食料_VS_燃料とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 食料_VS_燃料の意味・解説 

食料 VS 燃料

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 04:48 UTC 版)

主要な食用穀物であると同時に、バイオ燃料の原料にもなるトウモロコシ

食料 VS 燃料(しょくりょう たい ねんりょう)とは食料バイオ燃料を巡って穀物の需給が変動する構図を表す。

概要

2000年代以降、各国で穀物の作付け地でバイオ燃料用の穀物の栽培が増えており、これまで飼料用だった穀物の相場が高騰している[1]。この原因の一因はアメリカやブラジル等の穀物生産国でのバイオエタノール向けのトウモロコシの需要の急増が挙げられる[2][3]。そのため、先進国が消費する燃料用の穀物価格が急騰して、その一方で食料用の穀物の生産が減り、所得水準の低い国々での調達が困難に成りつつある[4][2]。中国での飼料用穀物の需要拡大や世界各地での干ばつによる収穫の減少がこの事態に拍車をかけているが、近年では産油国が石油を増産した事で石油の相場が下がり、バイオ燃料の価格優位性が減少したことにより、この事態が一時期的に緩和されつつある。

解決策

各国では食料や飼料用の穀物の生産と競合しない資源的な制約の少ない原材料で製造する第二世代バイオ燃料に関する研究が進められる。一例としてセルロース分解菌の品種改良により、おが屑や間伐材等、従来はバイオエタノールの原料として使用されてこなかった原料を元にバイオエタノールを製造する技術が開発中である[5][6][7]。セルロース細胞壁の分解は熱と化学処理を伴い、従来難しい問題であった[8]。またセルラーゼで分解することも実施されていたが、前処理に手間がかかり大変であった[5]メリーランド大学カレッジパーク校のSteve Hutcheson はチェサピーク湾の沼地で発見されたバクテリア(サッカロファガス デグラダンス英語版)が強力なセルロース細胞壁の分解能を有する事を突き止めた[9][5]。Zymetis社ではさらに効率よく糖に変更するために遺伝子を組み換えて、72時間で1トンのセルロースバイオマスを糖に変換できる事を実証した[10][5]

また、シロアリ消化器官内の共生菌によるセルロース分解プロセスがバイオマスエタノールの製造に役立つ事が期待され、琉球大学理化学研究所等で研究が進められる[11][12][13][14][15][16][17][18]

他にもメタン菌による嫌気性発酵によって下水処理施設などでメタンガスブタンガスを生成する取り組みが進められる。

脚注

[脚注の使い方]

関連項目


「食料 VS 燃料」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「食料_VS_燃料」の関連用語

食料_VS_燃料のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



食料_VS_燃料のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの食料 VS 燃料 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS