした重工・軍需の最大手。 グレートドラゴン・ロフヴィルによるワンマン経営企業でもあり、様々な意味を含めて「世界最強のメガコーポ」と称される。 2075年時点での十大企業ランキングでは1位。シャドウランナーへの対応は(依頼者側としても防衛側としても)同様に厳しいと言われる。 ネオネット UCAS系企業。旧ノヴァテク社。コンピューターハードウェアの大手。 フチ社の重役が資産と技術を持ち逃げする形で独立したが、その後行った新規株式公開がマトリックス・クラッシュ2.0を引き起こすきっかけとなってしまった。 対鮮血魔術師専門の特殊部隊「ネオメイジ」を保有している。 ホライゾン 最も新しく参入してきたメガコーポ。メディア系の最大手でウォルト・ディズニー・カンパニーなどを傘下企業として保有する。 社員に自由時間を有効活用することを推奨し、その成果を社で応援することで商品化するなどフランクな社風で知られる。 一方でテクノマンサーの囲い込みを計画したり、囚人を使った非合法工作部隊を設立しているなど、黒い噂も絶えない。 ミツハマ・コンピューター技術(MCT) 日系企業。ロボット産業と魔法産業に強大なシェアを持つ。 テクノマンサーや超AIに対する非人道的な姿勢で知られ、また裏ではヤクザとの強固なつながりを保有しており、敵対する者には容赦しない(メガコーポならどれも同じだが)。 特にその社有地は「シャドウランナーの生還率ゼロ」を目標とした「ゼロ・ゾーン」として知られている。 また魔法担当部署である「十三課」は悪名高い。 富士見書房版リプレイ第二部、第四版リプレイ『ビギナーズ・バッドラック』ではプレイヤーたちと深く関わることになる。 レンラク・コンピュータ・システム 日系企業。通信産業やライフラインの作成では最大手。医療分野にも強い。 千葉に本拠地をおいており、伝説的な経営者である姉樹稲蔵を永世終身名誉会長とした社員全体を家族・身内として見做す経営体制で知られる。 レンラク・アーコロージー・シャットダウンなどの災厄に見舞われながら、揺らぐことなくメガコーポとして君臨し続けている。 また「レッド・サムライ」は最強の企業特殊部隊としてその名を轟かせている。 この他、日本で独自展開された第二版では「神明院化学」と「カタクラ・コーポレーション」がオリジナルのメガコーポとして登場し、富士見書房版リプレイ第二部、ドラゴンコミックス版で深く物語に関与していた。
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