ひょう‐かん〔‐クワン〕【氷冠】
読み方:ひょうかん
⇒氷帽
氷帽
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氷帽(ひょうぼう, 英: ice cap)とは、氷冠(ひょうかん)または冠氷(かんぴょう)ともいい、陸地を覆う5万km2未満の氷河の塊のこと。陸地を覆う氷河の塊が5万km2以上にわたって広がっている場合は、氷床と呼んで区別する[1][2][3]。
氷帽は平原に多い氷床と異なり、起伏の多い地形にも多数みられる。特に、ひとかたまりの山の山頂部から中腹にかけてを覆うように氷帽が存在していることが多い。普通、この氷帽は時間が経つにつれて、山頂を境に割れて、それぞれが山麓に向かって流出していく一方、割れて山肌が露わになった表面には新雪が積もり、新たな氷帽が形成されていく[1][3]。
氷帽に覆われた地形の表面は、氷帽による変形、浸食等の氷食地形により大きな影響を受ける。五大湖をはじめとした北アメリカの多くの湖は、氷帽が後退したときに、数十万年という長い時間をかけて谷のように地形が削られた影響で形成されたと考えられている。
惑星の極地域を覆う氷のことを「極冠氷」と呼ぶことがあるが、これはマスメディアによる命名で、学術的には不正確だという主張がある(本来、5万km2以上の氷河は冠氷ではない)[4]。
世界の主な氷帽
- 氷河の一覧(氷床含む)も参照。
- ヨーロッパ
- オーストフォナ氷河(ノルウェー領 スヴァールバル諸島 ノールアウストランネ島)
- ヴァトナヨークトル氷河(アイスランド)[5][6]
脚注
- ^ a b Benn, Douglk; David Evans (1998). Glaciers and Glaciation. London: Arnold. ISBN 0-340-58431-9
- ^ Bennett, Matthew; Neil Glasser (1996). Glacial Geology: Ice Sheets and Landforms. Chichester, England: John Wiley and Sons Ltd.. ISBN 0-471-96345-3
- ^ a b Greve, R.; Blatter, H. (2009). Dynamics of Ice Sheets and Glaciers. Springer. doi:10.1007/978-3-642-03415-2. ISBN 978-3-642-03414-5
- ^ TIME Magazine Online: Arctic Ice Explorers
- ^ Flowers, Gwenn E.; Shawn J. Marshall, Helgi Bjŏrnsson and Garry K. C. Clarke (2005). “Sensitivity of Vatnajŏkull ice cap hydrology and dynamics to climate warming over the next 2 centuries”. Journal of Geophysical Research 110: F02011. doi:10.1029/2004JF000200 2007年5月31日閲覧。.
- ^ . 5. http://navigator-sru.passhe.edu/login?url=http://site.ebrary.com/lib/sru/Doc?id=10103983.
関連項目
氷冠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 09:13 UTC 版)
アウストラレ高原は部分的に、水の氷とCO2の氷(ドライアイス)からなる厚さ3 kmの永久の極冠に覆われている。火星の冬になると、季節性の氷冠がこれらに加わり、その範囲は南緯60度付近まで広がる。これら季節性の氷冠は厚さは1 mほどである。 氷冠の広さは、地域的な気候変動により縮小している可能性がある。 惑星全体の気温が上昇しているという説も主張されているが、探査機とマイクロ波によるデータでは火星全体の気温は安定しており、むしろ寒冷化の可能性を示している。 1966年、LeightonとMurrayは火星の両極には大量のCO2が氷の形で蓄積されているとの仮説を発表した。しかし今日では、極冠の大部分は水の氷で構成されていると考えられている。両極の氷冠のうち、季節性の薄い層はCO2とみられており、南極ではさらにその下に8~10 mの永久のCO2層があり、さらにその下に分厚い水の氷の層が広がっている。CO2の氷は水の氷と比べて脆く、CO2では厚さ3 kmもの氷冠を長期に渡り安定して存在させることはできないと分析されている。 NASAのマーズ・リコネッサンス・オービターのSHARAD氷貫通レーダーによる最新の研究では、アウストラレ高原の地下に存在するCO2の氷の量は、現在の火星大気の約80%に相当すると見積もられている。 ESAのマーズ・エクスプレスのデータによれば、氷冠は主に3つの領域から構成されている。1つ目は最も反射率が高い領域で、この領域はCO2の氷が85%、水の氷が15%を占めている。2つ目は氷冠から周辺の平地への斜面を形成している領域で、ほぼ水の氷で形成されている。3つ目は氷冠を囲む永久凍土の領域で、斜面から数十 kmに渡って広がっている。 永久の氷冠の中心は、南緯90度の南極点ではなく、そこから北に約150 km離れた地点に位置している。火星の西半球にはヘラス平原とアルギル平原(英語版)という2つの大きな衝突盆地(クレーター)が存在しており、これにより氷冠の上に移動しない低気圧が作り出される。その結果、氷冠には白い雪が降り積もり、アルベドが高くなっている。これは、雪の少ない南極の東側が黒い氷で覆われているのとは対照的である。
※この「氷冠」の解説は、「アウストラレ高原」の解説の一部です。
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