半索動物とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 生物 > 動物 > 動物 > 半索動物の意味・解説 

はんさく‐どうぶつ【半索動物】

読み方:はんさくどうぶつ

動物界一門。すべて海産で、体は細長く、前体・中体・後体の3部分かれ中体背側中央陥入してできた器官がある。発生幼生の形からは皮(きょくひ)動物近く形態から原索動物にも類縁がある。腸(ちょうさい)類・翼鰓類などを含む。


ギボシムシ類

同義/類義語:半索動物
英訳・(英)同義/類義語:acorn worm, hemichordata

動物の分類で、半索動物に属する。進化的には、脊索動物最も近い考えられている生物群
「生物学用語辞典」の他の用語
生物の名前総称など:  カメ類  カリフラワーモザイクウイルス  キノコ  ギボシムシ類  クサガメ  クモ  クモヒトデ類

半索動物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/16 13:53 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
半索動物 Hemichordata
腸鰓類の一種
分類
: 動物界 Animalia
階級なし : 後口動物 Deuterostomia
: 半索動物門 Hemichordata
学名
Hemichordata Bateson1885
ギボシムシ類の排泄物

半索動物(はんさくどうぶつ、Hemichordata)は、後生動物の1グループである。分類階級半索動物門が当てられる。

ヒトなどの脊索動物棘皮動物とともに新口動物に属する。おそらく棘皮動物に近縁だが、新口動物の基底的な側系統とする説もある。

半索動物には90種程度の現生種があり、腸鰓類(ギボシムシ類)と翼鰓類(フサカツギ類)の2つの主要な現生グループを含む。ギボシムシ類は柔軟性に富む肉質の体を持ち、浅海の砂泥中に生息している。フサカツギ類は深海底などで群体を形成し、固着性の生活をしている。また、筆石とよばれる化石は、フデイシ類という絶滅した第3のグループに分類される。

特徴

  • 体は前体、中体、後体の連続した3つの部分からなり、前体に1つ、中体と後体にそれぞれ1対ずつの真体腔をもつ。
  • 鰓裂(さいれつ)とよばれる咽頭部の開口をもつ。これは脊索動物と共通の特徴である。
  • 開放血管系をもち、前部にある拍動部(心胞)によって無色透明な血液を循環させている。
  • 雌雄異体である。ギボシムシ類は体外受精で、フサカツギ類もおそらく体外受精で繁殖する。

脊索動物との関係

半索動物は、口盲管(半索)という脊索に似た構造を持つため、脊索動物との類縁関係が指摘され、半索動物という学名がついた。鰓裂(さいれつ)という共通構造をもつことから、脊索動物と半索動物が類縁関係にあることは正しいとされるが、脊索と口盲管との相同性については疑問が提示されている。例えば、脊索形成時に発現するBra遺伝子が口盲管の形成時には認められないなど、両者の相同性を支持する結果は得られていない。

脊索動物と半索動物の起源については2つの説がある。1つ目の説は、これらの共通祖先はフサカツギ様の着生生活性の動物であり、これが幼形成熟(ネオテニー)的な進化をすることでギボシムシ類や脊椎動物のような自由生活性の動物が現れたとするものである。

2つ目は、ギボシムシ様の自由生活性の動物が共通祖先であり、ここから着生生活性の動物が分岐したとする説である。

18SrDNAを用いた解析結果などでは、ギボシムシ様の自由生活性の動物が共通祖先であることを支持する結果が得られている。

分類

腸鰓綱(ギボシムシ綱) Enteropneusta
細長い体形の柔軟性に富む肉質の体をもち、浅海の砂泥中に生息している。体長は数cmから2m程度まで。欄干の飾りである擬宝珠(ぎぼし)に前体部が似ていることから、ギボシムシの名前がついた。英語ではこの部分をドングリacorn)にみたて、acorn wormと呼ぶ。
翼鰓綱(フサカツギ綱) Pterobranchia
分泌物で棲管を作り、群体生活をする。体長は数mm程度。中体に数対の触手がある。
プランクトスフェラ綱 Planctosphaeroidea
1種 Planctosphaera pelagica幼生プランクトスフェラ)のみが知られる。
筆石綱 Graptolithina
フサカツギに類似した構造の棲管をもち、フサカツギ綱に属するとされる場合もある。示準化石として知られる筆石は、この棲管部である。

ユンナノゾーン

この類の化石としては、フデイシがそれらしいとされるほかには、確かなものはなかった。しかし、中国雲南省カンブリア紀初期の地層から発見されたユンナノゾーンは、当初はナメクジウオのような動物と考えられたが、詳細に調べた結果、この類に属するものであると発表した[1]。それによると、体長は約4cm、やや左右に平らな胴を持つ動物で、海底面をはい回っていたと考えられている。

脚注

[ヘルプ]
  1. ^ Yunnantozoon and the ancestry of chordates. Jerzy Dzik. Acta Palaeontologica Polonica 40 (4), 1995: 341-360 [1]

参考文献


「半索動物」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



半索動物と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「半索動物」の関連用語

半索動物のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



半索動物のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの半索動物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS