合略仮名とは? わかりやすく解説

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ごうりゃく‐がな〔ガフリヤク‐〕【合略仮名】

読み方:ごうりゃくがな

かなの合字のこと。


合略仮名

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/09 13:44 UTC 版)

合略仮名(ごうりゃくがな)は、明治以前の日本において広く使用された仮名合字である。

一部の合略仮名は、正式な文書で用いることが不適切とされ[1]、その中でも書簡(手紙)に限って用いられるものは、合字と略字を区別せずに書簡体略字[2]または書簡体文字[3]とよばれる。女性言葉などを合略した一部の書簡体略字は、女性の書簡や男性から女性への書簡にのみ用いられた[2]
一方で、法令全書などで用いられた合略仮名も存在し、1900年(明治33年)には仮名調査委員が変体仮名の廃止とともに『「こと」より」なり」トキ」トモ」を廃すこと』を議決している[4]

電子機器上での扱い

2000年まで、コンピュータ上では外字の利用などでしか合略仮名を扱えなかった。

2000年JIS X 0213が定められた。これによって「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が使えるようになった。

2002年Unicode 3.2に「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が採用された。

2009年、Unicode 5.2に「(トモ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Cとして登録されてしまった。

2017年、Unicode 10.0に「 (シテ)」「(なり)」「(ナリ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Fとして登録されてしまった。

表示可能なフォント

2023年7月現在、合略仮名が表示可能なフォントには以下のようなものがある。

一覧

平仮名

以下は、合字である。

読み 画像 文字 Unicode 字源
かしこ - - 𛀚しこ
こと - - こと[2]
さま - - 𛃅𛂽[2]
- -
まいらせそうろう - - まい𛃰せ候[5]𛂽[6]
- -
より U+309F より[2]

以下は、合字ではない。

読み 画像 文字 Unicode 字源
なり 𬼂 U+2CF02 [7]
さうらふ - - [2]
とも - - [8]
ども - - 共゙[9]

片仮名

以下は、合字である。

読み 画像 文字 Unicode 字源
トイフ - - ト云[2]
トキ - - トキ[2]
トテ - - トテ[2]
トモ 𪜈 U+2A708 トモ[2]
ドモ 𪜈゙ U+2A708&U+3099 ドモ
ヨリ - - ヨリ[7]

以下は、合字ではない。

読み 画像 文字 Unicode 字源
イフ - - [10]
コト U+30FF [7]
シテ 𬼀 U+2CF00 シテ[7]
トキ - - [7]
トキ - -
ナリ 𬻿 U+2CEFF [11][12]

類似の文字

  • 「ます」と読む文字」は、計量に使用する記号化したものであり、合略仮名ではない。
  • 漢字の一部を仮名に置き換えた字(略字)があるが、これらも合略仮名ではない。
    • 例:「機」、「議」、「摩」または「魔」 →「略字」を参照。
  • インターネットスラングで、既存の文字のが他の文字として解読できる場合、当該文字1字を他の文字2字の代わりとして用いる場合がある。
    • 例:「托い」(キモい)「モルール」(モノレール)など。

脚注

  1. ^ 日本文典 : 解説批評 上 (帝国百科全書 ; 第78,79編)」国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年4月8日
  2. ^ a b c d e f g h i j 国語漢文自習要覧 : 附・仮名遣詳解」国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年3月2日
  3. ^ 国書辞典」国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年4月8日
  4. ^ 教育公報 (231)」国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年3月14日
  5. ^ まいらせ候」漢字字躰帳. 2025年4月9日
  6. ^ 文芸類纂 巻2 字志 下」国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年4月9日
  7. ^ a b c d e 仮字本末」26-27頁、日本語史研究資料. 2025年3月2日
  8. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2025年2月28日閲覧。
  9. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2025年2月28日閲覧。
  10. ^ 習字大全 上”. dl.ndl.go.jp. 2025年2月22日閲覧。
  11. ^ 児玉幸多『くずし字解読辞典〔普及版〕』東京堂出版 1993年 ほか
  12. ^ 田島毓堂「法華経為字和訓考—資料編(三)—」名古屋大学文学部研究論集 1990年

参考文献

関連項目

外部リンク



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