地球の気候
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:27 UTC 版)
長期的及び短期的な太陽活動の変動は地球の気候に影響を与えていると考えられるが、太陽の変動と地球の気候の間の関係を直接量的に証明するのは非常に難しく、現在も研究が続いている。 初期の研究は、天気と太陽黒点の関係を見出そうとしてきたが、ほとんどうまくいかなかった。最近では太陽活動と地球の気温の間の関係に主眼を置き、太陽周期は地域の気候にも影響を与えていることが示唆されている。SORCEのスペクトラル放射照度モニター(英: spectral irradiance monitor)による観測で、太陽の紫外線の変動は予想されたよりも大きく、そのため例えば、太陽極小期には、アメリカ合衆国や南ヨーロッパではより寒い冬、カナダや北ヨーロッパではより暖かい冬になることが示された。 太陽変動が地球の気候に影響を与える機構としては、次の3つが提案されている。 太陽放射が直接気候に影響を与える(放射強制力)。 紫外線成分の変動は合計の変動よりも大きく、そのため紫外線が気候に対して大きな効果を持つとすれば、気候の変動が大きくなる。 雲量の変化等、太陽風に影響される宇宙線に媒介される効果。 太陽黒点の周期の変動は0.1%と小さいが、地球の気候に検出可能なほどの影響を与えている。チャールズ・キャンプ(英: Charles D. Camp)とカ・トゥング(英: Ka Kit Tung)による研究は、太陽放射の変動は、11年間の極大期と極小期の間で±0.1 Kの平均地球気温の変化をもたらすことを示した。 太陽活動周期より長い期間での太陽変動の影響も気候科学では研究されている。測定される太陽変動の大きさは、温室効果ガスの強制力と比べてずっと小さいため、現在の科学界のコンセンサスは、太陽変動は今日の地球温暖化の主要因にはなっていないというものである。しかし、太陽の影響に関する理解のレベルは未だ低い。
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