地質時代の区分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 16:47 UTC 版)
時代区分の詳細は 「地質時代区分表 (詳細)」を参照 国際層序委員会による地質系統・地質年代表 (International Stratigraphic Chart) 2015年1月版(以降 ICS2015 と略)に準拠して、地質時代の区分を概説する。時代区分名に関してはICS2018/07に基づく。 すべての階層の基底年代について、GSSPによって定義する作業が継続されている。2013年1月にICSが発行したISC2013では基底年代が大幅に書き換わり、2015年、2016年と改訂が続いている。また、おおよその数値を意味する波線(~)は継続して使用されている。その後も改訂作業は続いており、ICSからは随時改訂版が発表されている状況である。地質時代区分表 (詳細)も同様にISC2013年版の内容に準拠した上で、その後の改訂の内容を反映させるべく記事の更新作業が続いている。なお、地質時代区分の日本語名称に関しては、詳細表も含め、2015年4月に改訂された日本地質学会のガイドラインによる この項目では色を扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。(Template:色) 時代区分の配色は国際地質科学連合公認の世界地質図委員会発行のGeologic Time Scale 2008 で用いられている色[リンク切れ]に拠った。 またこの節の表では、開始年代の値について誤差は記入せず中央値のみを記載している。 表・話・編・歴 地質時代の区分(概略)開始年代(年前)累代代紀世概要1万1700年 顕生代 新生代 第四紀 完新世 人類の時代。更新世末に、大型哺乳類の大規模な絶滅。氷期と間氷期の繰り返し。大規模な氷河。日本海が拡がり、弓状の日本列島となる。 258万年 更新世 533万3000年 新第三紀 鮮新世 パナマ地峡形成、ヒマラヤ山脈上昇、寒冷化、氷床発達。ヒトの祖先誕生。 2303万年 中新世 生物相はより現代に近づく。アフリカがユーラシア大陸と繋がったことで両大陸間の拡散。インド大陸衝突。孤立している南アメリカとオーストラリアは、異なった動物相。日本海となる地溝帯が細長い海となり島(古日本列島)が誕生。 3390万年 古第三紀 漸新世 気候変動による大規模な海退。哺乳類の進化・大型化。日本列島に当たる部分は大陸の一部、後に日本海となる地溝帯が拡大。 5600万年 始新世 現存哺乳類のほとんどの目(もく)が出現。 6600万年 暁新世 アフリカ、南アメリカ、南極大陸は分離。ヨーロッパと北アメリカはまだ陸続き。インドは巨大な島。絶滅した恐竜の後の哺乳類、魚類の放散進化。植物は、白亜紀に引き続き被子植物が栄え、この時代にほぼ現代的な様相 1億4500万年 中生代 白亜紀 ジュラ紀から白亜紀の境目に大きな絶滅などはなく、白亜紀も長期にわたり温暖で湿潤な気候が続いた。恐竜の繁栄と絶滅。哺乳類の進化、真鳥類の出現。後期にかけて各大陸が完全に分かれ配置は異なるが現在の諸大陸の形になる。末期に小惑星の衝突が原因と推定されるK-T境界の大量絶滅。 2億130万年 ジュラ紀 パンゲア大陸がローラシア大陸、ゴンドワナ大陸へ分かれ始め、後期にはゴンドワナ大陸も分裂を開始。絶滅を生き残った恐竜が栄えた。被子植物の出現。有袋類、始祖鳥出現。ジュラ紀は現在より高温多湿で、動物・植物はともに種類が増え、大型化していった。 2億5217万年 三畳紀 パンゲア超大陸、平原化、砂漠化。気温上昇、低酸素化。恐竜の出現。紀末に76%が大量絶滅。 2億9890万年 古生代 ペルム紀 ユーラメリカ大陸とゴンドワナ大陸が衝突し、さらにはシベリア大陸も衝突しパンゲア大陸へ。単弓類の出現。紀末に95%以上の生物種が絶滅。シベリア洪水玄武岩が原因か。P-T境界 3億5890万年 石炭紀 ゴンドワナ大陸、ローレンシア大陸、バルチック大陸、ユーラメリカ大陸。シダ植物の繁栄、昆虫の繁栄、爬虫類の出現。 4億1920万年 デボン紀 両生類の出現、シダ植物、種子植物の出現。紀末に海洋生物種の82%が絶滅した。 4億4340万年 シルル紀 昆虫類や最古の陸上植物が出現 4億8540万年 オルドビス紀 オウムガイの全盛期で三葉虫のような節足動物や筆石のような半索動物が栄えた。甲冑魚のような魚類が登場。紀末に85%の種の大量絶滅。オゾン層形成。 5億4100万年 カンブリア紀 海洋が地球上のほぼ全てを覆い尽くす、動物門のほとんどすべてが出現したと考えられている。「カンブリア爆発」と呼ばれる急激な生物多様化。 6億3500万年 原生代 新原生代 エディアカラン 多細胞生物の出現。エディアカラ生物群 紀末に大量絶滅。6億年前に雪球地球 8億5000万年 クライオジェニアン 7億年前に雪球地球 10億年 トニアン ロディニア超大陸の分裂開始。 12億年 中原生代 ステニアン ロディニア超大陸の形成。大陸棚の拡大。シアノバクテリアの最盛期、酸素分圧(酸素濃度)が現在の10%以上まで上昇。真核生物の出現。代末に有性生殖発現。 14億年 エクタシアン 16億年 カリミアン 18億年 古原生代 スタテリアン 大陸がはじめて安定した(クラトン化)。最初の超大陸(ヌーナ大陸)出現か? 光合成により遊離酸素を放出する微生物シアノバクテリアの繁栄。大酸化イベント(英語版)による縞状鉄鉱層の形成。大部分の嫌気性微生物の消滅。ヒューロニアン氷期、22-23億年前に雪玉地球。全大陸にわたる造山活動。2回の最大級の小惑星衝突。 20億5千万年 オロシリアン 23億年 リィアキアン 25億年 シデリアン 28億年 太古代(始生代) 新太古代(新始生代) 初期に全生物の共通祖先が現れ、細菌の祖先と古細菌類の祖先が誕生したと推定されている。藍藻(シアノバクテリア)の出現。始生代の微生物の化石(微化石)がいくつか見つかっている。 32億年 中太古代(中始生代) 36億年 古太古代(古始生代) 40億年 原太古代(原始生代) 46億年 冥王代 地球誕生、月の形成(ジャイアント・インパクト説)、隕石の後期重爆撃期。地殻と原始海洋ができ、有機化合物(生命前駆物質)の化学進化の結果、原始生命体が誕生したと考えられている。40億年前の岩石や44億年前の結晶が見つかっている。
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