地質時代の絶滅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 01:00 UTC 版)
地球の歴史を調べれば、時代によってさまざまな生物が生存していたことがわかる。これは言い換えれば、さまざまな生物が過去に絶滅してきたことを意味する。地質時代の時代区分は、基本的に化石資料によって決まっているので、時代区分でそういった生物の絶滅が起こっているわけである。ただし、それがその個体群の絶滅を意味するのか、進化によって形が変わったことを意味するのかは判断の難しいところではある。 さまざまな化石資料によると、そういった散発的な絶滅とは異なり、多くの分類群にまたがる、大規模な絶滅が起こった時代があることがわかっている。中生代白亜紀の末に恐竜が全滅したことは有名だが(K-T境界)、このとき、海中でもアンモナイト・イクチオサウルス・プレシオサウルスなど、多数の分類群が絶滅している。理由として、小惑星衝突説、被子植物繁茂説など諸説紛々としている。また、古生代ペルム紀末の大絶滅(P-T境界)は、それよりも規模の大きいものだったと言われる。原因は気候の大きな変動とも言われるが、詳細は不明な点が多い。 多くの動物化石に見られる傾向として、時間を追って次第に多様化し、たいていは大型化し、角があればそれも立派になり、その頂点でその系統がほとんど死滅するような型がいくつもの分類群に見られる。テオドール・アイマーはこれを生物自身に一定方向へ進化する性質が生まれると、自分でも止められなくなり、絶滅に向かうのだと考え、「定向進化説」を唱えた。
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