エゴ
「エゴ」とは・「エゴ」の意味
「エゴ」とは本来、哲学的な概念として、認識や行動の主体としての「自我」を表し、心理学では、3つの領域から成る人間の心、「イド」「エゴ」「スーパーエゴ」の中の一つの層として定義されている言葉であるが、「自分本位」や「自分勝手」などといった悪い意味で用いられる場合もある。哲学的な概念として「エゴ」が用いられる場合は、意識や感情、行為の主体である「自己意識」の意味となり、外界や他者との差別化が強調される。この「エゴ」を精神分析学の観点から定義し直したのが、オーストリアの心理学者で精神科医のジークムント・フロイトである。フロイトは自らが提唱した心的構造論の中で、人間の心を「イド」「エゴ」「スーパーエゴ」の3領域から成るものとして捉えた。「イド」とは、無意識の領域にあたり、本能のままに発生する欲望や感情によって無秩序に支配されているエリアである。「スーパーエゴ」とは、道徳やルール、理想や良心などによって理性的に自制された領域である。そして「イド」と「スーパーエゴ」の間で両者の調整機能を果たしているのが「エゴ」といわれる領域となる。「自分はこのような人間である」という自己意識が生まれ、アイデンティティと呼ばれる自己イメージを認識する領域でもある。
また、「エゴ」はエゴイズム(利己主義)として倫理学的な文脈で語られる場合がある。それは「人の行為は自分自身の利害に動機付けられるべきである」とする立場であり、自分だけの利益・幸福を追求することをよしとする考え方である。しかしこれは、個人の利益の追求が結果として社会全体の幸福につながるという目的に帰結するものであるが、その本来の目的から離れ、利己的にふるまうこと自体が目的として正当化されてしまうことで、「エゴ」は自分勝手で他者を顧みない心の有り方として批判的に論じられる場合もある。
「エゴ」の熟語・言い回し
エゴを押し付けるとは
倫理学上の利己主義の文脈で「エゴ」が用いられる場合の言い回しで、他者との関係性の中で、相手の立場を考えず自分の立場を優先させて、わがままに主張を通そうとする状態を示している。
エゴイズムとは
哲学における帰結主義の一つで、「自分だけ」の利益・幸福を目指すことを目的とする倫理的利己主義の立場をいう。利己主義は、自己の利益だけを優先し、そのプロセスの中では他者や社会の利益は軽視したり無視したりしてもよいという考え方なので、自分以外の「他者だけ」の利益・幸福を目指す「利他主義」や、自分も他者もすべて含めた全員の利益・幸福を目指す「功利主義」とは対立する概念である。
大人のエゴとは
保護者・扶養者・年長者といった強い立場から子どもを見下ろして、子どもの気持ちや感情に寄り添わず、自らの考えややり方を強引に押し付ける利己的な大人の振る舞いをいう。
「エゴ」の使い方・例文
「エゴ」の使い方・例文としては、次のようなものが挙げられる。「心理学の立場でいえば、エゴとは自我のことである」
「エゴが肥大化しすぎると精神上の疾患を招くことがある」
「政治家がエゴをむき出しにして派閥闘争に明け暮れる一方で、国民は置き去りにされている」
「あの俳優は悪い書き込みがあると気分が落ち込むから、SNSなどでエゴサーチは行わない主義なのだそうだ」
「貿易摩擦は国同士のエゴとエゴのぶつかり合いだ」
「毎日電話やメールをして根掘り葉掘り様子を聞くのは、優しさではなく単なるエゴだ」
「チームワークを保つためにはエゴを抑えなければならない」
「彼は他人の立場など少しも考えないエゴのかたまりだ」
「どうしても自分のエゴを通したいのなら、組織から離れることだ」
「親のエゴは往々にして愛情と間違えられることがある」
えご〔ゑご〕
エゴ【(ラテン)・(英)ego】
エゴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/26 02:38 UTC 版)
エゴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 23:36 UTC 版)
「ホワット・イフ...?」の記事における「エゴ」の解説
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「エゴ」の例文・使い方・用例・文例
- 私は大きなハンバーガーをサンディエゴのホテルで食べる。
- この問題は、アイドルのエゴとヲタのエゴの衝突だ。
- 弟は今サンディエゴに住んでいます。
- 先進諸国では出生率の上昇が図られる一方で、発展途上国では出生率の抑制が叫ばれる。これは先進国側のエゴととらえられ、発展途上国側との合意形成は極めて難しいことになろう。
- サンディエゴ2枚ください。
- あの男は徹底的なエゴイストだ。
- 子供を有名大学に入れと責め立てるのは親のエゴである.
- あいつはエゴイストだ.
- 南アメリカ(ティエラ・デル・フエゴの南)の最南端にあるチリに属する岩石の多い岬
- サンディエゴからすぐ南のメキシコの都市で、カリフォルニア半島にある
- メキシコ国境近くのカリフォルニア南部(サンディエゴの南)の工業都市
- メキシコ国境の近くのサンディエゴ湾の南カリフォルニアの美しい町
- 南アメリカをティエラデルフエゴやアメリカ大陸南の他の島から分ける海峡
- カキ、アカテツ、エゴノキ、ハイノキ科の高木または低木
- エゴノキ属の様々な高木からとれる、バニラの香りの樹脂
- エゴノキ属の低木または小高木で、濃い緑色の葉の下に釣り鐘状の香りのよい花が下がっている
- 米国南西部のエゴノキ
- 彼は自分のエゴイズムの下でなすすべもなかった
- エゴマの種子から取った塗装用の油
- エゴノキという植物
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