表現型
一個体の同じ遺伝子座にある二つの遺伝子の組合わせは遺伝子型 1と呼ばれる。ある任意の遺伝子座において対立遺伝子が同一であるならば、その遺伝子座は同型接合 2であるといわれ、異なっている場合には異型接合 3であるといわれる。表現型 4とは、遺伝子型と環境によって決定された観察可能な形質のことである。ある異型接合個体(AA’)が同型接合個体(AA)と表現型上区別できない場合には、対立遺伝子Aは対立遺伝子A’に対して優生 5であり、A’は劣性 6であるといわれる。遺伝子は突然変異 7と呼ばれる突然で、一見無作為な変化を受ける。任意交配 8、あるいは無作為交配 8は個体群内の遺伝子の均一な分布を保証する。
表現型
表現形質
表現型
表現型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 17:13 UTC 版)
表現型(ひょうげんがた、ひょうげんけい、英: phenotype。ギリシャ語のpheno=表示+type=型に由来)は、生物の複合的で観察可能な特徴や形質を表す遺伝学の用語である。この用語は、生物の形態学的または物理的な形態と構造、その発生過程、生化学的および生理学的性質、その行動および行動の産物を網羅している。ただし、獲得形質は含まない。
- ^ Churchill, F.B. (1974). “William Johannsen and the genotype concept”. Journal of the History of Biology 7 (1): 5–30. doi:10.1007/BF00179291. PMID 11610096.
- ^ Johannsen, W. (1911). “The genotype conception of heredity”. American Naturalist 45 (531): 129–159. doi:10.1086/279202. JSTOR 2455747. PMC 4258772 .
- ^ Crusio, Wim E. (May 2002). “My mouse has no phenotype”. Genes, Brain and Behavior 1 (2): 71. doi:10.1034/j.1601-183X.2002.10201.x. PMID 12884976.
- ^ Cassidy, Suzanne B.; Morris, Colleen A. (2002-01-01). “Behavioral phenotypes in genetic syndromes: genetic clues to human behavior”. Advances in Pediatrics 49: 59–86. PMID 12214780.
- ^ O'Brien, Gregory; Yule, William, eds (1995). Behavioural Phenotype. Clinics in Developmental Medicine No.138. London: Mac Keith Press. ISBN 978-1-898683-06-3
- ^ O'Brien, Gregory 編『Behavioural Phenotypes in Clinical Practice』Mac Keith Press、London、2002年。ISBN 978-1-898683-27-8 。2010年9月27日閲覧。
- ^ Lewontin, R. C. (November 1970). “The Units of Selection”. Annual Review of Ecology and Systematics 1: 1–18. doi:10.1146/annurev.es.01.110170.000245. JSTOR 2096764 .
- ^ “Botany online: Evolution: The Modern Synthesis - Phenotypic and Genetic Variation; Ecotypes”. 2009年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年12月29日閲覧。
- ^ Dawkins, Richard (12 January 1978). “Replicator Selection and the Extended Phenotype”. Ethology 47 (1 January–December 1978): 61–76. doi:10.1111/j.1439-0310.1978.tb01823.x. PMID 696023.
- ^ Dawkins, Richard (1982). The Extended Phenotype. Oxford University. p. 4. ISBN 978-0-19-288051-2
- ^ Hunter, Philip (2009). “Extended phenotype redux. How far can the reach of genes extend in manipulating the environment of an organism?”. EMBO Reports 10 (3): 212–215. doi:10.1038/embor.2009.18. PMC 2658563. PMID 19255576 .
- ^ Mahner, M. & Kary, M. (1997). “What exactly are genomes, genotypes and phenotypes? And what about phenomes?”. Journal of Theoretical Biology 186 (1): 55–63. doi:10.1006/jtbi.1996.0335. PMID 9176637.
- ^ Varki, A; Wills, C; Perlmutter, D; Woodruff, D; Gage, F; Moore, J; Semendeferi, K; Bernirschke, K et al. (1998). “Great Ape Phenome Project?”. Science 282 (5387): 239–240. Bibcode: 1998Sci...282..239V. doi:10.1126/science.282.5387.239d. PMID 9841385.
- ^ Houle, David; Govindaraju, Diddahally R.; Omholt, Stig (December 2010). “Phenomics: the next challenge”. Nature Reviews Genetics 11 (12): 855–866. doi:10.1038/nrg2897. PMID 21085204.
- ^ Freimer, Nelson; Sabatti, Chiara (May 2003). “The Human Phenome Project”. Nature Genetics 34 (1): 15–21. doi:10.1038/ng0503-15. PMID 12721547.
- ^ Rahman, Hifzur; Ramanathan, Valarmathi; Jagadeeshselvam, N.; Ramasamy, Sasikala; Rajendran, Sathishraj; Ramachandran, Mahendran; Sudheer, Pamidimarri D. V. N.; Chauhan, Sushma et al. (2015-01-01). Barh, Debmalya. ed. PlantOmics: The Omics of Plant Science. Springer India. pp. 385–411. doi:10.1007/978-81-322-2172-2_13. ISBN 9788132221715
- ^ Furbank, Robert T.; Tester, Mark (2011-12-01). “Phenomics – technologies to relieve the phenotyping bottleneck”. Trends in Plant Science 16 (12): 635–644. doi:10.1016/j.tplants.2011.09.005. PMID 22074787.
