大正改訳とは? わかりやすく解説

大正改訳聖書

(大正改訳 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 16:01 UTC 版)

大正改訳聖書(たいしょうかいやくせいしょ)は、それまで用いられた明治元訳聖書大正時代にプロテスタント宣教師たちが改訳した日本語訳聖書である。


  1. ^ 鈴木範久(2006年)p.117-118
  2. ^ 鈴木範久(2006年)p.127-128
  3. ^ 田川健三(1997年)p.643
  4. ^ 鈴木範久(2006年)p.133-134
  5. ^ 鈴木範久(2006年)p.137


「大正改訳聖書」の続きの解説一覧

大正改訳

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日本語訳聖書」の記事における「大正改訳」の解説

大正改訳聖書」および「文語訳聖書」も参照 さて、明治訳評価する声もあったとはいえ完成直後から改訳の声が上がっていた。これは、明治訳外国人宣教師たち委員会による訳であり、不自然な日本語まだまだ多かったこと、誤訳散見されたこと、そして底本であった欽定訳1885年改訳され、改訂版聖書 (Revised Version, RV) が公刊されたことなどによる。その結果様々な立場から改訳試みられ始めたそんな中1906年福音同盟会日本のプロテスタント諸派親睦組織)が教会同盟改組されるの合わせて改訳のために委員選出された。前出外国人宣教師中心とする聖書常置委員会3聖会社からもこれに協力していく意向示されたが、教会同盟の正式発足先送りされたことに対応し結局は常置委員会主導する改訳委員会1910年成立したとはいえ、その委員グリーンダンロップ外国人宣教師4人と松山高吉別所梅之助川添万寿得藤井寅一の日本人4人となっており、最初から日本人正規委員として関与した点で明治訳とは異なっている。新約聖書底本としてはネストレ版のギリシャ語校訂版とされたが、当初入手できておらず、暫定的にウェストコット・ホート版で代用された。また、その翻訳際し問題箇所読みRV参照することに決められており、ほかにシェルシェウスキーの漢訳前出のN・ブラウン訳、日本正教会訳後述)、ラゲ訳後述)なども参考文献とされた。この改訳作業では、まず試訳として『マコ福音書』(1911年)が刊行された。この試訳に対しては「マコ」を「マルコ」とすべきことなども含め色々な意見寄せられた。委員会はそれらの意見参照して1917年新約聖書全体改訳完成させ、『改訳 新約聖書』として出版した。これは「改訳」、「大正訳」、「大正改訳」などと呼ばれる明治元訳比べて学問的な正確さ向上したことはもちろんだが、漢文調から和文主とする文章改められ漢語に無理なルビを振ることは避けられ日本語として読みやすくなったことが評価されている。また、それまで一定していなかったキリスト教用語もこの訳で安定したとされており、教会外の人にも多く読まれ結果、「狭き門より入れ」のように日本語ことわざ同然に使われている文章改訳中には数多くある。成句使用される頻度についてはその後改訳聖書及ばないとされており、「日本の文学作品として十分に古典位置占めている」とも評されている。 なお、明治訳も大正改訳もプロテスタント翻訳であり、他のアジア・アフリカ諸言語同様に米国聖書会社大英国聖書会社北英国聖書会社資金援助の下に行われた事業である。そして1937年設立され日本聖書協会聖書翻訳事業引き継がれる旧約聖書1942年から改訳作業進められたが戦後口語訳方針転換されたので、大正改訳には旧約聖書含まれていない文語訳口語訳聖書刊行後愛好者絶えないため、日本聖書協会明治訳旧約聖書と大正改訳の新約聖書合本して『文語訳聖書』として出版している。この文語訳再編した短縮版筑摩書房世界古典文学全集にも収められた(1965年)。旧約編集者関根正雄新約編集者木下順治であり、注が適宜加えられているが、訳文そのもの削除のみが認められ改訳一切認められない編集方針だったという。2014年には『文語訳新約聖書 詩篇付』が岩波文庫収められ2015年には旧約も全4巻(「律法」「歴史」「諸書」「預言」の4分冊)で順次刊行された。 なお、日本聖書協会プロテスタント系であり、その聖書にはカトリック第二正典位置づける文書含まれない。ただし、日本聖公会はそれらを含む外典一部受容しているため、アポクリファ翻訳委員会旧約聖書続篇』(聖公会出版社1934年)が刊行されている。これは1961年聖公会宣教100周年記念してそのまま復刻されたが、その後改訂され、『アポクリファ旧約聖書外典)』(1968年となった改訂に際して改訂標準訳(Revised Standard Version, RSV) が参考にされた。

※この「大正改訳」の解説は、「日本語訳聖書」の解説の一部です。
「大正改訳」を含む「日本語訳聖書」の記事については、「日本語訳聖書」の概要を参照ください。

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