チャルーン・サティとは? わかりやすく解説

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チャルーン・サティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/16 17:04 UTC 版)

チャルーン・サティとは、タイの仏僧、ルアンポー・ティアン・チッタスポーによって編み出されたヴィパッサナー瞑想の手法である。チャルーン・サティとはタイ語で「気づきの瞑想/気づきの開発法」を意味する[1]

坐行、歩く瞑想などのヴァリエーションがあるが、いかなる場合でも、さかんに体を動かして気づきを行う点に大きな特徴がある。このため、中国では動中禅と呼ばれている。

「手動瞑想」(ヨックムー・サーンチャンワ)

Mahasati Meditation Basic Rhythmic Movements

手動瞑想(ヨックムー・サーンチャンワ)はチャルーン・サティのうちの一つであり、ルアンポー・ティアン・チッタスポーにより開発された瞑想法である。現在ではタイ東北部を中心に150余りの寺で修習されている。手動瞑想での気づきの対象は意志的な腕の動きであるが、開いてあるがままに受け入れていく心と、能動的な意志とを両立させて気づきを開発していくと、自然に微細な身体感覚や感情、思考、心身の法則性への洞察に発展してゆく[1]

坐って行う場合、目は開き、手を一定のパターンでリズミカルに動かして、気づきを伴わせる。

以下の通りに行う。

  1. 両方の手のひらを、ふとももの上に置く。
  2. 右の手のひらを垂直に立て、気づく。ゆっくりと行う。そして止まる。(この時、動作のラベリングは行なわない。動きに気づくだけでよい。)
  3. 右手をもち上げる。気づく。そして止まる。
  4. 右手を腹部あたりまでもって行く。気づく。そして止まる。
  5. 左の手のひらを垂直に立てる。気づく。そして止まる。
  6. 左手をもち上げる。気づく。そして止まる。
  7. 左手を腹部あたりまでもって行く。気づく。そして止まる。
  8. 右手を胸の辺りまでもって行く。気づく。そして止まる。
  9. 右の手のひらを開くようにして、腕がからだと垂直になるように動かす。(3の位置と同じ)気づく。そして止まる。
  10. 右手をふとももまで降ろし、手のひらを垂直に立てる。気づく。そして止まる。
  11. 右の手のひらをふとももの上でふせる。気づく。そして止まる。
  12. 左手を胸の辺りまでもって行く気づく。そして止まる。
  13. 左の手のひらを開くようにして、腕がからだと垂直になるように動かす。(6の位置と同じ)気づく。そして止まる。
  14. 左手をふとももまで降ろし、手のひらを垂直に立てる。気づく。そして止まる。
  15. 左の手のひらをふとももの上でふせる。気づく。そして止まる。

以下、2~15の動作を繰り返し行う。

実践上の注意

  • 手のひらを立てる動作の後には、手のひらの感じ・存在する感覚を確認し、腕を移動させた後には腕の存在に気づくなど、一連の動作を終えた後、体にしっかりと気づく。
  • 流れ作業的に連続させず、ひとつひとつのパートをできるだけ区切って、別の動きとして行う。

出典

  1. ^ a b プラユキ・ナラテボー『自由に生きる』 サンガ、2016年、323-327頁。

参考文献

  • プラユキ・ナラテボー(著)『「気づきの瞑想」を生きる―タイで出家した日本人僧の物語 』, 佼成出版社, 2009年8月, ISBN 9784333023974
  • カンポン・トーンブンヌム(著)、浦崎雅代(訳)『「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方』, 佼成出版社, 2007年11月, ISBN 9784333023042
  • プラユキ・ナラテボー、篠浦伸禎『脳と瞑想』、サンガ、2014年

関連項目

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