酸素分圧とは? わかりやすく解説

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酸素分圧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/03 15:50 UTC 版)

酸素分圧(さんそぶんあつ)とは流体体積あたりの酸素量を現す指標である。

気体中の酸素分圧

気体中の酸素分圧は、気圧×酸素濃度(純酸素を1.0として)であらわされる。 気圧の単位は、物理学・化学の領域ではhPa

ボーア効果。ボーアの原論文を元にした説明。酸素に富み、二酸化炭素の少ない肺(酸素分圧100mmHG、二酸化炭素分圧5mmHg程度)ではヘモグロビンの酸素飽和度はほぼ100%になる。赤血球はそのまま酸素の少ない組織(例えば酸素分圧30mmHg、図の赤線)に行くが、もしも二酸化炭素が無い環境だと持っている酸素の内18%程度しか放出できないが、組織内に二酸化炭素(40mmHg)があると約50%、二酸化炭素(80mmHg)があると約70%もの酸素を放出することが出来る

血液は肺胞(酸素分圧100mmHg程度)の毛細血管を0.75秒ほどで通過する間に、ほぼ平衡に達する。こうして動脈血の酸素分圧は約100mmHgとなる。体組織の細胞周囲の酸素分圧は20~30mmHgであり、動脈血と酸素分圧に差があるため、末梢の毛細血管では組織液と血液が平衡に達しようとして酸素が血液から組織液に移る。こうして酸素が体組織に運ばれている。酸素を運び終えた静脈血の酸素分圧は、40mmHg程度である。 血液は一般的な液体に比べると、同じ酸素分圧でもはるかに多くの酸素を含んでいる。これは赤血球内の色素ヘモグロビンが酸素と結合することによる。

経皮的動脈血酸素飽和度と動脈血酸素分圧には、下表のような関係がある。

経皮的動脈血酸素飽和度(SpO₂)と動脈血酸素分圧(PaO₂)の相関表。

関連項目


酸素分圧(最終電子受容体)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 04:17 UTC 版)

極限環境微生物」の記事における「酸素分圧(最終電子受容体)」の解説

酸素好気呼吸における最終電子受容体として用いられるが、同時に酸化力の強い毒素であると見なせる。酸素電子受容体として用いた場合スーパーオキシドという反応性の高い有害物質体内作成することとなる。そのためある種微生物では空気中の酸素分圧では生育不可能となる。酸素分圧による分類法以下の通りである。 好気性通常の20%酸素存在下で生育可能な生物狭義には地球上空気酸素存在比でないと生育示さない偏性好気性意味する好気性は更に以下の分類なされる偏性好気性10 - 20%酸素存在下で生育可能な生物。例としては大半多細胞生物一部偏性好気性細菌および古細菌Aeropyrum pernix など)があげられるこうした生物では、ある程度以下の酸素分圧に置かれると、まったく呼吸ができなくなる。絶対好気性とも呼ばれる通性好気性20%酸素でもそれ以下の酸素分圧あるいは完全嫌気でも増殖を示す。例としては大腸菌などの腸内細菌出芽酵母など。好気性細菌多くはここに含まれる考えられる。 微好気性:酸素分圧が2 - 10%の環境至適生育を示す。下限数字については、様々な解釈があるが、この数字実験者の印象などによって異なると考えられるこうした生物ではSOD能力が低いと思われる嫌気性酸素非存在下で生育を示す生物狭義には完全無酸素状態でないと生育できない偏性嫌気性をさす。嫌気性も以下の分類なされる嫌気性生物では、酸素最終電子受容体としない嫌気呼吸が行なわれている。高等生物はこうした生物はほとんど存在しないが、一部寄生生物などでは嫌気的生育するものも存在する偏性嫌気性:完全無酸素状態でないと生育示さない生物細菌微生物大半である。極度に酸素を嫌う生物として鉄細菌硫酸還元菌メタン菌など。いずれも嫌気呼吸生物の代表である。 通性嫌気性通性好気性意味合いは似るが、実験者の捉え方などでこちらが使用されることもある。どちらかと言えば嫌気度の高い環境でよく生育するものを指す。

※この「酸素分圧(最終電子受容体)」の解説は、「極限環境微生物」の解説の一部です。
「酸素分圧(最終電子受容体)」を含む「極限環境微生物」の記事については、「極限環境微生物」の概要を参照ください。

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