スレオニンとは? わかりやすく解説

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スレオニン【threonine】

読み方:すれおにん

⇒トレオニン

「スレオニン」に似た言葉

トレオニン

同義/類義語:スレオニン
英訳・(英)同義/類義語:Thr, threonine, T , Thr, threonine

タンパク質を構成するアミノ酸一種で、セリン同じくOH基を持つ。略号は、Thr, T.

スレオニン

Threonine, Thr, T

ほとんどはL型存在する必須アミノ酸のひとつ。卵、牛乳ゼラチンその他のたんぱく質含まれる

Name L-Threonine1)
MeSH 68013912
Molecular Formula C4H9NO3
CAS No.72-19-5
Molecular Weight 119.119
pK1(25)2.19
pK2(25)9.10
スレオニン

<jmol thr.pdb.gz 150 150></jmol>

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トレオニン

(スレオニン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 10:09 UTC 版)

トレオニン
識別情報
CAS登録番号 80-68-2 
72-19-5 (L-isomer)
PubChem 6288
ChemSpider 6051 
EC番号 201-300-6
KEGG C00188
特性
化学式 C4H9NO3
モル質量 119.12 g mol−1
酸解離定数 pKa 2.63 (carboxyl), 10.43 (amino)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トレオニン (threonine) はアミノ酸の一種で、側鎖にヒドロキシエチル基を持つ。読みの違いでスレオニンと表記されることも多い。略号は Thr または Tトレオースに構造が似ていることから命名された。

極性無電荷側鎖アミノ酸に分類される。必須アミノ酸の1つ。穀物中のトレオニン含量は比較的高いが、消化吸収が悪い。糖原性を持つ。

遺伝子中ではコドンACU、ACC、ACA、ACGによってコードされている。

光学活性中心を2つ持つため4つの異性体がある。すなわち L-トレオニンには2つのジアステレオマーが存在するが、(2S,3R) 体のみが L-トレオニンと呼ばれる。(2S,3S) 体は天然にはほとんど存在せず、L-アロトレオニン (L-allo-threonine) と呼ばれる。

 
L-トレオニン(2S,3R) & D-トレオニン(2R,3S)
 
L-アロトレオニン(2S,3S) & D-アロトレオニン(2R,3R)

側鎖のヒドロキシ基にグリコシル化を受け、糖鎖を形成する。トレオニンキナーゼの作用によりリン酸化され、ホスホトレオニンとなる。トレオニンを多く含む食品としてカッテージチーズ鶏肉レンズマメが挙げられる。

歴史

トレオニンはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の中で最後の1935年に、ウィリアム・カミング・ローズ英語版、Richard McCoy、Curtis Meyerによって発見された[2]。このアミノ酸はトレオース(threose)と構造が似ていたため、threonineと命名された[3]

生合成

ヒトはトレオニンを体内で作り出すことができないため、必須アミノ酸に分類される。一方、植物や大部分の微生物はアスパラギン酸から合成している。生合成の各段階は次のようなものである。まず、酵素アスパルトキナーゼがアスパラギン酸のβ-カルボキシル基をリン酸化する。次に β-アスパルテートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼによって還元され、β-アスパルテートセミアルデヒドになる。これはトレオニン、メチオニンリシンの生合成において重要な中間体である。これがホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼの作用によりトレオニンとなる。

代謝

トレオニンは2通りの経路で代謝される。

  • トレオニンはトレオニンデヒドロゲナーゼによってピルビン酸へと変換される。この経路の中間体はCoAによる加チオール分解英語版を受け、アセチルCoAグリシンが生成する。
  • ヒトにおいて、トレオニンはあまり一般的な経路でセリンデヒドラターゼによってα-ケト酪酸へと変換され、その結果スクシニルCoAへと至る経路に入る。

代謝性疾患

以下の代謝性疾患では、スレオニンの分解が障害される。

脚注

  1. ^ Dawson, R.M.C., et al., Data for Biochemical Research, Oxford, Clarendon Press, 1959.
  2. ^ McCoy, R. H., Meyer, C. E., and Rose, W. C. (1935). “Feeding Experiments with Mixtures of Highly Purified Amino Acids. VIII. Isolation and Identification of a New Essential Amino Acid”. J. Biol. Chem. 112: 283–302. http://www.jbc.org/content/112/1/283.full.pdf+html. 
  3. ^ Meyer, Curtis (1936). “The Spatial Configuation of α-Amino-β-Hydroxy-n-Butyric Acid”. J. Biol. Chem. 115 (3). http://www.jbc.org/content/115/3/721.full.pdf. 

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