進化と系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/06 13:33 UTC 版)
最古の汎歯目は暁新世初期の中国に生息していた。ベマラムブダ(Bemalambda)は長さ20cmの頭部を持ち、大型犬ほどの大きさに達した。北アメリカ大陸においては、このグループは暁新世中期に現れ始新世中期まで生き続けた。ティタノイデスなどはサイほどの大きさにまで到達した。一方で、10kg未満という小型のものも存在した。歯の発掘により、汎歯目は暁新世の南アメリカ大陸と始新世の南極大陸にも生息していたことが分かっている。日本では、熊本県などからコリフォドンの仲間と見られる頭骨や下顎骨などが発見されている。 かつて(1970年代まで)は初期の顆節目から派生した一群であり恐角目と近縁であるとされていたが、その後は分岐分類学的な研究が進むにつれ紐歯目などとの近縁性が指摘されるようになっている。マッケナおよびベルの分類体系では紐歯目、裂歯目、幻獣目を始めとする数個の目と共に(それら自体は亜目に格下げされて)、上位分類群キモレステス目を成す。
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進化と系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 18:01 UTC 版)
上記のようにこの類は脊椎動物の起源を考える上で重視されてきた。この場合、問題になるのは脊椎動物と、本群と尾索動物、それに半索動物の関係である。この場合、最も祖先的なのは半索動物であると考えられ、そこから他の群がどんな風に派生したのかを説明する形になる。ちなみに現生の半索動物は2群あり、ギボシムシ類は細長く這い回る虫状、フサカツギ類は固着性で触手を口の周りに広げる。 古くはガルスタングは19世紀末よりこれについて論じ、フサカツギ様の祖先を想定し、そこから触手ではなく体内に鰓裂を発達させたものがホヤ(尾索動物)の原型になり、その後にホヤの幼生がそのまま生活する幼形成熟の形に進化し、これから頭索動物が、そしてそこから脊椎動物が出現したと説いた。これに対し、時岡は1979年にむしろギボシムシのようなものから始まり、脊索などを発達させたものから二次的に固着生活に入ったのがホヤであり、そのまま遊泳する方向に進化したのが頭索動物、そこから脊椎動物が生まれたと見た。だが、いずれにしても脊椎動物に最も近いのは頭索動物であろうとの判断は一致している。 ところが分子系統の情報が集まるに連れ、脊索動物の中で脊椎動物と姉妹群を作るのはむしろ尾索動物であることが分かってきた。逆に頭索動物は、脊索動物の中で最も基底で分岐したと考えられるようになったのである。あらためて考えると、頭索動物は基本的には左右相称の形を持ってはいるが、根本的なところで左右不対称性が見られる。例えば発生では口はまず左側に開き、その後に正面下に移行する。鰓裂の発達にも左右不対称がある。またナメクジウオ属では生殖腺が左右にあるのだが、それ以外の属では右側にしか発達せず、しかも遺伝子情報からは、この類では右側だけの方が祖先的であるらしい。他方で、脊椎動物は細部に不対称な例はあるものの、むしろ基本は完全に左右対称である。とすれば、頭索動物の直接の祖先に脊椎動物の祖形と共通するものを見いだすのは難しい。
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進化と系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 01:30 UTC 版)
フクロムシ類はキプリス幼生を持つことからフジツボ類と近縁であると考えられ、分子系統からも根頭上目(フクロムシ類)は完胸上目(フジツボ、エボシガイなど)と姉妹群になることが支持されている。次に近縁なのは尖胸上目(ツボムシ類)であり、この3グループをまとめて蔓脚下綱(フジツボ下綱)と呼ぶ。 蔓脚類の中で、寄生して宿主から栄養を得ているのはフクロムシ類のみであり、残りの2グループは濾過食者である。フクロムシ類の祖先もおそらく濾過食者であると推定されており、他の節足動物の体表に付着して濾過食を行う段階を経由して、現在のような寄生が進化したのだろうと思われる。なおフクロムシ類は単系統群であり、寄生の進化はこのグループの進化史上一度だけ起こった出来事のようである。異尾類(ヤドカリやコシオリエビ)に寄生するものがもっとも祖先的であるとされている。 フクロムシ類の内部では、ケントロゴン目の一系統がアケントロゴン目であることが明らかになっている。つまりアケントロゴン目は単系統群だが、ケントロゴン目は側系統群である。したがって、ケントロゴンによる宿主への侵入が祖先的であり、アケントロゴン目は二次的にケントロゴン段階を失ったことになる。
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