タマネギバエとは? わかりやすく解説

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葱蠅

読み方:タマネギバエ(tamanegibae)

ハナバエ科昆虫

学名 Hylemyia antiqua


タマネギバエ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/24 08:51 UTC 版)

タマネギバエ
リーキを食害するタマネギバエの幼虫
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハエ目(双翅目) Diptera
: ハナバエ科 Anthomyiidae
: タネバエ属 Delia
: タマネギバエ D. antiqua
学名
Delia antiqua
(Meigen英語版, 1826)
シノニム
英名
onion fly

タマネギバエ学名: Delia antiqua, 英語: onion fly)は汎存性農作物害虫幼虫またはタマネギニンニク、および他の植物の鱗茎英語版を食害する。

形態と生活

タマネギバエの幼虫によって食害されるタマネギ

タマネギバエは灰色であり、体つきはイエバエと類似している。腹部の縦縞はオス独特のものであり、メスにはない。脚は黒く、翅は透明で、複眼は茶色である。は白く楕円形で、宿主植物の地面に近いシュートや葉、鱗茎に複数産み付けられる。白くシリンダー状の形をした幼虫は3から8日で孵化する。幼虫は群れたままの状態を好み、鱗茎に大きな食痕を形成する。時に、複数のメスが産んだ卵から孵化した50匹以上の蛆が1つの鱗茎を食べることもある。幼虫は3回脱皮し、約20日間かけて1.0 cmほどまで成長する。は茶色で、卵型であり長さは7 mmほどである。地中で蛹化し、春世代の蛹期間は2か3週間ほどである。それ以降の世代は蛹のまま地中で越冬する[2][3]

分布

タマネギバエは北アメリカ西ヨーロッパロシア中央アジア中国日本朝鮮半島にかけて分布するが、砂漠には生息していない。分布域北部では年1世代が発生するが、南部では年2から4世代が生じる[2]

経済的重要性

幼虫はタマネギ、ニンニクチャイブエシャロットリーキおよび他種草花の鱗茎を食害する。幼虫の第1世代は宿主植物が小さい時に発生し、特に雌の長い幼虫期間の為に最も損害が大きくなる。タマネギやリーキの苗は時に大きく食害され、タマネギやエシャロットがやせ細ってしまう[3]。湿った寒春では幼虫の成長が遅くなるため、損害が比較的小さくなる。食害を受けた植物は葉が黄変し、鱗茎が(湿った場合は特に)急速に腐敗し始める。輪作種子処理英語版、早まきや早植え、食害された植物の発見・除去、および秋に圃場を耕起して地中の蛹を殺すといった対策が有効である[2]

脚注

  1. ^ a b c Chandler, Peter J. (1998). “Checklists of Insects of the British Isles (New Series) Part 1: Diptera”. Handbooks for the Identification of British Insects (Royal Entomological Society) 12: 1–234. 
  2. ^ a b c Delia antiqua (Meigen) - Onion Fly”. Interactive Agricultural Ecological Atlas of Russia and Neighboring Countries. 2013年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月5日閲覧。
  3. ^ a b Delia antiqua (Meigen)”. Encyclopédie des Ravageurs Européens. Institut National de la Recherche Agronomique. 2011年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月5日閲覧。

関連文献



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