かこい‐こみ〔かこひ‐〕【囲い込み】
囲い込み
囲い込み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 07:48 UTC 版)
囲い込み(かこいこみ、英語: enclosure)は、細かい土地が相互に入り組んだ混在地制における開放耕地 (Open Field) を統合し、所有者を明確にした上で排他的に利用すること。歴史上、幾度となく繰り返されてきたプロセスであるが、特にイギリスにおいて16世紀と18世紀の二回行われたものを指す。第一次囲い込みは牧羊目的で個人主導で行われたのに対し、第二次囲い込みはノーフォーク農法などの高度集約農業の導入のために議会主導で行われた。かつては囲い込みによって仕事を奪われた農民が労働者となり、産業革命に労働力を供給したとされたが、現在では囲い込みと都市部への人口流入はそれほど大きな関係は無かったとされている。
- ^ a b W.G.ホスキンズ『景観の歴史学』柴田忠作訳 東海大学出版会 2008年、ISBN 9784486017301 pp.191-207.
- ^ 老親「囲い込み」賠償命令/東京地裁 姉2人、妹と会わせず『日本経済新聞』朝刊2019年12月31日(社会面)2020年1月13日閲覧
囲い込み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 19:04 UTC 版)
中世ヨーロッパの農業は様々な封建的な制度によって特徴づけられるものであり、保有する農地を細かな地条に分割・分散させて他の共同体メンバーと混在させた場所に配置させ(混在地制)、そこで行う農作業を個人ではなく共同体全体による共同作業として実施し(耕作強制)、共同作業を円滑に行うため個人による囲いなどは認めず、共同体全体の耕地として開放された状態に置く開放耕地制度がとられていた。これは耕地のみではなく草原や森林においても同様であり、それらの土地は個人の所有する土地ではなく共同体による共有地として扱われていた。 囲い込みというのはこうした封建的な諸制度を破棄し、これまで他人がその土地に対して持ってきた一切の権利(家畜の放牧や落穂拾い、燃料の収集等)を否定する行為であり、土地を個人の管理下の不動産として扱う近代的な土地所有型式へ移行させるものである。ノーフォークは羊毛需要の高まりの中で囲い込みがいち早く進行した地域であり、共同体規制による束縛を受けずに新農法に取り組める環境が形成されていた。
※この「囲い込み」の解説は、「ノーフォーク農法」の解説の一部です。
「囲い込み」を含む「ノーフォーク農法」の記事については、「ノーフォーク農法」の概要を参照ください。
「囲い込み」の例文・使い方・用例・文例
- 囲い込みのページへのリンク