ディジタル【digital】
読み方:でぃじたる
⇒デジタル
デジタル
【英】digital
デジタルとは、連続的な数量に基づくアナログに対して、離散的な数量に基づき値を扱う方式のことである。
デジタルな処理においては、処理対象となるものを離散的な(非連続の)量へと一旦分解し、その離散的な量に対して操作を施すといった方法をとる。アナログの場合は、こうした変換を経ることなく、処理対象の数量をそのままの形で操作する。
例えば、オーディオ装置の増幅器においては、アナログとデジタルは次のような違いとなって表れる。アナログ処理の場合、入力された音声信号は、トランジスタなどの増幅作用のあるデバイスに入力され、増幅率に応じて比例的に変化した信号として出力端子から取り出される。これに対して、デジタル処理の場合、入力された音声信号は2進数(バイナリデジット)などの形で表現可能な数量へと変換され、その離散量に対してn倍するなどの数値演算が加えられる。
デジタルな処理では、離散的な数値を計算処理の対象として扱うため、アナログに比べて複製などが容易で、データの劣化も非常に少ないという特徴を持っている。その反面、デジタルにおいて近接した値の中間値は省かれるため、アナログの持つ値の連続を完全に再現することは困難であるという面も持っている。また、テキストから音声、画像、動画、3次元の奥行きを持った動画と、情報の量が増えるに従い、データを扱うために必要な処理性能が跳ね上がる。
処理対象についての情報が2進数で表現されたデジタルな値は、電子回路のスイッチのオン・オフに対応するため、コンピュータで情報を扱うために適した形式となっている。そのため、コンピュータ上で2進数のデジタルな値としてすべてのデータが扱われている。
アナログ処理の場合は、あるデバイスが持つことのできる機能のバリエーションは非常に小さなものである。しかし一旦デジタル化してしまえば、そこはある意味数値演算の世界に置き換えることが可能となる。また、デジタルで演算処理を行うコンピュータの集積回路が、長年に渡って高集積化とコストダウンを繰り返してきた結果、高度な演算処理性能が非常に安価に入手可能となっている。そのため、さまざまな電子機器が、デジタル化されてきている。
デジタル
(ディジタル から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/13 01:11 UTC 版)
デジタル(英: digital, 英語発音: [ˈdiʤətl])は、以下のような意味の単語。
注釈
- ^ たとえば書籍名でいえば、亀山充隆『ディジタルコンピューティングシステム』朝倉書店、2014年 / 鈴木博 『ディジタル通信の基礎』数理工学社 2012 / 伊原充博, 若海弘夫, 吉沢昌純『ディジタル回路』コロナ社、1999年 等々。他にもコンピュータ用語辞典や通信用語辞典の類の巻末の索引を見ると、「ディジタル・○○○○」などという用語がいくつも並ぶ。
- ^ 「デジタル」という表記のほうが今の日本で優勢であり、一般向けの百科事典の表記法として妥当であり、また技術者も「デジタル」と表記されることに慣れており特別な違和感などは感じず文章を読めるため。
- ^ デジタルコンピュータも、種類によっては、たとえば音響処理用のコンピュータなどでは、回路群の一部にDSPなどアナログ信号処理の回路を持つ場合があるので、コンピュータ内の全回路すべてがデジタル方式だけとは限らないが、一般にCPUの演算器やレジスタがデジタル方式になっていれば、たとえ一部にアナログ信号処理用のチップが含まれていても、デジタルコンピュータと呼ばれる。
- ^ つまり8ビットコンピュータ/16ビットコンピュータ/32ビットコンピュータ/64ビットコンピュータである。デジタルコンピュータのCPUの内部では、限られた桁数でしか数を表現できない。つまり無限の桁があるような実数はCPUの内部では表現できない。無限の桁の実数を扱えないのでしかたなく代用で使う《浮動小数点》という手法や、そのデメリットについては後述。
- ^ 出典の「まつもとゆきひろ」氏が指摘していることは、情報技術者の教科書の第一章の「誤差」の章に書かれていることと基本的に同じである。つまり、コンピュータで計算を行おうとする人なら誰でも当然知っておくべき知識、誰でも注意すべきことを説明している。「まつもとゆきひろ」氏の経歴は筑波大学第三学群情報学類卒業。1993年にオブジェクト指向スクリプト言語Rubyの開発に着手し1995年に公開。その後、ネットワーク応用通信研究所のフェロー、楽天技術研究所のフェロー。「まつもとゆきひろ」氏は、世界的に有名なプログラミング言語Rubyの開発者である。Ruby自体を開発した人である。(くれぐれも、「Rubyを使うプログラマ」や「Rubyでありきたりのプログラムを書いている人」という意味ではない。)プログラミング言語が内部で行っている処理(数値演算も含む)について、高度な知識、詳細な知識を持っている人物である。
