アラビア数字とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 高等数学 > 数字 > アラビア数字の意味・解説 

アラビア‐すうじ【アラビア数字】

読み方:あらびあすうじ

0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の10個の数字。インドで考案され、アラビアを経てヨーロッパに伝わった。インド数字。算用数字。


アラビア数字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/01 05:06 UTC 版)

アラビア数字(アラビアすうじ、英: Arabic numerals[注 1])あるいはインド・アラビア数字は、数を表す記号及び記数法の一種。インドで考案され、アラビアを経由してヨーロッパに伝わった数字である[1]。インド数字に起源を持ち十進記数法をとる。 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 の10種類がある。

概要

インド・アラビア数字はコードを1から9とし、これに0の記号を加えて、その置かれている位置によって新しい意味を付与する位取り系(propositional system)である[2]。これによって、どんな大きい数でも自由に表わすことができ、後世には小数の概念を導入することによって、絶対値のどんなに小さい数でも表現できるようになった[2]。このほか二つの数の大小が容易に判定できることや筆算における利便性も長所として挙げられる[2]。

インド起源の数字であるにもかかわらず「アラビア数字」と呼ぶのは、アラビアからヨーロッパへ伝わりそこで"Arabic numerals"(アラビア語の数字、アラビアの数字)と命名されたことによる。日本ではその後定着したことから、一部で洋数字と呼ばれることもある。また、筆算に用いる数字であるため算用数字とも呼ぶ。日本の法令ではアラビア数字[3]と呼んでいる。

歴史

ブラーフミー数字とその子孫
コデクス・ウィギラヌスに現れるインド数字

ヨーロッパの諸言語に用いるアラビア数字は直接にはアラビアのインド数字に由来する。インド最古の数字はブラーフミー数字であるが、この時はまだ位取り記数法ではなく、0 の数字が無かった。おそらく6世紀までに 0 が発明され、デーヴァナーガリー数字となり、これが四方に伝わっていった。

西方ではアル=フワーリズミーの『インドの数の計算法』(Kitāb al-Jām'a wa'l-Tafrīq bi'l-Hisāb al-Hindī, 825年)とアル=キンディーの『インドの数の使用について』(Ketab fi Isti'mal al-'Adad al-Hindi, 830年頃)にすでにインド数字が紹介されている。アラビア語ではインド数字 (al-raqām al-hindīya) と呼ばれている。アラビア文字の書字方向は右から左だが、数字だけは左から右に書く。これは、元々インド系言語の書字方向が左から右だからである。このため、アラビア語のワードプロセッサやタイプライターは数字部分を逆送りにする機能を持つ。

ヨーロッパでは後ウマイヤ朝の影響下にあったヒスパニアから始まり、コデクス・ウィギラヌス(Codex Vigilanus, 976年)においてイシドールスへの注釈に初めて現れる。しかし 0 は失われている。その後、オーリヤックのジェルベールが980年頃からこのインド数字の普及を始めた。しかし本格的に広まり始めるのはレオナルド・フィボナッチの『算盤の書』(Liber abaci, 1202年)からである。その後、印刷術の導入で使用が増え、16世紀中頃にはローマ数字を置き換えて定着した。

南方および東方ではデーヴァナーガリー文字と共に数字が伝わり、各言語で文字が変化すると数字も変化していった。

中国には718年に瞿曇悉達により紹介されたが、中国ではすでに紀元前から十進法の算木が使われており、筆算より計算が速かったため、インド数字が定着することはなかった。漢数字の〇はそれより遅れて南宋の時代に現れた。漢字文化圏でヨーロッパのアラビア数字が定着するのは、欧米列強が本格的にアジア地域に進出しはじめた19世紀になってからである。

