こうしん‐せい〔カウシン‐〕【更新世】
更新世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/31 07:14 UTC 版)
累代 | 代 | 紀 | 世 | 期 | 基底年代 Mya[* 3] |
---|---|---|---|---|---|
顕生代 | 新生代 | 第四紀 | 完新世 | メガラヤン | 0.0042 |
ノースグリッピアン | 0.0082 | ||||
グリーンランディアン | 0.0117 | ||||
更新世 | 後期更新世 | 0.129 | |||
チバニアン | 0.774 | ||||
カラブリアン | 1.8 | ||||
ジェラシアン | 2.58 | ||||
新第三紀 | 鮮新世 | ピアセンジアン | 3.6 | ||
ザンクリアン | 5.333 | ||||
中新世 | メッシニアン | 7.246 | |||
トートニアン | 11.63 | ||||
サーラバリアン | 13.82 | ||||
ランギアン | 15.97 | ||||
バーディガリアン | 20.44 | ||||
アキタニアン | 23.03 | ||||
古第三紀 | 漸新世 | チャッティアン | 27.82 | ||
ルペリアン | 33.9 | ||||
始新世 | プリアボニアン | 37.8 | |||
バートニアン | 41.2 | ||||
ルテシアン | 47.8 | ||||
ヤプレシアン | 56 | ||||
暁新世 | サネティアン | 59.2 | |||
セランディアン | 61.6 | ||||
ダニアン | 66 | ||||
中生代 | 251.902 | ||||
古生代 | 541 | ||||
原生代 | 2500 | ||||
太古代[* 4] | 4000 | ||||
冥王代 | 4600 | ||||
更新世(こうしんせい、英:Pleistocene)は、約258万年前から約1万1700年前までを指す、第四紀の第一世にあたる地質時代。後期更新世、チバニアン、カラブリアン、ジェラシアンの4つの期に区分される。
かつては洪積世(こうせきせい、Diluvium)[注 1]ともいい、そのほとんどは氷河時代であった。
この前の鮮新世(せんしんせい、Pliocene)と合わせて鮮新・更新世(Plio-Pleistocene)として扱われることもある。
分類
更新世は、前期、中期、後期に分けられ、前期はさらにジェラシアン及びカラブリアンに分けられている。
- 後期更新世(0.126 - 0.0117 Mya[注 2]、12万6000年〜(西暦2000年から数えて)1万1700年前)[1] - 現在、タランティアン (Tarantian) の名称がIUGS-ICSで検討されている[2]。
- チバニアン(0.781 - 0.126 Mya、78万1000年〜12万6000年前) - 名称について、2017年6月に日本の1チームがチバニアン (Chibanian)[注 3]、イタリアの2チームがイオニアン (Ionian) を申請。審査の結果2020年1月、「チバニアン」と命名された。
- カラブリアン(1.806 - 0.781 Mya、180万6000年〜78万1000年前)[1]
- ジェラシアン(2.588 - 1.806 Mya、258万8000年〜180万6000年前)[1]
大陸
大陸の形は現在とほとんど変わらないが、氷期・間氷期の氷床の拡大・縮小による海水準変動に伴って、海岸線の位置が移動した。更新世の後期では海水準にして百数十メートルの変動があった。海水準が低下した時期は、現在浅い海である海域の多くが陸地となっている。
気候
氷期と間氷期を繰り返した[注 4]。総計で15回の氷期があった。その主たる要因は地球の回転軌道の性質からもたらされる変化のために生じる太陽放射量の周期的な変動である(ミランコヴィッチ周期)[3]。
更新世における気候
- 200万年前 - ヒーバー氷期、ヒーバー-ドナウ間氷期
- 100万年前 - ドナウ氷期、ドナウ-ギュンツ間氷期
- 80万年前 - ギュンツ氷期(ネブラスカ)
- 50万年前 - ギュンツ-ミンデル間氷期(アフトニア)、ミンデル氷期(カンザス)
- 40万年前 - ミンデル-リス間氷期(イリノイ)、リス間氷期
- 25万年前 - 12万年前 リス氷期、
- 7万年前 - ヴュルム氷期(ウィスコンシン)(最終氷期)、リス-ヴュルム間氷期(サンガモン) - 北半球に巨大な氷床が発達しはじめた。カナダおよび米国北部、北西ヨーロッパの大部分を覆い、別の氷床がアルプス山脈とシベリアの一部を覆った。南半球ではそれほどでもなかったと考えられている。南極大陸は第四紀を通じて棚氷に覆われていた。[4]。
- 2〜1.8万年前 - 最寒冷期
- 1.4〜1.2万年前 - 古ドリアス期(小寒冷期)
完新世における気候
