進化における影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 23:07 UTC 版)
表現型の進化 全ゲノム重複は、生物が新しい形質を獲得する速度と効率を高める可能性がある。しかし、この仮説を検証するために、硬骨魚類についてゲノムの重複がある初期に分岐した真骨類と重複がない初期に分岐した全骨類間で革新的進化に関わる進化速度を比較したところ、ほとんど差がないことが分かった。 種分化 多くの倍数化現象は、適応形質の獲得や、2倍体との不和合性によって新しい種を生み出したと考えられている。スパルティナ属(英語版) Spartina では、雑種化と倍数化の両方により高度に侵略的な種スパルティナ・アングリカ(英語版) S. anglica を進化させたことでよく知られている。19世紀初頭に6倍体のヒガタアシ S. alterniflora がアメリカ東海岸からイギリス南部とフランス西部に導入され、在来の6倍体であるスパルティナ・マリティマ(英語版) S. maritima と交雑し、6倍体の雑種 S. × townsendii を形成したが、その S. × townsendii でゲノム重複が起こった結果、繁殖力と生命力の強い同質倍数体(12倍体、複二倍体)の新しい種 S. anglica が形成され、イギリスとフランスの塩性湿地や河口を急速に帰化した。両親種は限られた分布を保っているため、倍数化によってより適応的な形質を獲得したといえる。
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