ミランコビッチ‐サイクル【Milankovitch cycle】
ミランコビッチ・サイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 09:58 UTC 版)
ミランコビッチ・サイクル(Milankovitch cycle)とは、地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期である[1]。1920 - 1930年代に、セルビアの地球物理学者ミルティン・ミランコビッチ(Milutin Milanković)は、地球の離心率の周期的変化、地軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動の三つの要素が地球の気候に影響を与えると仮説をたて、実際に地球に入射する日射量の緯度分布と季節変化について当時得られる最高精度の公転軌道変化の理論を用いて非常に正確な日射量長周期変化を計算し、間もなくして放射性同位体を用いた海水温の調査で、その仮説を裏付けた。
- 1 ミランコビッチ・サイクルとは
- 2 ミランコビッチ・サイクルの概要
- 3 地質時代における気候変動との関連
- 4 外部リンク
ミランコビッチサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/07 00:19 UTC 版)
「完新世の気候最温暖期」の記事における「ミランコビッチサイクル」の解説
詳細は「氷期」および「ミランコビッチ・サイクル」を参照 この気候事件は、おそらく地球軌道の変化で簡単に説明が付き、最終氷期終了の延長的な現象と思われる。 9,000年前、軌道要素では地軸の傾き(グラフobliquity)が24°で、極域の夏に最も太陽が近づいており(近日点、グラフの偏心率 eccentricity)、北半球が受ける日射量が極大となる。ミランコビッチ要素の計算からは、更に北半球の夏の日射量がより増加し、より熱せられるという結果が導かれる。また、太陽黒点の活動も活発な時期であった。この結果、雷を伴った嵐が活発な熱帯収束帯と呼ばれる地域が南へシフトしたと予想される。 しかし軌道要素の計算結果は北半球で発見された気候の極大反応より数千年早い。この遅れは 地球が最終氷期から脱する時からの気候の継続的な変化や、氷のフィードバック効果と関連した結果であろう。気候変動が異なった地域ではしばしば時期がずれたり、その継続期間も異なるということを考察する際にも同様である。幾つかの地点のこのイベントに伴う気候変化は、早くておよそ9,000年前から始まったり、4,000年前まで継続している場所もある。更に付け加えると、北半球から離れた南半球の最温暖期は、北半球の温暖化に先立ち非常に早く起きている。
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