大量脱退騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 15:13 UTC 版)
「東日本旅客鉄道労働組合」の記事における「大量脱退騒動」の解説
2018年2月中旬から4月1日までで、約2万9000人もの組合員が脱退し、同年1月時点で約4万7000人(社員の約8割が加入)であった組合員が半数以下(30パーセント台)になったことが報じられた。 7月までに、全体の7割超に相当する3.3万人が脱退した。 きっかけは「格差ベア(個々の基準給に対する定率での定期昇給)」ではなく、一律同じ金額での昇給「定額ベア」を求めた労組による、ストライキ権行使について会社と厚生労働省へ通告であったが 総額で基本給の5%以上という高額な組合費 団体交渉において「運転士・車掌(以下乗務員)の要望は多く要求する一方、本社・支社・車両・設備系社員からの要望は無視する」という乗務員のみを厚遇する風潮 近年では「運輸区の給湯器修理」といった本来であれば現場と社員間で行うような事象ですら本部と会社間の団体交渉にて要求している 乗務員とそれ以外の社員との間に存在する多大な賃金格差・労働時間格差の是正に対する無関心や黙殺行為 乗務員訓練における"指導"と称した常軌を逸したパワハラの隠蔽、及び告発者や通報者に対する過度な人権侵害 執行部の9割以上が東京、八王子、水戸の3地方本部の乗務員出身者で占められている現状 国政選挙において特定の候補への投票を強制させる行為、及び一部組合員による投票の監視行為 アウシュビッツ強制収容所、大韓民国、広島、長崎における"平和勉強会"への強制参加 反自民党集会・基地反対運動・反原発活動への強制参加及び資金提供 浦和電車区事件での不誠実な対応、及び同事件被告の裁判費用や賠償金の肩代わりや差し入れ等の援助行為 といった数多くの事象が背景にあったとされる。 なお組合側は、この大量脱退について「不当労働行為ともとられる指示が、会社より各地で行われていた」と主張している。 4月12日、JR東労組は臨時大会を開催し、一連の騒動の責任は中央本部にあるとし、当時の委員長であった吉川英一の執行権剥奪、組合員資格停止処分を決定した。 その後6月に開催された定期大会において一連の騒動を「敗北」と総括し、執行部を刷新した。 離脱した元組合員の一部は、親睦団体「社友会」を設立、一部の社員は新しい労働組合(東日本新鉄道労働組合など)を結成しているが、若い世代の労組離れなどといった価値観の変化もあり、大半はいずれの組合にも加入していないとされている。 JR連合系のジェイアール・イーストユニオンに移籍した者もいるが、ごく少数にとどまっていて、JR東労組から脱退した者の受け皿にはなりえていない。
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