フランシスコ会訳
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詳細は「フランシスコ会訳聖書」を参照 バルバロ訳に対し、聖書翻訳で評価の高いフランス語のエルサレム聖書に範をとって、フランシスコ会聖書研究所が『聖書 原文校訂による口語訳』として分冊聖書を刊行した。もともと同研究所は、1955年に、当時まだ存在していなかったカトリック信徒向けの日本語による聖書全訳のために、駐日教皇大使マキシミリアン・ド・フルステンベルグ大司教がフランシスコ会極東総長代理に要請したことで設立されたものであり、翻訳作業は翌年から開始された。そして、1958年に最初の分冊『創世記』が刊行され、1978年に新約が、2002年に旧約が完成した。 1979年にその時点で全文書の翻訳を公刊していた新約聖書の合冊版が刊行された。この合冊版は聖書協会世界連盟の『ギリシャ語新約聖書』第3版を底本として訳文の修正が施されたものであったが、底本の修正版の刊行(1983年)を踏まえて、翌年改訂版が公刊された。そして旧約全分冊の完成を踏まえて、2011年8月15日(聖母被昇天の日)に、旧約・新約全37分冊が用語・文体の統一などの作業を経て合冊され(ただし、注などは簡略化)、『聖書 原文校訂による口語訳』(サンパウロ)として出版された(2013年にペーパーバック版が刊行)。底本とされているのは、旧約はビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア、第二正典がゲッティンゲン研究所の『七十人訳聖書』第4版、新約が聖書協会世界連盟の『ギリシャ語新約聖書』修正第3版である。これらは「フランシスコ会訳聖書」と呼ばれ、詳細な訳注と解説を備えた優れた翻訳とされており、プロテスタントの側からも、学ぶ部分があると評価する意見がある。後述する新共同訳聖書出現以前にカトリックで公認されていたのは、ラゲ訳、バルバロ訳、フランシスコ会訳の新約聖書合冊版(1979年)の3種であった。
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