- ^ しばしば、公式など普通の数式に書かれている普通の順に計算すると桁落ちが生じ、有効桁数が著しく減少する。プログラミングの段階で常に注意深く、桁落ちが起きる、桁落ちが起きる、と意識しつづけて、計算の順番を不自然なまでに入れ替えないと防げない。
- ^ 一方、アナログ処理の媒体(磁気テープ、供給電圧や電線など)は材料のバラツキや製造上の品質管理の都合上、仕様より高めの限界値で製造される(例えば全ての部品のばらつきが低い方向に振れても仕様を満たす設計の場合、同じ条件で高い方向に振れた場合は仕様より高めの限界値となる。)。また、電線などの伝送路も汎用品を使った場合は過剰に仕様より高い限界値を持っている。このため、入力が仕様より超過した場合、少しの超過では影響が少なく、媒体の真の限界値を超えると過大な影響がある。
出典
- ^ デジタル大辞泉【デジタル】
- ^ a b c 三宅真『Q&Aで読み解く情報通信技術の進化』2019, p.14「デジタル通信とアナログ通信、デジタルとアナログ」
- ^ a b c d e IT用語辞典e-word【デジタル】
- ^ 日本商工会議所 EC実践能力検定試験 2級 公式テキスト, p.164 「アナログとデジタルの違い」
- ^ 工藤利夫『図解電子用語の基礎解說』枝術評論社、1982 p.158
- ^ a b c 精選版 日本国語大辞典【デジタル】
- ^ 広辞苑第六版【デジタル】
- ^ a b c Merriam Webster【digital】[1]
- ^ Merriam Webster【analog】[2]
- ^ a b [3]
- ^ Merriam Webster, 【digital】[4]
- ^ a b c d e f g h 『基本情報技術者 標準教科書』オーム社、第1章「基礎理論」
- ^ 増井敏克『エンジニアが生き残るためのテクノロジーの授業 変化に強い人材になれる技術と考え方』2016、p.87
- ^ [5]
- ^ 『2020年版 基本情報技術者 標準教科書』(オーム社)pp.024-025,「誤差」の章
- ^ a b c d e まつもとゆきひろ著『まつもとゆきひろ コードの世界』日経BP、2009年。p.241
- ^ a b 首都大学東京(東京都立大学)、海岸・海洋工学研究室、新谷「数値計算における誤差」 「桁落ち」の節を参照のこと。
- ^ a b c d e f g h i “「ゲーム」はいつから当たり前に「テレビゲーム」などを指すようになった? 「デジタルゲーム」という言葉の歴史から調べてみた”. 電ファミニコゲーマー (マレ). (2020年10月8日) 2020年10月30日閲覧。
ディジタル
「ディジタル」の例文・使い方・用例・文例
- ディジタル信号をアナログ信号に変換する装置
- ディジタル表示の腕時計
- アナログ信号をディジタル信号に変換する装置
- 表面に刻まれた微小孔としてディジタルデータを格納できるプラスチックでコーティングされたディスク
- 写真をコンピュータが認識できるディジタル方式の形に書き換える方式
- 音声信号をディジタル符号に変換して録音すること
- PCM録音という,ディジタル記録方式による録音
- 電圧をディジタル型に変換する装置
- 画像情報をディジタル化して記録したもの
- オートマトンという,ディジタル機械の論理モデル
- ディジタルなデータを処理する機械
- ハイブリッドコンピューターというアナログ式とディジタル式を組み合わせたコンピューター
- 論理演算をビット信号に対応させたディジタル電子回路
- ディジタル式の時計
- ディジタル化された信号を光学的に読みとって音声を再生するレコード
- 光技術やディジタル技術を使って個別のネットワークをディジタルネットワークとして統一するシステム
- ディジタル計算機という,算数とロジックのプロセスによって別個のデータをうごかしているコンピューター
- サービス総合ディジタル通信網という,ネットワーク
- ディジタル電話という,電話
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