ピルビン酸デヒドロゲナーゼ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/02 13:21 UTC 版)
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(pyruvate dehydrogenase, PDH)は、ピルビン酸のカルボキシ基を酸化して二酸化炭素を生じる反応を触媒する酸化還元酵素である。
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ピルビン酸
用いる電子受容体によって以下の表のように分類されている。
IUBMB名称 | EC番号 | 電子受容体 | 備考 |
---|---|---|---|
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ (NADP+) | 1.2.1.51 | NADP+ | アセチルCoAを生じる |
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ (アセチル基転移) | 1.2.4.1 | リポイルリシン | ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の構成因子 |
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ (キノン) | 1.2.5.1 | ユビキノン | 酢酸を生じる |
また以下の酵素も名称は異なるが同様の反応を触媒する。
IUBMB名称 | EC番号 | 電子受容体 | 備考 |
---|---|---|---|
ピルビン酸シンターゼ | 1.2.7.1 | フェレドキシン | アセチルCoAを生じる |
ピルビン酸オキシダーゼ | 1.2.3.3 | 分子状酸素 | アセチルリン酸を生じる |
外部リンク
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ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(E1)
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「ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体」の記事における「ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(E1)」の解説
始め、ピルビン酸とチアミン二リン酸(TPP)がピルビン酸デヒドロゲナーゼサブユニットに結合する。TPPのチアゾール環は双性イオンの型をとっており、C2炭素がピルビン酸のC2(ケトン)カルボニルに求核攻撃する。結果、脱炭酸しアシルアニオン相当の生成物を与える。このアニオンはリシン残基に結合しているα-リポ酸のS1に攻撃し、SN2機構で環が開いてS2の方はスルフィドまたはチオール基に変わる。続いて、TPP補因子を放出してリポ酸のS1にチオ酢酸が結合したS-アセチルジヒドロリポイルリシンが形成する。ピルビン酸デヒドロゲナーゼ触媒機構は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の律速過程である。
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