インド・アラビア数字の系統

以下にデーヴァナーガリー数字に由来する数字を示す。

数字 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 共に使用する文字
デーヴァナーガリー数字 ० १ २ ३ ४ ५ ६ ७ ८ ९ デーヴァナーガリー、カイティー文字
ペルシア数字 ۰ ۱ ۲ ۳ ۴ ۵ ۶ ۷ ۸ ۹ ペルシア文字
アラビア・インド数字 ٠ ١ ٢ ٣ ٤ ٥ ٦ ٧ ٨ ٩ アラビア文字
アラビア数字 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ラテン文字、キリル文字、アラビア文字(マグリブ)、ヘブライ文字(現代ヘブライ語)など多数
グジャラーティー数字 ૦ ૧ ૨ ૩ ૪ ૫ ૬ ૭ ૮ ૯ グジャラーティー文字
グルムキー数字 ੦ ੧ ੨ ੩ ੪ ੫ ੬ ੭ ੮ ੯ グルムキー文字
テルグ数字 ౦ ౧ ౨ ౩ ౪ ౫ ౬ ౭ ౮ ౯ テルグ文字
カンナダ数字 ೦ ೧ ೨ ೩ ೪ ೫ ೬ ೭ ೮ ೯ カンナダ文字、ナンディナーガリー文字(英語版)
マラヤーラム数字 ൦ ൧ ൨ ൩ ൪ ൫ ൬ ൭ ൮ ൯ マラヤーラム文字
タミル数字¹ ௦ ௧ ௨ ௩ ௪ ௫ ௬ ௭ ௮ ௯ タミル文字
ベンガル数字 ০ ১ ২ ৩ ৪ ৫ ৬ ৭ ৮ ৯ ベンガル文字
オリヤー数字 ୦ ୧ ୨ ୩ ୪ ୫ ୬ ୭ ୮ ୯ オリヤー文字
マニプリ数字 ꯰ ꯱ ꯲ ꯳ ꯴ ꯵ ꯶ ꯷ ꯸ ꯹ マニプリ文字
サウラーシュトラ数字 ꣐ ꣑ ꣒ ꣓ ꣔ ꣕ ꣖ ꣗ ꣘ ꣙ サウラーシュトラ文字
ネワール数字 𑑐 𑑑 𑑒 𑑓 𑑔 𑑕 𑑖 𑑗 𑑘 𑑙 ネワール文字(英語版)
シャーラダー数字 𑇐 𑇑 𑇒 𑇓 𑇔 𑇕 𑇖 𑇗 𑇘 𑇙 シャーラダー文字
ビルマ数字 ၀ ၁ ၂ ၃ ၄ ၅ ၆ ၇ ၈ ၉ ビルマ文字
クメール数字 ០ ១ ២ ៣ ៤ ៥ ៦ ៧ ៨ ៩ クメール文字
タイ数字 ๐ ๑ ๒ ๓ ๔ ๕ ๖ ๗ ๘ ๙ タイ文字
ラーオ数字 ໐ ໑ ໒ ໓ ໔ ໕ ໖ ໗ ໘ ໙ ラーオ文字
タイ・ルー数字 ᧐ ᧑ ᧒ ᧓ ᧔ ᧕ ᧖ ᧗ ᧘ ᧙ タイ・ルー文字
ラーンナー数字 ᪀,᪐ ᪁,᪑ ᪂,᪒ ᪃,᪓ ᪄,᪔ ᪅,᪕ ᪆,᪖ ᪇,᪗ ᪈,᪘ ᪉,᪙ ラーンナー文字
バリ数字 ᭐ ᭑ ᭒ ᭓ ᭔ ᭕ ᭖ ᭗ ᭘ ᭙ バリ文字
ジャワ数字 ꧐ ꧑ ꧒ ꧓ ꧔ ꧕ ꧖ ꧗ ꧘ ꧙ ジャワ文字
リンブ数字 ᥆ ᥇ ᥈ ᥉ ᥊ ᥋ ᥌ ᥍ ᥎ ᥏ リンブ文字
チベット数字 ༠ ༡ ༢ ༣ ༤ ༥ ༦ ༧ ༨ ༩ チベット文字
モンゴル数字 ᠐ ᠑ ᠒ ᠓ ᠔ ᠕ ᠖ ᠗ ᠘ ᠙ モンゴル文字
レプチャ数字 ᥆ ᱁ ᱂ ᱃ ᱄ ᱅ ᱆ ᱇ ᱈ ᱉ レプチャ文字
チャム数字 ꩐ ꩑ ꩒ ꩓ ꩔ ꩕ ꩖ ꩗ ꩘ ꩙ チャム文字
ンコ数字² ߀ ߁ ߂ ߃ ߄ ߅ ߆ ߇ ߈ ߉ ンコ文字
オスマニャ数字² 𐒠 𐒡 𐒢 𐒣 𐒤 𐒥 𐒦 𐒧 𐒨 𐒩 オスマニャ文字
  1. タミル数字の 0 は近代に取り入れられた。Unicode 4.1 から定義されている[4][5]。
  2. ンコ文字とオスマニャ文字は近代の発明であるが、アラビア文字の影響が見られる。


Unicode 未対応の数字:

脚注

注釈

  1. ↑ 日常の英語では、アラビア数字を指して digit もしくは figure と言うことが多い。

出典

  1. ↑ 「アラビア数字」『デジタル大辞泉』小学館。コトバンクより2026年7月29日閲覧。
  2. 1 2 3 日野晃輔「複式簿記の考古学⑵」『酪農学園大学紀要ー人文・社会科学編』第28巻第1号、酪農学園大学、2003年、1-29頁。
  3. ↑ “小切手振出等事務取扱規程(昭和二十六年大蔵省令第二十号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年12月17日閲覧。 “第七条 2: 小切手の券面金額は、所定の金額記載欄に、印影を刻み込むことができる印字機を用い、アラビア数字により表示しなければならない。”
  4. ↑ FAQ - Tamil Language and Script - Q: What can you tell me about Tamil Digit Zero?
  5. ↑ Unicode Technical Note #21: Tamil Numbers
  6. ↑ Mandal, Biswajit (2021), PROPOSAL TO ENCODE SYLOTI NAGRI NUMERALS 2022年12月18日閲覧。

関連項目

外部リンク


アラビア数字

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 07:03 UTC 版)

名詞

アラビア数字(―すうじ)

  1. 起源はインドで、アラブ地域からヨーロッパに伝来した数字、但し、アラビア文字における数表記(wp)とは異なる。全世界で広く一般的に使われている。算用数字。0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9。

訳語


「アラビア数字」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



アラビア数字と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アラビア数字」の関連用語

1
洋数字 デジタル大辞泉
100% |||||


3
算用数字 デジタル大辞泉
96% |||||



6
記数法 デジタル大辞泉
78% |||||


8
コンマ デジタル大辞泉
70% |||||



アラビア数字のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アラビア数字のページの著作権

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアラビア数字 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのアラビア数字 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2026 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2026 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2026 GRAS Group, Inc.RSS