シキミ‐さん【シキミ酸】
シキミ酸
分子式: | C7H10O5 |
その他の名称: | シキミ酸、Shikimic acid、(3R,4S,5R)-3,4,5-Trihydroxy-1-cyclohexene-1-carboxylic acid、Shikimate、シキマート、(3R)-3β,4β,5α-Trihydroxy-1-cyclohexene-1-carboxylic acid、(-)-シキミ酸、(-)-Shikimic acid、(3R,4S,5R)-3,4,5-Trihydroxycyclohexa-1-ene-1-carboxylic acid |
体系名: | (3R,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシ-1-シクロヘキセン-1-カルボン酸、(3R)-3β,4β,5α-トリヒドロキシ-1-シクロヘキセン-1-カルボン酸、(3R,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシシクロヘキサ-1-エン-1-カルボン酸 |
シキミ酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 04:13 UTC 版)
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(3R,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシ-1-シクロヘキセンカルボン酸 |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 138-59-0 ![]() |
PubChem | 8742 |
KEGG | C00493 |
特性 | |
化学式 | C7H10O5 |
モル質量 | 174.15 g mol−1 |
示性式 | C6H6(OH)3COOH |
融点 | 185–187 °C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シキミ酸(シキミさん、shikimic acid)は環状ヒドロキシ酸。芳香族化合物が生合成される経路の重要な中間体。その名の通りシキミから発見されたが、ほとんどの植物でみられる。シキミ酸経路を構成する物質の一つ。3-デヒドロシキミ酸がシキミ酸デヒドロゲナーゼ (EC1.1.1.25.) によって還元されて生成し、シキミ酸キナーゼ (EC2.7.1.71) によってリン酸化され、シキミ酸三リン酸になる。
最近では、インフルエンザの治療薬オセルタミビル(タミフル)の原料として用いられている。以前は、多段階の発酵法、多量の副生成物との分離といった課題があり、効率が悪かったが、コーヒー粕麹法により量産のめどがついた。
生合成
シキミ酸の生合成について、反応式を示す。
ホスホエノールピルビン酸とエリトロース4-リン酸が縮合して 7-ホスホ-2-デヒドロ-3-デオキシアラビノヘプツロソン酸、さらに環化して 3-デヒドロキナ酸へと変えられる。
3-デヒドロキナ酸から脱水して 3-デヒドロシキミ酸へ、最後は還元を受けてシキミ酸となる。
参考文献
- Bohm, B. A. Chem. Rev. 1965, 65, 435-466. DOI: 10.1021/cr60236a003
シキミ酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 23:48 UTC 版)
1885年、ヨハン・エイクマンによってシキミの果実から環状ヒドロキシ酸が発見され、シキミ酸 (shikimic acid) と名付けられた (上図4b)。シキミの果実には乾燥重量の25%、葉には0.5%のシキミ酸が含まれるという。その後の研究で、ほとんどの植物において、シキミ酸を中間産物として芳香族アミノ酸を生合成していることが明らかとなり、この生合成経路はシキミ酸経路とよばれている。シキミ酸経路は植物における重要な二次代謝経路であり、アルカロイド、フェニルプロパノイド、フラボノイド合成に関わっている。シキミ酸は、シキミ属(トウシキミ等)のほか、コンフリーやイチョウにも多く含まれることが報告されている。シキミ酸は、インフルエンザ薬であるオセルタミビル (商品名タミフル) の原料となる (シキミ酸自体にはその効果はない)。
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