プロテスタントの宣教と各国語への翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:59 UTC 版)
「聖書翻訳」の記事における「プロテスタントの宣教と各国語への翻訳」の解説
1804年にイギリスで発足した英国外国聖書協会は、当初はウェールズ語の安価な聖書普及を目指していたが、すぐに規模と目的が急拡大した。類似組織と共に世界中に支社を作り、様々な言語への聖書翻訳と印刷・出版・配布の事業を行うようになったのである。「聖書は史上最大のベストセラー」という言い方がされる場合があるが、それはこの聖書協会が軍隊・病院・刑務所といった施設に聖書を大量に配布し、安価な値段で販売したことの結果である。ことに主導権をとったのは英国外国聖書協会とアメリカ聖書協会であり、それぞれ19世紀と20世紀を代表する経済大国の聖書協会であるが、共に英語を使用する国家でもあることから、両世紀の聖書翻訳では英語翻訳が大きな影響力を世界中の他言語の翻訳に及ぼしていくことになる。たとえば、日本語訳聖書では明治元訳聖書が欽定訳聖書AV、大正改訳聖書がRV、口語訳聖書がRSV、共同訳聖書が動的等価翻訳理論を適用したTEBというように英語訳聖書に対応した改定が行われている。 また、20世紀後半以降にアメリカで勢力を増したファンダメンタリズムと福音主義の諸教派は聖書協会系の聖書を退け、聖書無誤謬の立場からNIVを翻訳し、これに準拠させる形で各国語への翻訳と配布を盛んに行っており、彼ら自身の主張によれば「世界で最も普及した聖書」となったという。 この項目に関しては「言語別聖書の一覧」および 英語訳聖書#現代の聖書翻訳も参照されたい。
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