日本語名称
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日本では古くトンボを秋津(アキツ、アキヅ)と呼び、親しんできた。古くは日本の国土を指して秋津島(あきつしま)とする異名があり、『日本書紀』によれば、山頂から国見をした神武天皇が感嘆をもって「あきつの臀呫(となめ)の如し」(トンボの交尾のよう(な形)だ)と述べたといい、そこから「秋津洲」の名を得たとしている。 また『古事記』には、雄略天皇の腕にたかったアブを食い殺したトンボのエピソードがあり、やはり「倭の国を蜻蛉島(あきつしま)と」呼んだとしている。 み吉野の 袁牟漏が岳に 猪鹿(しし)伏すと 誰ぞ 大前に奏(まを)すやすみしし 我が大君の 猪鹿(しし)待つと 呉座にいまし白栲(しろたへ)の 衣手着そなふ 手腓(たこむら)に 虻かきつきその虻を 蜻蛉早咋ひ かくの如 名に負はむとそらみつ 倭の国を 蜻蛉島とふ 方言においては、「あきつ」「あきず」「あけず」「あけす」「あけーじょ」「はけーじゃ」「とんぷ」「どんぼ」、などの語形が東北から南西諸島に至る各地で見られる。 トンボの語源については諸説あり、たとえば以下のようなものがある。 「飛羽」>トビハ>トンバウ>トンボ 「飛ぶ穂」>トブホ>トンボ 「飛ぶ棒」>トンボウ>トンボ 湿地や沼を意味するダンブリ、ドンブ、タンブ>トンボ 秋津島が東方にある地であることからトウホウ>トンボ 高いところから落下して宙返りのツブリ、トブリ>トンボ なお、漢字では「蜻蛉」と書くが、この字はカゲロウを指すものでもあって、とくに近代以前の旧い文献では「トンボはカゲロウの俗称」であるとして、両者を同一視している。例えば新井白石による物名語源事典『東雅』(二十・蟲豸)には、「蜻蛉 カゲロウ。古にはアキツといひ後にはカゲロウといふ。即今俗にトンボウといひて東国の方言には今もヱンバといひ、また赤卒(赤とんぼ)をばイナゲンザともいふ也」とあり、カゲロウをトンボの異称としている風である。 日本語ではトンボが身近な生物であったため、さまざまな事物に「トンボ」の名がつけられている。これについてはトンボ (曖昧さ回避)を参照のこと。
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日本語名称
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戦前の日本語訳聖書では、プロテスタントによる文語訳聖書(明治元訳・大正改訳)が『使徒行伝』(しとぎょうでん)の呼称を用い、日本正教会訳聖書では『聖使徒行実』(せいしとぎょうじつ)、カトリック教会のラゲ訳聖書では『使徒行録』(しとぎょうろく)と呼ばれた。 戦後では、まず正教会が戦前と同じ日本正教会訳聖書、『聖使徒行実』の呼称を現在まで用い続けている。一方プロテスタントでは新しく作られた口語訳聖書では引き続き『使徒行伝』の呼称が用いられたものの、口語訳聖書の翻訳方針に反発した福音派の人々による新改訳聖書では『使徒の働き』と訳された。その後カトリックとプロテスタントの双方により訳された共同訳聖書では『使徒の宣教』、新共同訳聖書では『使徒言行録』と呼称された。カトリック教会で用いられる聖書では、バルバロ訳聖書やフランシスコ会訳聖書分冊版ではラゲ訳と同様に『使徒行録』と呼ばれていたが、分冊版より後に出たフランシスコ会訳合冊版では新共同訳に合わせて『使徒言行録』の呼称が用いられている。 その他のキリスト教の教会で用いられる聖書では、現代訳聖書で『初代教会の働き』と呼ばれる。また教会の礼拝で用いられる訳ではないが、岩波文庫訳聖書(塚本虎二訳)では『使徒のはたらき』としている。エホバの証人の新世界訳聖書では、『使徒の活動』(旧版では「使徒たちの活動」)としている。一部の教派では、『使徒書』という語でこの文書を言い表すが、使徒書という語は『書簡(使徒書簡)』を指して、あるいは新約聖書のうち福音書を除く書物の総称として用いられる場合もあるので注意が必要である(「使徒書」を参照)。
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