- ^ Monte, Andrew A.; Brocker, Chad; Nebert, Daniel W.; Gonzalez, Frank J.; Thompson, David C.; Vasiliou, Vasilis (2014-12-01). “Improved drug therapy: triangulating phenomics with genomics and metabolomics”. Human Genomics 8 (1): 16. doi:10.1186/s40246-014-0016-9. PMC 4445687. PMID 25181945 .
表現型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:32 UTC 版)
詳細は「表現型」を参照 任意の遺伝子は通常、表現型として知られる生物に観察可能な変化をもたらす。この遺伝子型と表現型(英語版)という用語は、少なくとも2つの理由で区別される。 観察者の知識の出所を区別するため(DNAを観察することで遺伝子型を知ることができ、生物の外見を観察することで表現型を知ることができる)。 遺伝子型と表現型は必ずしも直接相関しているわけではない。遺伝子の中には、特定の環境条件でしか表現型を発現しないものもある。逆に、いくつかの表現型は、複数の遺伝子型の結果である可能性がある。遺伝子型は一般に、観察された発現を与える遺伝的要因と、環境要因の両方の最終的な結果を表す表現型とが混合されている(例えば、青い目、髪の色、またはさまざまな遺伝性疾患)。 表現型とは異なる遺伝子型を説明する簡単な例として、エンドウの花の色がある(グレゴール・メンデルを参照)。遺伝子型には、PP(ホモ接合型優性)、Pp(ヘテロ接合型)、pp(ホモ接合型劣性)の3種類がある。3つの遺伝子型はすべて異なるが、最初の2つの表現型(紫)は同じであり、3番目の表現型(白)とは異なる。 遺伝子型を説明するためのより専門的な例として、一塩基多型(SNP)がある。SNPは、異なる個体が持っているDNAの対応する配列が、1つのDNA塩基について異なる場合に発生し、たとえば、配列AAGCCTAがAAGCTTAに変化する場合などである。これには、CとTの2つの対立遺伝子が含まれている。SNPには通常、一般的にAA、Aa、aaと総称される3つの遺伝子型がある。上記の例では、3つの遺伝子型はCC、CT、TTとなる。マイクロサテライトのような他の種類の遺伝子マーカーは、2つ以上の対立遺伝子を持つ可能性があり、その結果、多くの異なる遺伝子型を持つことになる。 浸透度(英: penetrance、または浸透率、表現率)とは、任意の環境条件下における表現型を示す、特定の遺伝子型を持つ個体の割合のことである。
※この「表現型」の解説は、「遺伝子型」の解説の一部です。
「表現型」を含む「遺伝子型」の記事については、「遺伝子型」の概要を参照ください。
表現型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 09:11 UTC 版)
UPDの大部分では、表現型の異常が引き起こされることはない。しかしながら、UPDの原因となるイベントが減数第二分裂時に生じた場合には、片親由来の染色体の遺伝子に関して同一のコピーを持つこととなり、稀な劣性疾患が生じる可能性がある。劣性疾患の症状を示す患者の一方の親のみが保因者である場合、UPDが疑われる。 インプリンティング遺伝子の片親遺伝も表現型の異常を引き起こす場合がある。インプリンティング遺伝子として同定されているものはわずかであるが、インプリンティング遺伝子の片親遺伝は遺伝子機能の喪失を引き起こす場合があり、発生の遅れ、精神遅滞やその他の健康問題が引き起こされる場合がある。 最もよく知られている疾患としては、プラダー・ウィリー症候群やアンジェルマン症候群がある。これらの疾患はどちらも15番染色体(英語版)の長腕に位置するインプリンティング関連遺伝子のUPDやその他のエラーによって引き起こされる。 ベックウィズ・ヴィーデマン症候群(英語版)は、11番染色体(英語版)短腕に位置するインプリンティング遺伝子の異常と関係している。 14番染色体(英語版)に関しても、UPDによって骨格の異常、知的障害、関節拘縮など、特定の症状が引き起こされることが知られている。 UPDの前向き研究はほとんど行われておらず、大部分の研究は既知の疾患や偶発病変に焦点を当てたものである。UPDの発生率は考えられているほど低くはなく、過少報告されている可能性が提唱されている。
※この「表現型」の解説は、「片親性ダイソミー」の解説の一部です。
「表現型」を含む「片親性ダイソミー」の記事については、「片親性ダイソミー」の概要を参照ください。
「表現型」の例文・使い方・用例・文例
- (遺伝子について)その対立遺伝子が同一であるか相違するかどうかにかかわらず、同じ表現型を生産する
- (遺伝子について)その対立遺伝子が同一である場合のみ、その特徴のある表現型を生じる
- 表現型の、表現型に関する、または、表現型を構成する
- 表現型のプロフィール
- 対立遺伝子が同一かどうかに関係なく、有機体の中に同じ表現型を作り出す遺伝子
- 同じであるか、または異なることにかかわらず同じ表現型を発生させる対立遺伝子座
- 対にされた対立遺伝子が同一であるときのみに、その特徴的な表現型を生成する対立遺伝子
- 単独で表現型にほとんど影響を及ぼさないが、観察可能な変化を起こすため他と協同することができる遺伝子
- 対立遺伝子が同一である場合のだけ特有の表現型を作り出す遺伝子
- 正常の表現型に戻る(通常2番目の変異から起きる)
- 生命体か種の表現型を抜本的に変える突然変異
- 一つの遺伝子型に存在する一組の対立遺伝子の一方が表現型で表わされ、そして他方が表現型で表されない有機的な現象
表現型と同じ種類の言葉
- 表現型のページへのリンク