進化と生物学的機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 17:54 UTC 版)
「カナマイシンキナーゼ」の記事における「進化と生物学的機能」の解説
APH(3’)中心部のコア領域には、真核生物に存在するセリン/スレオニン型やチロシン型のプロテインキナーゼのコンフォメーションと高度の類似性が存在する。さらに、X線結晶構造解析と活性部位の主要残基の変異体解析からもAPH(3’)と真核生物のプロテインキナーゼの関連性は支持されるが、一次構造上の配列保存性はほとんどみられない。かつてはセリン/スレオニン/チロシンキナーゼは真核生物にのみ存在すると考えられていたが、原核生物にも存在することがいくつかの研究から示唆されている。さらに、アミノグリコシドの生合成は特定の段階でヒドロシル基のリン酸化を必要とすることが知られている。そのため、APH(3’)と他のプロテインキナーゼはアミノグリコシドの代謝経路の酵素に起源を持ち、こうした抗生物質の宿主細菌細胞に対する毒性を中和するために発達したと推測されている。
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