低温殺菌とは? わかりやすく解説

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ていおん‐さっきん〔テイヲン‐〕【低温殺菌】

読み方:ていおんさっきん

食品セ氏6070度の温度殺菌すること。高温では風味色彩成分の変化生じすいもの対象とし、牛乳では6265度で30分間加熱殺菌が行われる。パスツールワイン変敗防止のために考案した方法で、パスツーリゼーションともいう。


パスチャライゼーション

(低温殺菌 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/05 09:35 UTC 版)

低温殺菌牛乳

パスチャライゼーション: pasteurization)とは、食品等の加熱殺菌法のうちで、摂氏100度以下の温度で行う方法をいう。1866年微生物学の祖であるルイ・パスツールクロード・ベルナールによって、ワイン殺菌法として最初に導入されたことからパスツールの名をとって命名されている。のちに導入された高温殺菌法(摂氏100度以上で行う)と対比して、低温殺菌法(ていおんさっきんほう)とも呼ばれる。この方法をパストリゼーションと表現する場合もある[1]

パスチャライゼーションは、微生物を完全に死滅させることではなく、害のない程度にまで減少させることを目的としており、従って一部の耐熱菌は残存しうるため、一般に消費期限は高温殺菌品より短く設定されている。

この方法を用いると、素材の風味を損なわず、ワインやビールなどの醸造酒に含まれるアルコール分を飛ばさずに行うことが可能であり、高温殺菌法と比較して、熱変性などによる品質・風味の変化が抑えられる利点がある。

日本では、パスツールに先立つこと300年も前の1560年頃に日本酒において同じ方法が経験的に生み出され、以来、「火入れ」として行われてきた[2]

後に牛乳にも応用され、牛乳の風味を損なうことが少ないとして多く採用されている。この方法で殺菌された牛乳はパスツールにちなんで一般に「パスチャライズド牛乳」と呼ばれており、この低温殺菌牛乳には、方法としては次の2つがある。

  • 低温保持殺菌(LTLT法):63度で30分間加熱殺菌する方法。詳細は低温殺菌牛乳の項を参照。
  • 高温短時間殺菌(HTST法):72度から78度で15秒間程度加熱殺菌する方法。

加熱していくと、耐熱菌を除いて微生物は死滅していくが、その死滅温度は60度で10分間ほどである[3]

関連項目

脚注

  1. ^ 一例として『ビールの表示に関する公正競争規約 (PDF) 』の第4条に記述あり。
  2. ^ 小泉武夫、1989、『発酵-ミクロの巨人たちの神秘』、中央公論社中公新書〉 ISBN 978-4-12-100939-5
  3. ^ 山口辰良『一般微生物学』技報堂、1968年。263頁。

低温殺菌(パスチャライゼーション)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 05:52 UTC 版)

殺菌」の記事における「低温殺菌(パスチャライゼーション)」の解説

消毒100以下の温度42,60,80℃など)でやや長時間(30分 - 数時間)かけて加熱処理する。オートクレーブなどの滅菌処理変質してしまう食品牛乳などの消毒殺菌用いる。

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低温殺菌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 05:07 UTC 版)

食料保存」の記事における「低温殺菌」の解説

1862年に、化学者ルイ・パスツールによって発明された。100以下かつ微生物活動出来ない範囲温度にすることで、食品風味損なわず殺菌する方法

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低温殺菌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 08:22 UTC 版)

アップルサイダー」の記事における「低温殺菌」の解説

低温殺菌しないアップルサイダー汚染され果汁からの腸管出血性大腸菌感染症流行によって、アメリカ食品医薬品局1998年新規制を勧告し続いてカナダ2000年法規制した。 大規模なサイダー製造販売は、アメリカ食品医薬品局1998年勧告した全ての生の果物および野菜ジュース適用される規制の下にある。 2001年FDA提出した規制決議され事実上すべてのジュース製造業者HACCP管理従い、熱による低温殺菌、紫外線殺菌照射(UVGI)、または他の実績ある殺菌方法用いることが求められるその結果アメリカ合衆国内アップルサイダー販売全ては、消費者への直接販売ジュースバー路上直売所など)を除き病原体の「5対数値」減少達成するHACCP原則基づいて生産しなければならない。UVGI処理および他の技術法規制準じているが、低温殺菌が最も一般的に使用されている。

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