警備会社とは? わかりやすく解説

警備会社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/15 07:43 UTC 版)

民間警備会社(みんかんけいびがいしゃ 英語:private security company, PSC)は、顧客(クライアント)にセキュリティサービスとセキュリティ関連の専門知識を提供する、民間会社である。

概要

民間警備会社は、米国労働統計局の定義によれば、ボディガード、駐車場警備、警備員などのガードやパトロールサービスを主に提供する企業である。これらの会社が提供するサービスの例としては、不正行為や不正侵入の防止、交通誘導やアクセスコントロール、火災や盗難の防止・検知などが挙げられる。これらのサービスは、広義には人員や資産を保護するものと言える。その他、巡回警備、ボディガード、番犬サービスなどのセキュリティサービスも含まれるが、業界の中ではごく一部である[1]

民間警備会社の顧客は、特に限定は無く、私企業の場合も、公共部門の場合も、富裕層や中間富裕層やいわゆる中流階級などの私人の場合もある。

民間警備業界は急速に成長している。現在、米国には200万人の常勤警備員が働いているが、この数は2020年までに21%増加すると予想されていて[2]、警備業界は年間1,000億ドル規模の産業になっている。さらに、当時は2010年までに2,000億ドルに成長すると予測されていた[3]。米国は民間軍事・警備サービスの世界最大の消費国であり、米国の民間警備業界では2010年から需要が大幅に増加し始めた[4]。それ以来、米国の警備産業はすでに3,500億ドル規模の市場に成長している[2]

呼称、従業員の呼び方

警備会社自体は「警備請負業者(security contractors)」と呼ばれることもあるが、これは別の部署による支援で運営されている民間軍事請負業者(private military contractors)と混同してしまうため、一般的ではない。

民間警備会社の従業員は、彼らが活動する州または国の法律に応じて、一般的に「セキュリティガード」または「セキュリティオフィサー」と呼ばれる(日本語訳だとほぼどちらも「警備員」となる)。

業務に関する関連項目

日本における警備会社

日本における警備会社は一般的にビルマネジメント業界の1分野に位置付けられている。 2023年度(令和5年度)の統計によると、常用警備員は53万4,983人で、臨時警備員は4万9,885人という状況であり、警備員総数に占める臨時警備員の割合は8.5%であった[5]

警備会社の大手を挙げるために日本の警備会社の売上高によるランキングを示すと、2023-2024年頃の実績で次のとおり[6]。会社名、売上高を挙げ、簡単な説明を添える。

  • 1位:セコム - 1兆1,547億円[6]。個人や法人向けにセキュリティサービスを提供[6]
  • 2位:綜合警備保障(ALSOK) - 5,210億円[6]。セコムと同様にホームセキュリティや法人向けセキュリティサービスを行っていて、さらに現金輸送車の警備に強み[6]
  • 3位:テイケイ - 918億円[6]。施設警備や交通誘導、海上警備、身辺警護、交通誘導、道路規制のほか、イベント会場の警備など人を多く動員する業務も得意とする[6]
  • 4位:セントラル警備保障 - 681億円[6]。施設警備や鉄道警備を得意とし、三井物産住友商事JR東日本と提携関係にあり、たとえば東京駅上野駅などの警備を行っている[6]
  • 5位:アサヒセキュリティ -507億円[6]。警備輸送業務を中心とし、貴重品運搬や現金輸送を行う。2015年にセコムの子会社になった[6]
  • 6位:全日警 - 388億円[6]。国の重要設備や公共施設の警備を得意とし、空港保安検査ランキングでは世界第2位の実績[6]
  • 7位:グリーン警備 - 234億円[6]。交通誘導警備と交通規制業務、イベント警備を得意とする[6]

その他に中小の警備会社が多数ある。警備員数100人未満の警備業者が9,649業者もあり、警備会社の全体の90.4%を占めている[5]。なお2023年(令和5年)12月末における全国の警備業者の営業所の総数は1万6,513営業所もある[5]

一覧

  • 民間警備会社の一覧英語版
  • 南アフリカの民間警備業界英語版

ギャラリー

フィクション

  • キャッシュトラック:2021年公開のアクション映画。現金輸送専門の武装警備会社が舞台となっている。

出典

  1. ^ U.S. Bureau of Labor Statistics NAICS 561612- The U.S. Producer Price In Security Guards and Patrol
  2. ^ a b The Growth & Development of the Private Security Industry”. First Security. 21 February 2014閲覧。
  3. ^ The Arizona Republic: Private security guards play key roles post-9/11 22 January 2006
  4. ^ Global Data & Statistics | Private Security Monitor | University of Denver”. psm.du.edu. 2015年11月27日閲覧。
  5. ^ a b c 令和5年における警備業の概況”. 警察庁. 2025年2月15日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 警備会社の売上・年収ランキング2025!警備業界の将来性”. 2025年2月15日閲覧。

関連項目

  • 警備
  • 私設警察
  • 民間軍事会社:軍事活動やそれに類似した活動に関連する専門的なサービスや専門知識を提供する会社。民間軍事会社は、イラクでのブラックウォーター社の活動の結果、民間軍事会社という言葉に否定的なイメージがあるため、セキュリティ会社と呼ばれることもある。

外部リンク


警備会社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 04:26 UTC 版)

栄誉礼」の記事における「警備会社」の解説

民間の警備会社も大規模なイベント等要人対す栄誉礼警備業務として請け負うことがある

※この「警備会社」の解説は、「栄誉礼」の解説の一部です。
「警備会社」を含む「栄誉礼」の記事については、「栄誉礼」の概要を参照ください。

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