倫理的利己主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 17:14 UTC 版)
倫理的利己主義は、「人の行為は自分自身の利害に動機付けられるべきである」とする倫理学上の立場である。利他主義や心理的利己主義と対立的に説明される。 "行為の善悪や正否のよりどころは「自分自身の最大幸福」であり(原則上は)他人に被害があってもかまわない" と考えるので、功利主義(=集団の利益を考慮)と対立する。 ただし実際には、社会に利益をもたらせば、めぐりめぐって自分の利益として戻ってくることが多く、また自身の利己的な行動が周囲の行動へと伝染し、他者の利己的な行動を誘発し、めぐりめぐって自己の不利益ともなるので、利己主義(者)であっても、左記を理解し長期的な合理性を考慮し行動をする者に限定すれば、結果は(ある程度)利他的になるとも考えられている。 ショーペンハウアーは『意志と表象としての世界』にてインド哲学に言うマーヤーのヴェールを個体化の原理と解し、エゴイズムの存立と本質を各個体自身が直接に意志の全体的な表象者として与えられている点によって説明している。
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