氷期と間氷期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 04:36 UTC 版)
氷床の極小期と極大期 第四紀の北半球の氷床の極小期(間氷期、黒)と極大期(氷期、グレー) 第四紀の南半球の氷床の極小期(間氷期、黒)と極大期(氷期、グレー) 詳細は「氷期」および「間氷期」を参照 氷河時代の間でも(少なくとも現在の氷河時代では)気候が比較的温暖な時期と寒冷な時期がある。より寒冷な時期は氷期、より温暖な時期は間氷期と呼ばれ、氷期と間氷期が約10万年周期で交互に訪れてきた。 氷期は、地球のほとんどを覆う寒冷化・乾燥化していく気候と、両極地方から低緯度地域に向かって拡大する大陸氷と海氷の塊に特徴づけられる。氷期でなければ氷床に覆われていなかったはずの地域の山岳氷河は、標高のより低い方へ広がる。これは雪線がより低くなるためである。海水準は氷冠の海水面の上で大量の海水が凍結して海水量が減るために低下する。また、海洋循環のパターンが氷河作用により乱されていることを示す証拠もある。北極地方と南極地方で重大な大陸氷河作用があったので、我々は現在、氷河時代の極小期にいる。そのような氷期の極大期と極大期の間の時期は間氷期として知られている。氷期と間氷期は、ミランコビッチ・サイクルと呼ばれる地球の公転軌道の周期的変化とも合致していた。 この約11,700年間、地球は完新世として知られる間氷期(ないし後氷期)にあり、2004年に科学誌 Nature に掲載された記事は、現在の間氷期は28,000年間続いた以前の間氷期に最も類似しているかもしれないことを論じている。軌道強制力(英語版)の変化の予測によれば、次の氷期が始まるのは、人為的な地球温暖化がないとしても、少なくとも今から5万年後になるだろうと示唆されている。さらに、化石燃料の集約的利用が続く限り、増加した温室効果ガスに由来する人為的強制が地球の軌道強制力よりも重大な影響を及ぼすかもしれない。
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