三つの要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 09:58 UTC 版)
「ミランコビッチ・サイクル」の記事における「三つの要素」の解説
離心率の変化 地球は太陽を焦点の一つとする楕円軌道上を公転しているが(ケプラーの第一法則)、その楕円の形状は常に一定ではなく、約10万年をかけて横に伸びた楕円が円に近い楕円となり、そしてまた横に伸びた楕円となっている。楕円が最も伸びた形になる時と楕円が最も円に近い形になる時とでは太陽と地球との距離は最大で1827万kmも変わる。この差が太陽からの光量に影響を与え、結果として地球の気候にも影響を与えることになる。 現在の氷期サイクルの周期は約10万年であり、離心率の変動周期と一致している。しかし、それらを関係づけるメカニズムについては完全に理解されていない(10万年問題)。 地軸の傾きの変化 地球の地軸の傾きは約21.5度から24.5度の間の間を定期的に変化しており、その周期は4.1万年である。現在は極大となった約8,700年前から小さくなっている時期にあたる。現在は23.4度であり、約11,800年後に極小となる。地球の地軸の傾きは季節差に影響を与え(地軸の傾きが大きいほど季節差が大きい)、結果として地球の気候にも影響を与える。 歳差運動の変化 地球の自転軸の向きは、公転しながら周期的に変化しており、これを歳差と呼ぶが、この周期は1.8万から2.3万年である。 これら三要素が地球の気候に影響を与えるが、実際には他にも様々な要因が関わるため、単純に計算出来るものでもない。(後述)また一般的に離心率の変化が地球の気候に影響を与えやすいが、地球史全体で見れば例外もある。実際、過去70万年の気候変動では10万年周期の離心率の変化ではなく、4万年周期の地軸の傾きの変化が重要な役割を果たしている。
※この「三つの要素」の解説は、「ミランコビッチ・サイクル」の解説の一部です。
「三つの要素」を含む「ミランコビッチ・サイクル」の記事については、「ミランコビッチ・サイクル」の概要を参照ください。
- 三つの要素のページへのリンク