- 1.2万年前 - アレレード期(温暖期)
- 1.1万年前 - 新ドリアス期
生物
- ヒト属が進化(原人ほか)。現生人類(ホモ・サピエンス種)も中期に出現。更新世の間にヒト亜族の大半が絶滅。中国科学院などはアフリカの10集団を含む50集団の遺伝子情報を解析し、更新世の人類の集団規模を推定。その結果、およそ93万年前に集団の個体数が激減するボトルネックを経験していたことがわかった[5][6]。この時期は急激な寒冷化により、人類の数は1,280人ほどにまで減っており、この絶滅寸前の状態が12万年ほど続いたようである。これは実際に人類の化石がほとんど発見されていない時代と一致する[5]。80万年前ほどになると、気候の回復や火の利用などにより、人口は急激に増加したとされる[6]。最終的に現生人類のみが生き残った。
- 更新世の終わり頃から、大型の哺乳類の絶滅が始まる(特に北米大陸で顕著だったという)。これは完新世まで続く。
脚注
注釈
- ^ 洪積世の名は地質学に時期区分が導入された17世紀にこの時代の地層がノアの洪水の反映と信じられたことによる。現在では神話に結びつけることは望ましくないため、この区分名は使われなくなった。
- ^ mya、m.y.a.とは million years ago の略で、百万年前のこと。英語版Wikipedia参照 ⇒ mya (unit)
- ^ 千葉県市原市の養老川沿いに、この時期に発生した地磁気逆転の痕跡の残る露頭があることから。 小湊鉄道公式ウェブサイト. “市原のパワースポット(地球磁場逆転地層)のご案内”. 2017年11月16日閲覧。
- ^ 地域によって異なった名称が与えられている。以下の名称はアルプス地域名(北アメリカ)(リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 301ページ)より。
出典
- ^ a b c “INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)” (PDF). 日本地質学会. 2015年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月19日閲覧。
- ^ 日本第四紀学会#第四紀学最新情報#第四紀と更新世の新しい定義に関連する地質時代・年代層序の用語について 2010年9月17日 (金) 16:57 (UTC)閲覧
- ^ リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 299-300ページ
- ^ リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 301ページ
- ^ a b Wangjie Hu; Ziqian Hao; Pengyuan Du; Fabio Di Vincenzo; Giorgio Manzi; Jialong Cui; Yun-Xin Fu; Yi-Hsuan Pan; Haipeng Li (2023年8月31日). "Genomic inference of a severe human bottleneck during the Early to Middle Pleistocene transition". サイエンス (英語). 381 (6661). doi:10.1126/science.abq7487。
- ^ a b 「約100万年前、人類は絶滅寸前だった」『Newton』第43巻第12号、2023年10月26日、4頁、ISSN 0286-0651、JAN 4910070471234。
参考文献
- リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 ISBN 978-4-89694-887-5
関連項目
外部リンク
- “地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2014年1月改訂版”. 日本地質学会. 2014年3月19日閲覧。
- “INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)” (PDF). 日本地質学会. 2015年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月19日閲覧。
- 仲田崇志 (2009年10月29日). “地質年代表”. きまぐれ生物学. 2011年2月14日閲覧。
更新世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 00:16 UTC 版)
東海堆積盆および古琵琶湖堆積盆は約300万年前から北上し、その後は大阪盆地・奈良盆地・京都盆地・播磨盆地と淡路島を含むような広範囲で大阪堆積盆が形成された。東海堆積盆・古琵琶湖堆積盆・大阪堆積盆の3盆地は河川で接続され、広大な淡水域が形成されていた。大阪盆地の沈降は続き、さらに当時の地球が間氷期に突入して海水面の上昇が起きたことで、約150万年前には紀伊水道を介して太平洋の海水が盆地に流れ込むことになった。地球が氷期を迎えると海水面は低下し、砂や礫が河川に堆積して平野や湖沼を形成した。約130万年前には再び海進が起き、大阪平野と京都・奈良盆地を完全に水没させるほどの範囲まで湾が拡大し、第二瀬戸内海が形成された。ただしその規模はかつての第一瀬戸内海に比べると遥かに限られたものであった。第二瀬戸内海は約30万年前に至るまで計10回発生していた海進・海退のサイクルに伴って姿を何度も変えていた。 氷期・間氷期サイクルに伴う海水準変動に際して、海面下で侵食されていた地形が離水して海岸段丘が形成されたのも氷河期の頃である。ウルム氷期とも呼ばれる最終氷期では、莫大な量の水分が氷河・氷床として固定されたため海水面が130 - 140メートル低下し、第二瀬戸内海も陸地へ変化した。ウルム氷期終了後、縄文海進により海水準は回復し、現在の瀬戸内海が形成されることになる。
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更新世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 03:21 UTC 版)
「グレートブリテン島の地質」の記事における「更新世」の解説
更新世中の大きな変化は幾度かの最近の氷期によってもたらされた。最も厳しかったのはアングリア氷期(英語版)で、厚さが1,000 mにもなる氷河が島の最南端のロンドンとブリストルにまで達した。これはおよそ47万8000年前から42万4000年前の間に起き、テムズ川の迂回路がちょうど現在の進路をとるように至らしめた。 石器の形態に数々の証拠がみられ、イングランド南部には、アングリア氷期に続いて訪れた温暖なホクソニアン間氷期(英語版)に、ヒトの集団が住み着いた。イギリス海峡はこの時期に繰り返し開いたり閉じたりし、時折グレートブリテンを島にした。ブリテン諸島で見つかった、年代の特定された最古のヒトの化石には、25万年前からのスワンズクーム人(英語版)の頭蓋骨が含まれ、より早い年代のクラクトニアン人(英語版)の化石もこの時代のものである。 およそ35万2000年前から13万年前まで続いたウルストニアン氷期(英語版)は約15万年前にピークに達したと考えられており、その名前はコヴェントリーの南東にある村ウルストン(英語版)に因み、同地は氷河の南限と考えられている。 ウルストニアン氷期に続いてイプスウィッチアン間氷期(英語版)が訪れ、同時期は最北のリーズでカバが生息していたことが知られている。 最終氷期であるディベンシアン氷期は約11万5000年前に始まり、およそ2万年前にピークを迎え、ほんの1万年前に終わったと考えられており、アスク谷(英語版)とワイ谷が氷河により侵食され、氷床自体はウルヴァーハンプトンとカーディフの南にまで達したとされている。グレートブリテン島で最古のヒトの遺骨は「パビランドの赤い貴婦人(英語版)」と呼ばれる男性の遺骨で、2万9000年前のものである。氷床がピークに達すると遂に人々はその土地を去り、氷床が後退すると再び入植したと考えられている。5000年前までには、グレートブリテン島は現在よりも温暖であったと考えられている。 氷河によって残された特徴の中には、スコットランド西海岸のフィヨルド、湖水地方のU字谷、そしてノルウェーのオスロ地域から運搬され、ヨークシャー沿岸に堆積した迷子石などがある。
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「更新世」の例文・使い方・用例・文例
- その谷が堆積物で埋まったのは更新世初期のことと考えられている.
- 更新世に出現し絶滅したビーバー類
- 鮮新世と更新世のアメリカ産のナマケモノのような地上性の絶滅した巨大哺乳動物
- 南米産の更新世の絶滅した貧歯類の大型(クマの大きさ)哺乳動物
- 更新世後期に出現した原始的なヒト科の絶滅種
- 更新世後期の初期の人間
- 更新世に広く分布していた非常に多くの絶滅したゾウの総称
- 中新世から更新世にかけて世界中に繁殖していた絶滅した象のような哺乳動物
- 更新世後に絶滅したゾウ
- 更新世の植物
- 後期の更新世の時期に北アメリカと南アメリカで最も初期の人間の住民であった古アメリカの民族の一員
- アルプス山脈の最後から二番目の更新世の氷河作用とその時蓄えられた蓄積物
- 北ヨーロッパの最後から二番目の更新世の氷結とその時に存在していた堆積した土地
- 英国における最終の一つ手前の次更新世氷河作用とその時に積もった堆積
- 最も近い氷河時代は、更新世期にあった
- 更新世という地質時代
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