スピリタスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 日本語表現辞典 > スピリタスの意味・解説 

スピリタス

作者アン・ビーティ

収載図書あなたが私を見つける所
出版社草思社
刊行年月1990.4


スピリタス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/16 18:42 UTC 版)

スピリタス
ポルモス社製のスピリタス
基本情報
種類 蒸留酒
度数 96度
主原料 穀物ジャガイモ
原産地 ポーランド
詳細情報
テンプレートを表示

スピリタスspirytus)とは、ポーランドを原産地とするウォッカである。

2011年時点で、アルコール度数96度という、世界最高の純度を誇るとして知られる。その度数ゆえに、成分のほとんどが純粋なエタノールであり、タバコ線香の火程度でも引火する。日本では消防法の第4類危険物に該当し、灯油ガソリンと同等の厳重な管理を必要とする。

「スピリタス」は英語読みを片仮名表記したもので、ポーランド語の発声に近い片仮名表記は「スピリトゥス」。ポーランド語: spirytus rektyfikowany(スピリトゥス・レクティフィコヴァニ:精製アルコール)と綴る。ポーランド語の spirytus は酒精、つまり「エタノール」を意味し、広義には蒸留酒全般のことを指す(この点は、ロシア語の「ウォッカ」も同じ)。

概要

穀物ジャガイモを主原料として、70回以上の蒸留を繰り返すことにより、95-96という高アルコール度数に仕上げられた、世界最高純度のスピリッツである。との共沸混合物となっていることから、蒸留でこれ以上の純度に精製することも不可能である。成分のほとんどが純粋なエタノールであるため、喫飲中は喫煙を含めて火気厳禁である。過去にはスピリタスから気化したエタノールにライターやタバコの火が引火して火災が発生する事故が起きており、注意喚起も行われている[1][2][3][4]

ポーランドには、複数のブランドがある[注 1]が、日本ではポルモス・ワルシャワ社製で、ミリオン商事株式会社が輸入している緑色キャップの瓶のもの(ラベル名は SPIRYTUS REKTYFIKOWANY RECTIFIED SPIRIT[注 2])がよく見られる。

味は、初めに刺すような痛みと強烈な焦熱感があるが、それを過ぎると甘く感じる。それまでの飲酒や味覚の嗜好によっては、最初から甘く感じることもある。一般的にはカクテルのベースにされることが多い。原産国のポーランドではウォッカとは別種の製品であり、狩人が携帯してで手に入る水を混ぜて飲むほか、家庭に消毒薬として常備する、チェリーなどの果実を漬け込んでナレフカなどの果実酒を造るのにも使用されるうえ、その果実酒も炭酸水などで割って日本サワー梅酒ソーダのようにして飲む。ポーランドでは、スピリタスをそのまま飲む習慣はない。

北アメリカでは、この度数の飲用アルコールの販売が禁止されている州は珍しくない。

飲用可能な無水アルコールを別とすれば、過去のアルコール度数史上最高の酒類は、1920年代から1930年代にかけてエストニアの酒類専売公社が販売していたジャガイモ原料で、アルコール度数98度の蒸留酒であった[5]

消防法上の扱い

日本の消防法では、エタノールなど「一分子を構成する炭素の原子の数が一個から三個までの飽和一価アルコール」を「アルコール類」として第四類危険物に指定している[注 3]。スピリタスはアルコール濃度が60%を上回っているため、「組成等を勘案して総務省令で定めるもの」[注 4]には当たらず、消防法上の危険物に分類される。

そのため、日本で流通するスピリタスの容器には、容量が500mlを超える場合[注 5]「第四類アルコール類(引火性液体) 危険等級II 水溶性」「火気厳禁」といった表記が必要となる[注 6]

ポーランド文学に現れるスピリタス

アダム・ミツキェヴィチ作の長編叙事詩『パン・タデウシュ』に、スピリタス(スピリトゥス)が登場する。主人公のがロシア帝国軍に急襲・占拠された際、兵士をスピリタスで酔わせ、住民蜂起によるロシア帝国軍の駆逐につなげた(「第九之書」血戦)。

脚注

注釈

  1. ^ 例えば、ディスティラルニア・ソビエスキ社製グダインスキ・スピリタスポルモス・ウォッカ製造所“ヴラティスラバ”(ポルモス・ブロツワフ)社製スピリタス96%、95%など。
  2. ^ 英語表記の“RECTIFIED SPIRIT”は直訳すれば「精留したスピリッツ」。すなわち、中性スピリッツのことである。
  3. ^ 消防法別表第一 第十三号
  4. ^ 消防法別表第一 第十三号但書、危険物の規制に関する規則第一条の三第4号
  5. ^ 500ml以下の場合は、危険物の規制に関する規則第44条第2項により緩和されている。
  6. ^ 危険物の規制に関する政令第29条第2項、危険物の規制に関する規則第44条

出典

  1. ^ 世界最強のお酒は火気厳禁!”. 神戸市消防局監修 生活あんぜん・あんしん情報誌『雪』. 2020年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月13日閲覧。
  2. ^ “スピリタスにタバコ引火し火事-名古屋市守山区川西 車内で飲酒” (日本語). ニュース速報Japan. https://breaking-news.jp/2015/02/19/017309 2018年11月20日閲覧。 
  3. ^ 度数90%「スピリタス」にタバコの火が引火、車炎上」『テレ朝news』。2018年11月20日閲覧。
  4. ^ “ワゴン車炎上!車中で飲んでたアルコール度数世界一「スピリタス」引火”. J-CASTテレビウォッチ. (2015年2月20日). https://www.j-cast.com/tv/2015/02/20228367.html?p=all 2018年11月20日閲覧。 
  5. ^ Highest alcohol content in a drink”. Guinness World Records. 2023年9月11日閲覧。

関連項目

外部リンク


スピリタス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 06:09 UTC 版)

テガミバチ」の記事における「スピリタス」の解説

蜂型テガミバチシンボルでもある。カベルネさえもはるかに凌ぐ世界最古にして最大最強の鎧人工太陽正体で、孵化する前は巨大な胎児のような姿をしている。鎧虫呼ばれているが、正確に鎧虫となる直前精霊虫。元は特別な力を持った精霊虫の子だったが、「こころ」が抜け落ち鎧虫となる直前琥珀化、世界中の「こころ」を餌に強大な光を放つ。終わることのない「こころ」の摂取は、世界から自らの発光を除く全ての光を拭い去りあらゆる生物植物死に追いやった。餌となる「こころ」が足りなくなった時、スピリタスは最強の鎧としてこの世誕生し世界終焉迎える。太古の時代精霊虫がスピリタスに「こころ」を運び、その誕生防いでいた。現在はAG政府首都人々から「こころ」を集め、それを女帝増幅ヘッド・ビーがその「こころ」をスピリタスに打ち込むことで、かろうじて封印状態が保たれている。名称は世界高濃度蒸留酒から。

※この「スピリタス」の解説は、「テガミバチ」の解説の一部です。
「スピリタス」を含む「テガミバチ」の記事については、「テガミバチ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「スピリタス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スピリタス」の関連用語

スピリタスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スピリタスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2025実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスピリタス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのテガミバチ (改訂履歴)、シアトリズム ファイナルファンタジー オールスターカーニバル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS