正念とは? わかりやすく解説

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正念

読み方:しょうねん

仏教において真理会得しようと心を保つことなどを意味する表現。「八正道」の一つ。「正念」が含まれる言葉としては「正念場」などがある。

しょう‐ねん〔シヤウ‐〕【正念】

読み方:しょうねん

仏語八正道の一。物事本質あるがままに心にとどめ、常に真理求める心を忘れないこと。正し思念

極楽往生信じて疑わないこと。一心に念仏すること。

雑念去った安らかな心。

十方の仏を礼し奉り—にして慈氏菩薩念じ奉り給ふ間」〈今昔・六〉

本心正気

其の後狂気、—を失ふが如し云々」〈明月記


しょうねん 【正念】

仏教用語邪念反対正し思慮浄土教では心を正して念仏することをいう。(一般にいう「正念場」はこれから出た

サティ (仏教)

(正念 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/18 15:28 UTC 版)

パーリ語でサティ: sati[1]: smṛti[1]:スムリティ)とは、特定の物事を心に(常に)留めておくことである。日本語ではねん[1][2]気づき、英語ではマインドフルネス (mindfulness)[2]などと表現する。漢訳で念。仏教の実践において正念(しょうねん、sammā-sati)とは、八正道はっしょうどうの一つとして重視される。正しい念は、三十七道品のなかの四念住しねんじゅうなどにおける念とあるように、基本概念の一つである。対象に執着あるいは嫌悪などの価値判断を加えることなく、中立的な立場で注意を払うことを意味し、仏教における瞑想の基礎的な技術の一つであり、念を深めると心が固定され、何事にも惑わされないじょうの状態に至るとされる。


  1. ^ a b c 末木文美士、豊嶋悠吾 訳「念」 『オックスフォード仏教辞典』朝倉書店、2016年、263頁。ISBN 978-4-254-50019-6 
  2. ^ a b 藤永保監修 『最新心理学事典』平凡社、2013年、894頁。ISBN 9784582106039 
  3. ^ a b c d マハーシ長老 著、ウ・ウィジャナンダー 訳 『ミャンマーの瞑想―ウィパッサナー観法』国際語学社、1996年、80-81、158、164-165頁。ISBN 4-87731-024-X 
  4. ^ a b c d e ダライ・ラマ14世テンジン・ギャツォ 著、菅沼晃 訳 『ダライ・ラマ 智慧の眼をひらく』春秋社、2001年、106-108、176-177頁。ISBN 978-4-393-13335-4  全面的な再改訳版。(初版『大乗仏教入門』1980年、改訳『智慧の眼』1988年)The Opening of the Wisdom-Eye: And the History of the Advancement of Buddhadharma in Tibet, 1966, rep, 1977。上座部仏教における注釈も備える。
  5. ^ 和辻哲郎 『原始仏教の実践哲学』(改定版)岩波書店、1932年、416頁。  初版1926年。
  6. ^ a b ダライ・ラマ 著、伊藤真 訳 『科学への旅 原子の中の宇宙』サンガ、2007年、197-208頁。ISBN 978-4901679428 
  7. ^ a b 菅村玄二、(本文著者)Z・V・シーガル、J・M・G・ウィリアムズ、J・D・ティーズデール共著 著、越川房子 訳「補遺 マインドフルネス心理療法と仏教心理学」 『マインドフルネス認知療法 うつを予防する新しいアプローチ』北大路書房、2007年、270-281頁。ISBN 978-4-7628-2574-3 
  8. ^ a b c Veves, Aristidis; Gotink, Rinske A.; Chu, Paula; Busschbach, Jan J. V.; Benson, Herbert; Fricchione, Gregory L.; Hunink, M. G. Myriam (2015). “Standardised Mindfulness-Based Interventions in Healthcare: An Overview of Systematic Reviews and Meta-Analyses of RCTs”. PLOS ONE 10 (4): e0124344. doi:10.1371/journal.pone.0124344. PMC 4400080. PMID 25881019. http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0124344. 
  9. ^ Grossman, Paul; Van Dam, Nicholas T. (2011). “Mindfulness, by any other name…: trials and tribulations ofsatiin western psychology and science” (pdf). Contemporary Buddhism 12 (1): 219–239. doi:10.1080/14639947.2011.564841. http://www.albany.edu/~me888931/Grossman%20&%20Van%20Dam%202011%20Contemporary%20Buddhism.pdf. 
  10. ^ Epel E, Daubenmier J, Moskowitz JT, Folkman S, Blackburn E (2009). “Can meditation slow rate of cellular aging? Cognitive stress, mindfulness, and telomeres”. Ann. N. Y. Acad. Sci. 1172: 34–53. doi:10.1111/j.1749-6632.2009.04414.x. PMC 3057175. PMID 19735238. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3057175/. 
  11. ^ Kate Pickert (2014年1月23日). “The Mindful Revolution”. Time. http://time.com/1556/the-mindful-revolution/ 2015年9月20日閲覧。 
  12. ^ (編著)貝谷久宣、熊野宏昭、越川房子 『マインドフルネス 基礎と実践』日本評論社、2016年、i頁。ISBN 978-4-535-98424-0 


「サティ (仏教)」の続きの解説一覧

正念(しょうねん)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 07:00 UTC 版)

出世花」の記事における「正念(しょうねん)」の解説

正縁より15歳年長修行僧第2巻では副住職呼ばれている。女子である縁が、青泉寺残って湯灌仕事続けたいと言ったとき、毛坊主ではなく三昧聖という職名提案した

※この「正念(しょうねん)」の解説は、「出世花」の解説の一部です。
「正念(しょうねん)」を含む「出世花」の記事については、「出世花」の概要を参照ください。


正念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 08:35 UTC 版)

八正道」の記事における「正念」の解説

正念(しょうねん, 巴: sammā-sati, 梵: samyak-smṛti)とは、四念処(身、受、心、法)に注意向けて、常に今現在内外状況に気づいた状態(マインドフルネス)でいることが「正念」である。 Katamā ca bhikkhave, sammāsati: idha bhikkhave, bhikkhuye kāyānupassī viharati ātāpī sampajāno satimā vineyya loke abhijjhādomanassaṃ,vedanāsu vedanānupassī viharati ātāpī sampajāno satimā vineyya loke abhijjhādomanassaṃ,citte cittānupassī viharati ātāpī sampajāno satimā vineyya loke abhijjhādomanassaṃ, dhammesu dhammānupassī viharati ātāpī sampajāno satimā vineyya loke abhijjhādomanassaṃ. Ayaṃ vuccati bhikkhave, sammāsati. 比丘たちよ、正念とは何か。比丘たちが、身(kāye)について、身を観つづけ、正知をそなえ、気づきサティ)をそなえ、世における貪欲憂い除いて住む。受(ヴェダナー)について、受を観つづけ、正知をそなえ、気づきをそなえ、世における貪欲憂い除いて住む。心(チッタ)について、心を観つづけ、正知をそなえ、気づきをそなえ、世における貪欲憂い除いて住む。法(ダルマ)について、法を観つづけ、正知をそなえ、気づをそなえ、世における貪欲憂い除いて住む。比丘たちよ、これを正念と呼ぶ。

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正念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 13:28 UTC 版)

最強伝説 黒沢」の記事における「正念」の解説

高僧。「土建の業」という修行を行うために奥多摩に向かう途中で行き倒れになったところを黒沢救われるが、何故か自分なりすました黒沢から「こんな意味のないことをするなんて馬鹿なのか」と問われえたことで修行中止する

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「正念」を含む「最強伝説 黒沢」の記事については、「最強伝説 黒沢」の概要を参照ください。

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