模写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/04 07:51 UTC 版)
模写(もしゃ、英: reproduction, reproduce)とは、美術において、他者の作品を忠実に再現し、あるいはその作風を写し取ることでその作者の意図を体感・理解するための手段、方法。またその行為によって生み出されたもの。したがって模写には再現のための知識・技量が必要となる。
歴史的な価値を生じた作品をそっくりに複製(英: copy)する手法は「転写」であり「模写」ではない。転写を行う背景の多くは歴史的価値のみを売買するために行われている[注釈 1]。
日本画や仏画においては古くから訓練、修行として、また絵画の精神性・様式・技法の伝達などを目的として模写が行われている[1]。 また、美術系大学では、授業の一環として古典画家の作品模写が取り入れられている。
絵画の保存(文化財の保存)を目的とした模写も行われており、原画が失われても模写が現存することで絵画の内容が伝わっている例もある[1]。 例えば、明治の日本では廃仏毀釈により危機に瀕した仏教美術の再認識が起こり、明治17年に桜井香雲によって保存を目的とした法隆寺金堂壁画の模写制作が行われ、以後も多くの画家が組織的に保存のための模写を行った[1]。昭和24年に起きた火災によって法隆寺金堂壁画は焼損したが、残された資料を基に昭和42年に再現模写が行われた。
保存のための模写では「上げ写し」や「敷き写し」などの技法で原資料から図像を写し取り、色見本を作成した上で彩色・裏彩色を施して制作される[1]。
脚注
出典
- ^ a b c d 東京芸術大学大学院文化財保存学日本画研究室(編)『図解 日本画の伝統と継承:素材・模写・修復』東京美術 2002 ISBN 4808707233 pp.56-75.
関連項目
模写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 08:38 UTC 版)
伴大納言絵巻の模写は5点ほどが存在するとされている。2010年になって、中野幸一早稲田大学名誉教授が1980年代前半に購入した新たな模写の存在が明らかにされた。この模写では、色彩や文様の精細な復元に加えて、原本では剥落してしまった人物などの部分が巧みに復元されており、衣服の模様などが上記のX線調査の結果と大部分一致することが判明するなど、今後の研究における重要な資料になると期待されている。この模写は、収められていた桐箱の張り紙の記述から、幕末の画家冷泉為恭もしくは彼の一門が手がけたとみられる。
※この「模写」の解説は、「伴大納言絵詞」の解説の一部です。
「模写」を含む「伴大納言絵詞」の記事については、「伴大納言絵詞」の概要を参照ください。
「模写」の例文・使い方・用例・文例
- 彼はゴッホの模写をした。
- これは原物を寸分違わず模写したものである
- (図画模写用の)伸縮器
- 彼らが少なくとも1つの模写を見るまで、科学者は実験の結果を信じてない
- 彼女は本物の絵の彼女の模写においてその大胆な効果を残した
- 声帯模写
- 透かして模写する
- 声帯模写をする
- 声帯模写という演芸
- 参考にするために模写した絵
- 模写したもの
- 哲学における模写説という学説
- 模写電送という,文字や図面などの伝送方式
- 原本を模写して作った本
- 実物を模写することができる
- 声帯模写をする職業
- 透かして模写することができる
- 自然主義演劇という,正確に現実を模写しようとする演劇
- 透かして模写した図面
- 模写する
模写と同じ種類の言葉
品詞の分類
- >> 「模写」を含む用語の索引
- 模写のページへのリンク