倫理的主観主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:32 UTC 版)
「デイヴィッド・ヒューム」、「非認知主義」、および「主観主義」も参照 "倫理的主観主義"という用語は倫理学の二つの別個の理論をカバーする。認識バージョンの倫理的主観主義によれば、倫理的ステートメントの真理は人々の価値、態度、感覚、または信念に依存する。認知主義的倫理的主観主義は実在論の形態として見なすことができるものもあれば、反実在論の形態として見なすことのできるものもある。デイヴィッド・ヒュームは認知的倫理的主観主義の代表的な人物である。ヒュームの理論の標準的な解釈では、人格の特性は同情的で見識のある合理的な人間の観察者の承認の感情を呼び起こせば道徳的美徳と見なせる。同じように、ロデリック・ファースの理想的観察者理論(英語版)は正しい行いとは公平で理性的な観察者が承認するものだとする。別の倫理的主観主義者であるウィリアム・ジェームズは目的は当人から望まれるケースにおいてのみ(その人にとって)よいとした(倫理的利己主義を参照)。情動主義や規範主義や表現主義などの倫理的主観主義の非認知的バージョンによれば、倫理的ステートメントは真や偽には全くならない。むしろ、倫理的ステートメントは感情や命令の表現なのであるとする。例えば、アルフレッド・エイヤーの情動主義では、「殺人は悪である」というステートメントは「殺人、Boo!」という感情と等しい。
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