コミュニケーションの三つの要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/23 04:44 UTC 版)
「アルバート・メラビアン」の記事における「コミュニケーションの三つの要素」の解説
1971年の著書『Silent messages(邦題:非言語コミュニケーション)』における調査では、メラビアンは次のような結論を出した。まず、人と人とが直接顔を合わせるフェイス・トゥー・フェイス・コミュニケーションには基本的に三つの要素があることである。 言語 声のトーン (聴覚) 身体言語(ボディーランゲージ) (視覚) そして、これら三つの要素は、メッセージに込められた意味・内容の伝達の際に占める割合が違う。彼によれば、これらの要素が矛盾した内容を送っている状況下において、言葉がメッセージ伝達に占める割合は7 %、声のトーンや口調は38 %、ボディーランゲージは55 %であった。 効果的で意義のあるコミュニケーションをするためには、これら三つのメッセージ要素が、メッセージの意味を正しく伝えるように互いに支えあう必要がある。つまり三つの要素は一致する必要がある。しかし要素間に不一致・矛盾が発生した場合は、メッセージの受け手は異なる回路から異なる伝言を受け取り、異なる情報を与えられるため、不快な思いをすることとなる。 次の例は、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションに不一致が生じた場合である。 言葉: 「君は悪くなんかないよ!」 態度: 目線を合わせない、浮かない表情をする、等 この場合、受け手はコミュニケーションにおいて優勢な要素のほうを受け入れる傾向がある。すなわちメラビアンに拠れば非言語コミュニケーション(38 + 55 %)のほうを、言ったとおりの言葉(7 %)よりも信用する。 ここで重要なことは、それぞれの研究において、メラビアンは感情や態度(すなわち、好意・反感)の伝達を扱う実験を行ったことである。つまり単に事実のみを伝えたり要望をしたりするコミュニケーションの場合には無関係である。加えて、メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを過度に重視するのは、メッセージの送り手がどちらとも取れるメッセージを送った状況でのみ発生することである。非言語コミュニケーションの占める合計が93 %に及ぶのは、言っている言葉(言語)と、とっている口調や表情(視覚、聴覚)に矛盾が発生する場合のことである。 「交流分析#ゲームとその分析」も参照
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