上一段活用とは? わかりやすく解説

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かみいちだん‐かつよう〔‐クワツヨウ〕【上一段活用】

読み方:かみいちだんかつよう

動詞の活用形式の一。語形が、五十音図の「イ」段の音(または、それに「る」「れ」「よ」「ろ」のついた形)だけで語形変化するもの。「エ」段だけで語形変化する下一段活用に対していう。文語口語ともにあり、例えば、「見る」が「み・み・みる・みる・みれ・みよ(文語)みろ(口語)」と変化する類。文語では、「着る」「似る」「見る」のような語幹語尾区別つかないものと、その複合語(「かえりみる」など)に限定されるが、口語では、これらのほか、文語上二段活用の「起く」「落つ」なども基本形が「起きる」「落ちる」の形に変化して上一段活用に含まれる

[補説] 五十音図の「ウ」の段を中心とし、「イ」の段を上一段、「イ・ウ」の段を上二段、「エ」の段を下一段、「ウ・エ」の段を下二段という。なお、活用語尾というときは、「る」「れ」「よ」「ろ」の上の音についていう。


上一段活用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/27 04:56 UTC 版)

日本語動詞の活用の種類
文語 口語
四段活用
ナ行変格活用
ラ行変格活用
下一段活用
五段活用
下二段活用 下一段活用
上一段活用
上二段活用
上一段活用
カ行変格活用
サ行変格活用

上一段活用(かみいちだんかつよう)とは、日本語の口語文法および文語文法における動詞活用のひとつである。現代の口語文法では、全ての活用語尾に五十音図のイ段の音(-i)が入り、それに「よう・ない・る・た・れ・ろ」が付くという形で変化する。

概要

語の上一段活用は「着(き)る」「似(に)る」「煮(に)る」「干(ひ)る」「嚏(ひ)る」「簸(ひ)る」「見(み)る」「廻(み)る」「射(い)る」「鋳(い)る」「沃(い)る」「居(ゐ)る」「率(ゐ)る」といった十数語とその複合動詞(「顧(かへり)みる」「率(ひき)ゐる」「用(もち)ゐる」等)しかない。上一段活用の動詞は語幹母音 -i で終わる母音語幹動詞である(これに対して下一段活用は「-e」音終わり)。そのため語幹は「る」の前のイ段母音までとされ、それ以後が語尾とされる。また、学校文法では活用語尾をイ段音が入る部分からとするため「語幹がない」あるいは「語幹と語尾の区別がない」といった説明されることがある。

文語では語幹母音が母音交替する上二段活用が主要な動詞の形態であり、上一段活用は語幹母音が母音交替しない例外的な動詞のグループである。上一段活用の動詞はすべて語幹が1音節であるが、他の1音節で終わる下二段活用やラ行四段活用と同音になるのを避けるために語幹を安定化させたものと考えられる。

口語では上一段活用は語数が多い。口語においては二段活用の一段化が起こり、上二段活用が上一段活用に合流したためである。この変化によって日本語の動詞の活用はより簡略になった。

口語の上一段活用動詞は下一段活用動詞と並んでら抜き言葉(「見れる」「出れる」など)が生じる。

使役の接尾辞である「-ase-」については「-as-」も併用される。例えば「立たす」ではなく「立たせる」が規範的とされる一方で、「立たせられる」(tat-ase-rare-ru)より「立たされる」(tat-as-ere-ru)が規範的とされる。

外国人を対象にした日本語教育においては下一段活用とともに「グループ2」と呼ばれる。

上一段活用動詞の活用

口語

基本形 活用形
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
ア行 老(お)いる -い -い -いる -いる -いれ -いろ・-いよ
居(い)る (居) いる いる いれ いろ・いよ
カ行 起(お)きる -き -き -きる -きる -きれ -きろ・-きよ
着(き)る (着) きる きる きれ きろ・きよ
ガ行 過(す)ぎる -ぎ -ぎ -ぎる -ぎる -ぎれ -ぎろ・-ぎよ
ザ行 閉(と)じる -じ -じ -じる -じる -じれ -じろ・-じよ
タ行 落(お)ちる -ち -ち -ちる -ちる -ちれ -ちろ・-ちよ
ナ行 煮(に)る (煮) にる にる にれ にろ・によ
バ行 浴(あ)びる -び -び -びる -びる -びれ -びろ・-びよ
マ行 染(し)みる -み -み -みる -みる -みれ -みろ・-みよ
見(み)る (見) みる みる みれ みろ・みよ
ラ行 降(お)りる -り -り -りる -りる -りれ -りろ・-りよ

文語

基本形 活用形
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
カ行 着(き)る (着) きる きる きれ きよ
ナ行 似(に)る (似) にる にる にれ によ
ハ行 干(ひ)る (干) ひる ひる ひれ ひよ
マ行 見(み)る (見) みる みる みれ みよ
ヤ行 射(い)る (射) いる いる いれ いよ
ワ行 居(ゐ)る (居) ゐる ゐる ゐれ ゐよ

文語では仮定形の代わりに已然形となる。また、「ろ」に終わる命令形はない。


上一段活用

出典:『Wiktionary』 (2020/06/20 00:56 UTC 版)

この単語漢字
かみ
第一学年
いち
第一学年
だん
第六学年
かつ
第二学年
よう
第二学年
訓読み 音読み 音読み 音読み 音読み

名詞

(かみいちだんかつよう)

  1. (日本語文法, 古典日本語文法) 日本語動詞活用一種すべての活用語尾い段の音が入り、それに「る、れ、よ(ろ)」が付くという形で変化する現代日本語の上一段活用動詞は、古典日本語の上一段活用動詞継承したものに加え上二段活用のものも受け継いでいる。

語源

活用語尾え段の音が入る場合対比し五十音図上の段にあり、い段一段のみが活用語尾となることから。

関連語

活用例

現代日本語

語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) いる いる いれ いろ
いよ
ア行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) きる きる きれ きろ
きよ
カ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) ぎる ぎる ぎれ ぎろ
ぎよ
ガ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) じる じる じれ じろ
じよ
ザ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) ちる ちる ちれ ちろ
ちよ
タ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) にる にる にれ にろ
によ
ナ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) ひる ひる ひれ ひろ
ひよ
ハ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) びる びる びれ びろ
びよ
バ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) みる みる みれ みろ
みよ
マ行上一段
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用
(語幹) りる りる りれ りろ
りよ
ラ行上一段

古典日本語

語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用
(語幹) きる きる きれ きよ カ行上一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用
(語幹) にる にる にれ によ ナ行上一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用
(語幹) みる みる みれ みよ マ行上一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用
(語幹) いる いる いれ いよ ヤ行上一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用
(語幹) ゐる ゐる ゐれ ゐよ ワ行上一段活用

「上一段活用」の例文・使い方・用例・文例

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