倫理的原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 22:24 UTC 版)
カンニングをする学生に人口統計学的なあるいは状況的原因があろうがなかろうが、カンニングする前に自分の良心を欺かなければならない。これは、不正を拒否する強さと、罪の意識から逃れられる正当化の強さのどちらが勝るかに依存している。例えば、カンニングすることにほとんど罪悪感を感じない学生はカンニングをするだろう。しかし、多くの学生はカンニングは悪いことだと教えられていて、その価値観が自分の心(頭)の中に内面化している。一方、そうであっても、カンニングを悪いと思っている学生の3分の1が、実際はカンニングをしたという報告がある。 カンニングを悪いことだ思っているにもかかわらずカンニングする学生は、どうしてそうなるのだろうか? 頭の中で、「中和」(Neutralisation (sociology))呼ばれる整理をする。逸脱行動の心理学によると、「中和」する人はその問題に対する社会規範を守るべきものと考えているが、「魔法」がかかったときは社会規範を破っても仕方ないと感じている。 「中和」は単純に「事後」を合理化するだけでなく、不正行為の「前」「最中」「事後」を説明する包括的な心情である。学業不正の「中和」には4つのタイプがある。 「責任の否認」:学生がやむを得ず学業不正をするよう仕向けた人が非難されるべきである。最も多い「中和」形式で、カンニングをした大学生の61%がそう言う。 「非難者の非難」:「教授は偽善者で、あの教授の影響で自分はカンニングをするようになったのです」と主張する。28%で、「中和」の2番目である。 「組織忠誠への訴え」:3番目、大学生は、組織(通常は仲間)への忠誠が、道義的に正しいことをするより重要だと思っている。約6.8%で、「中和」の3番目である。 「傷の否認」:カンニングが発覚しても人生が破滅するわけではない。4.2%で、「中和」の4番目である。
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