じょ‐ことば【序▽詞】
じょ‐し【序詞】
序詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/05 14:41 UTC 版)
序詞(じょことば、じょし)とは、主として和歌に見られる修辞法で、特定の語の前に置いて、比喩や掛詞、同音語などの関係に係る言葉のことである。
概要
比喩・懸詞・同音語などを用いて、主な主想の一部にかかり、主想を誘導する役割があるとされる[1]。同じような和歌の修辞法に枕詞がある[1]。両者の差異は、枕詞は五音ないし七音であるのに対して、序詞は2句から3句以上の長さであること、枕詞の用法は決まっているが、序詞は創作性に富んでいることである[1]。中国の少数民族の歌謡(ゼンジュ)にも序詞と似た発想が見られ、序詞はかつての東アジアの歌謡の技法を母体とする可能性が高い[2]。
序詞は、古典和歌の全時代を通じて用いられ、『万葉集』の時点ですでに発展していた[1]。『古今和歌集』以後も盛んに用いられたが、『万葉集』に比べて精彩を欠くと言われる[1]。
序詞には二種類の型が見られ、有心の序(うしんのじょ)と無心の序(むしんのじょ)がある。有心の序は意味でつながるもので、無心の序は発音でつながるものである。
序詞の例
有心の序
- 秋づけば尾花が上に置く露の 消ぬべくも吾は思ほゆるかも<露が消えるように私も消える>
無心の序
- 風吹けば沖つ白波 たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ<白波が「立つ」と「龍田山」の掛詞>
脚注
- ^ a b c d e 日本古典文学大辞典編集委員会『日本古典文学大辞典第3巻』岩波書店、1984年10月、418頁。
- ^ 遠藤耕太郎『東アジアの歌の序詞的発想法』日本歌謡学会、2014年12月30日。doi:10.34421/kayo.54.0_47 。2021年10月28日閲覧。
関連項目
序詞 (旧制版)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 00:40 UTC 版)
先人 力強く営める白陵の起伏しにも、滔々と流れをなせる時運の歩みにも、若人が真情の流露 (るろ) は凝って一連の歌草 (うたくさ) をなし、その清にして純なる、簡にして勁なる以て痴人の蒙 (もう) を啓 (ひら) くべく、以て懦夫 (だふ) をして起たしむべし。されば春の朝 (あした) 高く吟ずる時は高踏乱舞 (こうとうらんぶ) の調 (しらべ) となり、冬の夕 (ゆふべ) 低く奏づるときは哀愁悲調の曲と出で、げにうら若き口辺 (こうへん) をこそ飾るに足るなれ。若き誇を思ふ多恨 (たこん) の我等にしてなどて寮歌を愛さざるを得 (う) べけん。友よよしなき事を歎く いとま だにあらば高欄によりて青春の一刻 (ひととき) しばし愁を捨てよかし。
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